◇第99回箱根駅伝予選会(10月15日/東京・陸上自衛隊立川駐屯地スタート、昭和記念公園フィニッシュ:21.0975km)
来年正月の第99回箱根駅伝の出場権を懸けた箱根駅伝予選会が行われ、3年ぶりに箱根駅伝予選会からの出発となった早大は4位で本大会への出場を決めた。
これまでは、どちらかといえば、スピード型のチーム。「夏場は彼らが苦手な走り込みをしっかりやれていた」と、今年6月に就任した花田勝彦駅伝監督が言うように、今夏は例年以上に走り込みスタミナ面を強化した。
その反動もあって9月24日の早大競技会では全体的に記録が振るわず、前評判は決して高いわけではなかった。しかし、妙高高原での3次合宿明けの記録会だったため、不振の理由は明確。「直近の試合が悪かったので、周りから心配されていましたが、それぞれ能力が高い選手たちなので、予選会に向けては良いかたちで仕上がっており、あまり不安はなかったです」と花田監督は言う。
主将の鈴木創士(4年)も「ここから疲労を抜いていけば大丈夫。下がるところまで下がったんで、あとは上がっていくだけ」とポジティブにその結果を受け止めていた。
実際に2週間前の大事な練習では状態が上向いているのを確認できたといい、本番には自信を持って臨んだ。
レースは、調子が良かった井川龍人(4年)と山口智規(1年)がフリー。残りのメンバーは終盤の5kmに備えて、前半はペースを抑えめに走った。
想定外だったのは、予想以上にスローペースになったことだ。
「タイムではなく順位想定で指示を出していたので、遅いペースならば、ある程度前にいくことも大事だったなと思います。後半伸びなかった選手は、そのスローペースにはまってしまったし、スローな展開でキャプテンの鈴木も転倒してしまいました。私の反省点ですが、遅くなったときは、自分たちのペースで行くように話をしておけばよかった」
入りの5kmの暫定順位は、通過圏内ギリギリの10位だった。
それでも、そこからは盤石なレースを見せた。じわりじわり順位を上げると、17.4kmの折り返しでは、ついにトップに立った。
エースの井川は日本人先頭集団でレースを進め、17km過ぎに木村暁仁(専大)には離されたものの、富田峻平(明大)と競り合いながら日本人2番手の9位でフィニッシュした。
「上りが得意ではないので、公園内のコースは本当にきつかった。途中の通過順位が一番と言われたので、全日本もありますし、無理はせずに行こうと思いました」と井川は、3週間後を見据えつつも、きっちりエースとしての役割を果たした。
そして、後方では、佐藤航希(3年)、鈴木、伊藤大志(2年)が1時間3分台でしっかりとまとめた。18km過ぎに山口が過呼吸を起こし、立ち止まるアクシデントもあったものの、それでも貫禄の上位通過を果たした。
また、石塚陽士(2年)、間瀬田純平(1年)、菖蒲敦司(3年)は、本来はチーム内で上位にくる選手たちだが、8月末から9月頭に新型コロナウイルスに感染した影響で、まだまだ本調子ではなかった。特に菖蒲は、7月頭まで中距離に取り組んでおり、走り込みが不足していた。
「昨年度まで相楽豊前駅伝監督(現チーム戦略アドバイザー)がしっかりスピードを強化してきたなかで、今年はスタミナ強化を始めた1年目。2年、3年と重ねていけば、非常におもしろいチームになれるかなと思います」
花田監督が就任して初めて迎えたロードシーズン。初陣となった箱根予選会は、決して会心のレースというわけではなかったかもしれない。しかしながら、名門復活へ、希望を抱かせるレースになった。
文/和田悟志

RECOMMENDED おすすめの記事
Ranking
人気記事ランキング
2025.08.29
200m鵜澤飛羽 東京世界陸上ファイナルへ「自分の走りをするだけ」
-
2025.08.29
-
2025.08.29
2025.08.27
アディダス アディゼロから2025年秋冬新色コレクションが登場!9月1日より順次販売
-
2025.08.24
-
2025.08.25
-
2025.08.25
-
2025.08.23
2025.08.16
100mH・福部真子12秒73!!ついに東京世界選手権参加標準を突破/福井ナイトゲームズ
-
2025.08.27
-
2025.08.19
-
2025.08.24
2022.04.14
【フォト】U18・16陸上大会
2021.11.06
【フォト】全国高校総体(福井インターハイ)
-
2022.05.18
-
2023.04.01
-
2022.12.20
-
2023.06.17
-
2022.12.27
-
2021.12.28
Latest articles 最新の記事
2025.08.29
U20東アジア選手権日本代表が発表!清水空跳、西岡尚輝、古賀ジェレミーらホープたち選出、香港で躍動なるか
日本陸連は8月29日、9月27日~28日に行われるU20東アジア選手権の日本代表選手男子17名、女子15名を発表した。 男子100mには今年の広島インターハイを10秒00の高校新で制した清水空跳(星稜高2石川)と、昨年の […]
2025.08.29
劇場アニメ『ひゃくえむ。』と『東京2025世界陸上』がスペシャルコラボ! 特別ムービーも公開
9月19日から公開される劇場長編アニメ『ひゃくえむ。』と、9月13日から開幕する『東京2025世界陸上』のスペシャルコラボ企画が発表された。 『ひゃくえむ。』は人気漫画「チ。―地球の運動について―」で手塚治虫文化賞マンガ […]
2025.08.29
200m鵜澤飛羽 東京世界陸上ファイナルへ「自分の走りをするだけ」
男子200mで東京世界選手権代表に内定している鵜澤飛羽(JAL)が、拠点とする母校の筑波大で練習を公開し、報道陣の取材に応じた。 テレビ、新聞など約20社が集まり、その注目度がうかがい知れる。この日は酷暑のなか、ウォーミ […]
2025.08.29
400mHボルが圧勝「東京もきっと素晴らしい大会になる」 男子200mはライルズがテボゴ抑えV/DLファイナル
◇ダイヤモンドリーグ・ファイナル(8月27日、28日、スイス・チューリヒ) 8月28日、世界最高峰シリーズのダイヤモンドリーグ(DL)ファイナルとなる「ヴェルトクラッセ・チューリヒ」の2日目が、チューリヒで開催され、女子 […]
2025.08.29
桐生祥秀が練習を公開!19年ドーハ以来の世界陸上100m出場濃厚「決勝に立ちたいと考えるほどテンション上がる」
男子短距離の桐生祥秀(日本生命)が8月29日、母校・東洋大でトレーニングの様子を公開した。 7月の日本選手権100mを5年ぶりに制し、8月3日の富士北麓ワールドトライアルでは8年ぶり9秒台となる9秒99(+1.3)を出し […]
Latest Issue
最新号

2025年9月号 (8月12日発売)
衝撃の5日間
広島インターハイ特集!
桐生祥秀 9秒99