◇第102回関東インカレ(5月11日~14日/神奈川・ギオンスタジアム相模原)1日目
関東インカレの1日目に男子2部10000mが行われ、唐澤拓海(駒大)が28分26秒83で日本人トップの4位に入った。
「4位ではおもしろくない。最低でも3位を取りたかった」
何よりこの言葉が、強い唐澤の復活を印象づける。
留学生はいたものの、それほど速いペースにはならず、終盤まで大集団で進む。「残り500mで仕掛ける得意なかたちで勝ちたい」とイメージしていた唐澤だが、疲労や「差し込み(脇腹痛)がきてしまってきつかった。余裕がなかったです」と振り返る。
それでも留学生より先にスパートをかけて先頭に躍り出る。さすがに残り300mで留学生に突き放されたものの日本人トップを死守した。
「最低限、日本人トップ」。関東インカレは「相性がいい」と言うように、2年時には5000mと10000mともに3位で、いずれも日本人最上位だった。「表彰台を狙っていた」が届かず。「疲労もあった」とも。
それもそのはず、鮮烈な輝きを放った2年時から一変、昨年はケガもあり戦線離脱。箱根駅伝1区2位と快走して以降は1年以上もレースから遠ざかった。
しかし、今年4月に復帰。1年3ヵ月ぶりに出場した第1回世田谷競技会5000mでは13分50秒56をマークし、4月22日の日体大競技会では10000mに出場し、自己ベストとなる27分57秒52という、破格の復帰を果たした。
今季に懸ける思いは人一倍強い。「駒大には陸上をやりに来た。ラストイヤーくらいは、というのはよくないですが、ちゃんとやろうと思いました」。
昨年度は駅伝3冠を果たしたが、どこか他人事で蚊帳の外だったが、「(鈴木)芽吹、篠原(倖太朗)、(佐藤)圭汰の3人には負けたくないです。今は(自分より先)上にいるけど挑戦していきたい」と、しっかり加わるつもりでいる。
「すべての駅伝で1区を走りたい。駅伝シーズンから1月の箱根駅伝まで良い状態で持っていきたいです」
王者・駒大史上、いや、学生駅伝史上最強のチームになるために。足りなかったラストピースが戻ってきた。
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