HOME 学生長距離

2023.12.13

【Playback箱根駅伝】第31回/人気増で1月2、3日開催に変更 中大が2年ぶりV奪還、東京学芸大が初出場
【Playback箱根駅伝】第31回/人気増で1月2、3日開催に変更 中大が2年ぶりV奪還、東京学芸大が初出場

第31回箱根駅伝/大勢のギャラリーが見守るなかフィニッシュする中大10区の井上

2024年に箱根駅伝は第100回大会を迎える。記念すべき100回に向けて、これまでの歴史を改めて振り返る『Playback箱根駅伝』を企画。第1回大会から第99回大会まで、大会の様子を刻んでいく。(所属などは当時のもの)

第31回(1955年/昭和30年)
中大がV奪還!人気爆発で1月2、3日に変更

戦前は「三が日」が明けてから最初の土日に開催され、戦後まもなくは1月4~7日のうち2日間行われていたが、人気が高まるにつれて応援車両が増えてきたため、この大会から期日を一般車両の少ない1月2日、3日に繰り上げて開催された。

この年から現在に至るまで同日程での開催が続いている。また、今大会で東京学芸大が初出場した。

レースは2年ぶりの優勝を狙う中大が強さを発揮。1区こそ3位スタートで日大に先行を許したが、2区の桜谷嘉彦が区間賞の走りで2位に上がる。

3区では1年生の佐藤光信が1952年のヘルシンキ五輪マラソン代表で日大のエースである内川義高を抜いて先頭に立った。

往路は2区から5区まで中大が区間賞を獲得して2年ぶりに往路優勝。2位の日大に3分25秒差をつけた。

氷点下6度の中でスタートした復路。日大の相良豊が山下りの6区で区間新記録をマークして、中大との差を1分27秒まで詰める。

7区では中大の布上正之が区間賞で2分5秒に差を広げるが、8区では日大の馬場英則が区間賞を獲得して1分30秒差に。両校の意地と意地がぶつかるマッチレースは終盤2区間にもつれ込むことになった。

最後に笑ったのは中大。9区の菊地直志が区間賞の快走で日大との差を2分52秒に拡大すると、10区では1952年ヘルシンキ五輪の5000m代表にもなった井上治が区間2位にまとめ、大観衆が迎えるフィニッシュに真っ先に飛び込んだ。

中大は2年ぶり6回目の総合優勝。往路、復路も制する完全優勝だった。総合タイムは12時間8分40秒。これは2年前に中大が作った12時間3分41秒の大会記録に次ぐ好記録だった。

日大は終盤2区間で突き放されて5分5秒差の2位。往路、復路ともに序盤で見せ場を作ったが、中大の選手層の厚さの前に屈した。初出場の東京学芸大は12位と健闘した。

参考文献:箱根駅伝90回記念誌(関東学生連盟)

2024年に箱根駅伝は第100回大会を迎える。記念すべき100回に向けて、これまでの歴史を改めて振り返る『Playback箱根駅伝』を企画。第1回大会から第99回大会まで、大会の様子を刻んでいく。(所属などは当時のもの)

第31回(1955年/昭和30年) 中大がV奪還!人気爆発で1月2、3日に変更

戦前は「三が日」が明けてから最初の土日に開催され、戦後まもなくは1月4~7日のうち2日間行われていたが、人気が高まるにつれて応援車両が増えてきたため、この大会から期日を一般車両の少ない1月2日、3日に繰り上げて開催された。 この年から現在に至るまで同日程での開催が続いている。また、今大会で東京学芸大が初出場した。 レースは2年ぶりの優勝を狙う中大が強さを発揮。1区こそ3位スタートで日大に先行を許したが、2区の桜谷嘉彦が区間賞の走りで2位に上がる。 3区では1年生の佐藤光信が1952年のヘルシンキ五輪マラソン代表で日大のエースである内川義高を抜いて先頭に立った。 往路は2区から5区まで中大が区間賞を獲得して2年ぶりに往路優勝。2位の日大に3分25秒差をつけた。 氷点下6度の中でスタートした復路。日大の相良豊が山下りの6区で区間新記録をマークして、中大との差を1分27秒まで詰める。 7区では中大の布上正之が区間賞で2分5秒に差を広げるが、8区では日大の馬場英則が区間賞を獲得して1分30秒差に。両校の意地と意地がぶつかるマッチレースは終盤2区間にもつれ込むことになった。 最後に笑ったのは中大。9区の菊地直志が区間賞の快走で日大との差を2分52秒に拡大すると、10区では1952年ヘルシンキ五輪の5000m代表にもなった井上治が区間2位にまとめ、大観衆が迎えるフィニッシュに真っ先に飛び込んだ。 中大は2年ぶり6回目の総合優勝。往路、復路も制する完全優勝だった。総合タイムは12時間8分40秒。これは2年前に中大が作った12時間3分41秒の大会記録に次ぐ好記録だった。 日大は終盤2区間で突き放されて5分5秒差の2位。往路、復路ともに序盤で見せ場を作ったが、中大の選手層の厚さの前に屈した。初出場の東京学芸大は12位と健闘した。 参考文献:箱根駅伝90回記念誌(関東学生連盟)

