2023.08.18
フレイザー・プライス、インゲブリグトセンらが「東欧のパリ」を沸かせる
「勝負」の点では、やはり男女スプリントが見逃せない。男子は米国勢、女子はジャマイカ勢を軸に、若手も絡んだ熱戦が繰り広げられそうだ。
男子は100m、200mそれぞれで地元Vを飾ったフレッド・カーリー、ノア・ライルズが中心。なかでもライルズが、15年北京大会のウサイン・ボルト(ジャマイカ)以来の2冠、さらにはボルトが持つ200mの世界記録(19秒19)更新に並々ならぬ意欲を見せている。
100mは東京五輪でも銀メダルを獲得したカーリーが一枚上手だが、3連覇が懸かる200mは前回大会を世界歴代3位、米国新の19秒31で制覇。日本の漫画『ドラゴンボール』の大ファンという26歳が、新たな時代を作る可能性はある。
20歳のレツィレ・テボゴ(ボツワナ)、19歳のエリヨン・ナイトン(米国)といった若手の台頭なるかにも注目。男子400mはスティーブン・ガーディナー(バハマ)と、ウエイド・ファン・ニーケアク(南アフリカ)の「新旧五輪王者対決」が見逃せない。
女子では100mで3大会連続6度目の優勝を狙って調子を上げてきたシェリーアン・フレイザー・プライス、前回大会の200mを世界歴代2位の21秒45で制したシェリカ・ジャクソンのジャマイカ・コンビが、今回もV争いの中心となる。シャカリ・リチャードソン、ガブリエル・トーマスら米国勢、マリー・ジョセ・タルー(コートジボワール)も好調で、ハイレベルの熱戦が繰り広げられそうだ。
男子3000m障害は東京五輪、オレゴン世界陸上を連覇したソフィアン・エル・バッカリ(モロッコ)と、6月に7分52秒11の世界新記録を樹立したラメチャ・ギルマ(エチオピア)が激突。男子中長距離は1500m、5000mの2冠を狙うヤコブ・インゲブリグトセン(ノルウェー)を中心に、どの種目も最後まで手に汗握るデッドヒートが繰り広げられるだろう。男子円盤投でも前回王者のクリスチャン・チェー(スロベニア)、東京五輪覇者のダニエル・ストール(スウェーデン)、19歳のマイコラス・アレクナ(リトアニア)が70m超えの激闘を予感させる。
「記録」に挑むのは、女子400mハードルのフェムケ・ボル(オランダ)。7月のDLロンドンでは世界歴代2位の51秒45をマークするなど、史上2人目の50秒台突入は射程圏だ。今季はスプリント種目に専念したうえ、右膝を痛めて影響で今大会は欠場となったシドニー・マクローリン・レヴロン(米国)が持つ世界記録50秒68にどこまで迫れるか。
男子砲丸投のライアン・クルーザー(米国)は、5月末に自身の世界記録を23m56に更新。ターンの入りでステップを加えた「クルーザー・ステップ」がハマれば、さらなる記録更新もあり得る。
連覇記録では男子ハンマー投のパウェル・ファイデク(ポーランド)には、男子棒高跳の“鳥人”セルゲイ・ブブカに並ぶ個人最多の6連覇、女子三段跳のユリマール・ロハス(ベネズエラ)には女子個人最多の4連覇が懸かる。
このほかにも好記録、名勝負への期待が高まる種目が目白押し。世界の超人たちが集う世界陸上は、8月19日から27日までの9日間、“東欧のパリ”と称される美しき街・ブダペストを舞台に行われる。
フレイザー・プライス、インゲブリグトセンらが「東欧のパリ」を沸かせる
「勝負」の点では、やはり男女スプリントが見逃せない。男子は米国勢、女子はジャマイカ勢を軸に、若手も絡んだ熱戦が繰り広げられそうだ。 男子は100m、200mそれぞれで地元Vを飾ったフレッド・カーリー、ノア・ライルズが中心。なかでもライルズが、15年北京大会のウサイン・ボルト(ジャマイカ)以来の2冠、さらにはボルトが持つ200mの世界記録(19秒19)更新に並々ならぬ意欲を見せている。 100mは東京五輪でも銀メダルを獲得したカーリーが一枚上手だが、3連覇が懸かる200mは前回大会を世界歴代3位、米国新の19秒31で制覇。日本の漫画『ドラゴンボール』の大ファンという26歳が、新たな時代を作る可能性はある。 20歳のレツィレ・テボゴ(ボツワナ)、19歳のエリヨン・ナイトン(米国)といった若手の台頭なるかにも注目。男子400mはスティーブン・ガーディナー(バハマ)と、ウエイド・ファン・ニーケアク(南アフリカ)の「新旧五輪王者対決」が見逃せない。 女子では100mで3大会連続6度目の優勝を狙って調子を上げてきたシェリーアン・フレイザー・プライス、前回大会の200mを世界歴代2位の21秒45で制したシェリカ・ジャクソンのジャマイカ・コンビが、今回もV争いの中心となる。シャカリ・リチャードソン、ガブリエル・トーマスら米国勢、マリー・ジョセ・タルー(コートジボワール)も好調で、ハイレベルの熱戦が繰り広げられそうだ。 男子3000m障害は東京五輪、オレゴン世界陸上を連覇したソフィアン・エル・バッカリ(モロッコ)と、6月に7分52秒11の世界新記録を樹立したラメチャ・ギルマ(エチオピア)が激突。男子中長距離は1500m、5000mの2冠を狙うヤコブ・インゲブリグトセン(ノルウェー)を中心に、どの種目も最後まで手に汗握るデッドヒートが繰り広げられるだろう。男子円盤投でも前回王者のクリスチャン・チェー(スロベニア)、東京五輪覇者のダニエル・ストール(スウェーデン)、19歳のマイコラス・アレクナ(リトアニア)が70m超えの激闘を予感させる。 「記録」に挑むのは、女子400mハードルのフェムケ・ボル(オランダ)。7月のDLロンドンでは世界歴代2位の51秒45をマークするなど、史上2人目の50秒台突入は射程圏だ。今季はスプリント種目に専念したうえ、右膝を痛めて影響で今大会は欠場となったシドニー・マクローリン・レヴロン(米国)が持つ世界記録50秒68にどこまで迫れるか。 男子砲丸投のライアン・クルーザー(米国)は、5月末に自身の世界記録を23m56に更新。ターンの入りでステップを加えた「クルーザー・ステップ」がハマれば、さらなる記録更新もあり得る。 連覇記録では男子ハンマー投のパウェル・ファイデク(ポーランド)には、男子棒高跳の“鳥人”セルゲイ・ブブカに並ぶ個人最多の6連覇、女子三段跳のユリマール・ロハス(ベネズエラ)には女子個人最多の4連覇が懸かる。 このほかにも好記録、名勝負への期待が高まる種目が目白押し。世界の超人たちが集う世界陸上は、8月19日から27日までの9日間、“東欧のパリ”と称される美しき街・ブダペストを舞台に行われる。
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