HOME 国内、世界陸上、日本代表
ブダペスト世界陸上競歩日本代表が合宿の模様を公開!20km史上2人目に3連覇に挑む山西利和「泥臭く積み上げたものが形になれば」
ブダペスト世界陸上競歩日本代表が合宿の模様を公開!20km史上2人目に3連覇に挑む山西利和「泥臭く積み上げたものが形になれば」

練習を公開したブダペスト世界陸上競歩日本代表(提供:日本陸連/共同通信イメージズ)

8月19日~27日にハンガリー・ブダペストで開催される世界陸上の競歩日本代表が北海道千歳市で直前合宿を実施。8月1日にその模様が公開された。

午前のトレーニング後、選手たちは集まったメディアの取材に応じ、男子20km競歩で史上2人目の3連覇が懸かる山西利和(愛知製鋼)は、「この合宿が終わればいよいよ出国。(本番が)迫ってきたなという感じです」と気持ちを引き締める。

広告の下にコンテンツが続きます

2連覇中の王者として、ワイルドカードで出場権を手にしていたこともあり、今年は冬場の国内レースを回避してブダペストだけを見据えて調整。5月にポルトガルで行われた世界陸連(WA)競歩ツアー・ゴールド「リオ・マイオール国際グランプリ」が今年の初戦で、1時間20分58秒で3位だった。

その後のトレーニングは順調で、「だいぶ上がってきました。あとはもうひとピースかなと思います」。大会のオープニング種目として行われることから、残り期間は2週間強。「地道に、泥臭く積み上げてきたものが形になればいい。最後は、『勝ちたい』という思いがどれだけはまるか。自分自身と対話していきたい」と山西は本番を見据える。

勝負どころは「後半の10km」と見ており、「後半のペースを誰が握るのか。その中で自分がどう立ち回るか」をポイントに挙げる。そのうえで、「後半の作り方に対して今年1年やってきたこと、これまでやってきたいろいろなことを出していきたい」。

競歩種目では2003年パリ大会~07年大阪大会のジェファーソン・ペレス(エクアドル)しか成し遂げてない偉業に向けて、「まずは今回、金メダル取れるようにがんばりたい。それが3連覇や、観ている人に何かが伝わるということにつながればといいと思っています」と力強く語った。

広告の下にコンテンツが続きます

また、東京五輪、前回大会ともにこの種目で銀メダルに輝いた池田向希(旭化成)は、「まだ時間があるので落ち着いています」と笑顔を浮かべる。

2月の日本選手権に初優勝し、3大会連続の代表に内定した後は、「土台作り」と「歩型の改善・改良」からスタート。「順調に、継続してトレーニングを積めました」と手応えを口にした。

東京五輪では銅メダルだった山西を上回ったが、前回はラスト勝負で山西のスパートに屈した。「山西さんもしっかりと合わせてくると思う。僕も負けじと、ベストコンディションに合わせたい」とライバル心を静かに燃やす。

日本選手権以来、約半年ぶりのレースとなるが、不安はない。「来年、パリ五輪があることで日本だけではなく、世界の国々も大事な大会にしている。だからこそレベルの高いレースになると思います。金メダル獲得を目標に、それでも気負わず、平常心を保って普段通りのレースをしたい」とまっすぐ前を見つめた。

20km競歩の男子は大会初日の8月19日午前8時50分(日本時間午後3時50分)、女子は翌20日の午前7時15分(同午後2時15分)にスタート。35kmは男女とも大会6日目の8月24日午前8時(同午後2時)に行われる。

競歩陣は10日に出国で、来年のパリ五輪の事前合宿地を視察した後、現地入りする予定だという。

8月19日~27日にハンガリー・ブダペストで開催される世界陸上の競歩日本代表が北海道千歳市で直前合宿を実施。8月1日にその模様が公開された。 午前のトレーニング後、選手たちは集まったメディアの取材に応じ、男子20km競歩で史上2人目の3連覇が懸かる山西利和(愛知製鋼)は、「この合宿が終わればいよいよ出国。(本番が)迫ってきたなという感じです」と気持ちを引き締める。 2連覇中の王者として、ワイルドカードで出場権を手にしていたこともあり、今年は冬場の国内レースを回避してブダペストだけを見据えて調整。5月にポルトガルで行われた世界陸連(WA)競歩ツアー・ゴールド「リオ・マイオール国際グランプリ」が今年の初戦で、1時間20分58秒で3位だった。 その後のトレーニングは順調で、「だいぶ上がってきました。あとはもうひとピースかなと思います」。大会のオープニング種目として行われることから、残り期間は2週間強。「地道に、泥臭く積み上げてきたものが形になればいい。最後は、『勝ちたい』という思いがどれだけはまるか。自分自身と対話していきたい」と山西は本番を見据える。 勝負どころは「後半の10km」と見ており、「後半のペースを誰が握るのか。その中で自分がどう立ち回るか」をポイントに挙げる。そのうえで、「後半の作り方に対して今年1年やってきたこと、これまでやってきたいろいろなことを出していきたい」。 競歩種目では2003年パリ大会~07年大阪大会のジェファーソン・ペレス(エクアドル)しか成し遂げてない偉業に向けて、「まずは今回、金メダル取れるようにがんばりたい。それが3連覇や、観ている人に何かが伝わるということにつながればといいと思っています」と力強く語った。 また、東京五輪、前回大会ともにこの種目で銀メダルに輝いた池田向希(旭化成)は、「まだ時間があるので落ち着いています」と笑顔を浮かべる。 2月の日本選手権に初優勝し、3大会連続の代表に内定した後は、「土台作り」と「歩型の改善・改良」からスタート。「順調に、継続してトレーニングを積めました」と手応えを口にした。 東京五輪では銅メダルだった山西を上回ったが、前回はラスト勝負で山西のスパートに屈した。「山西さんもしっかりと合わせてくると思う。僕も負けじと、ベストコンディションに合わせたい」とライバル心を静かに燃やす。 日本選手権以来、約半年ぶりのレースとなるが、不安はない。「来年、パリ五輪があることで日本だけではなく、世界の国々も大事な大会にしている。だからこそレベルの高いレースになると思います。金メダル獲得を目標に、それでも気負わず、平常心を保って普段通りのレースをしたい」とまっすぐ前を見つめた。 20km競歩の男子は大会初日の8月19日午前8時50分(日本時間午後3時50分)、女子は翌20日の午前7時15分(同午後2時15分)にスタート。35kmは男女とも大会6日目の8月24日午前8時(同午後2時)に行われる。 競歩陣は10日に出国で、来年のパリ五輪の事前合宿地を視察した後、現地入りする予定だという。