第31回箱根駅伝総合成績をチェック

●総合成績 1位 中大 12時間08分40秒 2位 日大 12時間13分45秒 3位 早大 12時間39分21秒 4位 東教大 12時間40分13秒 5位 法大 12時間42分32秒 6位 専大 12時間47分13秒 7位 東洋大 12時間52分18秒 8位 立教大 12時間52分52秒 9位 東農大 12時間55分48秒 10位 日体大 13時間08分27秒 11位 神奈川大 13時間40分39秒 12位 東学大 13時間42分33秒 13位 横浜市大 13時間51分00秒 14位 横浜国大 14時間05分52秒 15位 拓大 15時間20分50秒 ●区間賞 1区 岩本健生(日大) 1時間10分32秒 2区 桜谷嘉彦(中大) 1時間07分22秒 3区 佐藤光信(中大) 1時間09分16秒 4区 吉田斉(中大) 1時間07分16秒 5区 谷敷正雄(中大) 1時間30分20秒 6区 相良豊(日大) 1時間14分56秒 7区 布上正之(中大) 1時間08分29秒 8区 馬場英則(日大) 1時間14分45秒 9区 菊池直志(中大) 1時間09分02秒 10区 大西増夫(法大) 1時間12分05秒 ●区間賞

次ページ:

ページ: 1 2

       

RECOMMENDED おすすめの記事

    

Ranking 人気記事ランキング 人気記事ランキング

Latest articles 最新の記事

2024.09.07

順大・澤木啓祐氏が名誉総監督を退任 本人の申し出を受け

9月6日、順天堂大学スポーツ健康科学部はホームページに「順天堂大学陸上競技部に関する報道について」と題したリリースを公開。同大学陸上部名誉総監督の澤木啓祐氏が退任することが発表された。 この件は、一部報道で同大学陸上部指 […]

NEWS ヤマダホールディングスが10月のプリンセス駅伝欠場を発表

2024.09.06

ヤマダホールディングスが10月のプリンセス駅伝欠場を発表

9月6日、ヤマダホールディングスは10月20日に開催予定の第10回全⽇本実業団対抗⼥⼦駅伝予選会(プリンセス駅伝)を欠場することを発表した。 チームは11月の全⽇本実業団対抗⼥⼦駅伝(クイーンズ駅伝)での上位入賞を目標に […]

NEWS チェベトが女子5000mで14分09秒52 男子1500mはヌグセがインゲブリグトセンを抑える/DLチューリヒ

2024.09.06

チェベトが女子5000mで14分09秒52 男子1500mはヌグセがインゲブリグトセンを抑える/DLチューリヒ

9月5日、ダイヤモンドリーグ(DL)第13戦のヴェルトクラッセ・チューリッヒがスイス・チューリヒで開催され、女子5000mでは、パリ五輪金メダルのB.チェベト(ケニア)が今季世界最高、パフォーマンス世界歴代7位の14分0 […]

NEWS 田中希実25歳初レース5000m14分49秒95で東京世界陸上の標準突破!!やり投・ディーン3位で初ファイナルへ/DLチューリヒ

2024.09.06

田中希実25歳初レース5000m14分49秒95で東京世界陸上の標準突破!!やり投・ディーン3位で初ファイナルへ/DLチューリヒ

世界最高峰のダイヤモンドリーグ(DL)シリーズ最終戦となる第14戦・チューリヒ大会(スイス)が9月6日に行われ、女子5000mの田中希実(New Balance)が14分49秒95で7位に入った。この記録で、来年の東京世 […]

NEWS 女子マラソン・ウガンダ代表のチェプテゲイが死去 五輪から1ヵ月経たぬうちの惨劇に悲しみ広がる

2024.09.05

女子マラソン・ウガンダ代表のチェプテゲイが死去 五輪から1ヵ月経たぬうちの惨劇に悲しみ広がる

ウガンダのオリンピック委員会(UOC)は9月4日、パリ五輪女子マラソン代表のレベッカ・チェプテゲイが死去したことを発表した。 チェプテゲイは9月2日、トレーニング先のケニアにおいて交際相手の男と口論となった末に、男からガ […]

SNS

Latest Issue 最新号 最新号

2024年9月号 (8月9日発売)

2024年9月号 (8月9日発売)

速報 パリ五輪
大盛況 福岡IH
久保凛 日本新特集!

page top