女子20㎞・藤井菜々子「少しでもメダルに近い順位を」35㎞・岡田久美子「挑戦する気持ちを忘れずに」

■女子20km競歩代表 藤井菜々子(エディオン) 5月までは持久力を向上させる練習を積み、そこからスピードに切り替え、昨年はこなせなかった内容を入れて、前回大会とは違う練習を積んできました。距離への不安もなく、トップスピードも上がってきた。すごく自信がある状態です。7位、6位ときているので、少しでもメダルに近い順位を意識しています。少しでもトップ集団についていくこと、今回は日本記録(1時間27分41秒)に迫る記録も目標にしています。 ■女子35km競歩代表 岡田久美子(富士通) 6月は自分自身にあせりもあったけど、そこから立て直して、7月に入ってからはとても順調に練習を積むことができています。スピードよりもペース感覚を研ぎ澄ませるような練習、25kmや30kmという長い距離の練習ををやってきました。合格点を出せる順位は8位入賞。初入賞だった2019年ドーハ大会が6位。できればそれよりも上の順位を目指して歩き切りたい。挑戦する気持ちを忘れずに向かっていきたいと思っています。 ■男子35km競歩代表 野田明宏(自衛隊体育学校) 日本選手権(日本記録の2時間23分13秒で優勝)後は若干疲れが出ましたが、北海道に入ってからいい練習ができています。いい準備ができているので、自信があります。日本選手権前に土台はしっかり作れていたので、それプラス歩型の技術を変わらず突き詰めてきた。過去2回は途中棄権と9位。前回はあと8秒で入賞を逃したので、3度目の正直。タイム的にはメダルも見えてきているので、入賞と言わずメダルを目標に残り期間を取り組みたいと思っています。

次ページ:

ページ: 1 2

       

RECOMMENDED おすすめの記事

    

Ranking 人気記事ランキング 人気記事ランキング

Latest articles 最新の記事

2025.07.09

BROOKSの人気クッションモデル「Glycerin MAX」から待望の新色が7月18日より登場!

米国No.1ランニングシューズブランド「BROOKS(ブルックス)」は、2024年10月の発売以来、多くのランナーから高い支持を集めている「Glycerin MAX(グリセリンマックス)」の新色(グレー、イエローグリーン […]

NEWS 【女子2000m障害】シュブルチェック・アンナ(牛久高)6分25秒96=高校最高

2025.07.09

【女子2000m障害】シュブルチェック・アンナ(牛久高)6分25秒96=高校最高

7月5日の茨城県選手権(笠松運動公園陸上競技場)少年女子A2000m障害で、シュブルチェック・アンナ(牛久高2)が6分25秒96の高校最高記録をマークした。 これまでの高校最高記録は、2022年インターハイ東北大会(オー […]

NEWS 【女子100m】バログン・イズミ(千住ジュニア・中2)11秒93=中2歴代5位

2025.07.09

【女子100m】バログン・イズミ(千住ジュニア・中2)11秒93=中2歴代5位

東京・江東区選手権が6月29日、夢の島競技場で行われ、中学2年女子100mでバログン・イズミ(千住ジュニア)が中2歴代5位の11秒93(+1.8)をマークした。 これまでの自己ベストは5月下旬に出した12秒21。バログン […]

NEWS 東京世界陸上代表・田中希実が7/12開催MDCの1500mに急きょ参戦

2025.07.09

東京世界陸上代表・田中希実が7/12開催MDCの1500mに急きょ参戦

東京世界選手権女子1500mと5000mの両種目で代表に内定している田中希実(New Balance)が、7月12日開催の「TWOLAPS MIDDLE DISTANCE CIRCUIT Supported by On」 […]

NEWS 日本選手権混成、日本選手権リレーの競技日程変更 暑熱対策で11時30分から15時まで競技中断

2025.07.08

日本選手権混成、日本選手権リレーの競技日程変更 暑熱対策で11時30分から15時まで競技中断

日本陸連は7月8日、SNSを通じて、今週末の12日、13日に開催される日本選手権混成競技、日本選手権リレー(岐阜・長良川)の競技日程を変更すると発表した。 日本陸連は近年の気候変動に伴い、競技者および関係者への健康影響が […]

SNS

Latest Issue 最新号 最新号

2025年7月号 (6月13日発売)

2025年7月号 (6月13日発売)

詳報!アジア選手権
日本インカレ
IH都府県大会

page top