陸上競技の世界ナンバーワンを決める世界陸上競技選手権(以下、世界選手権)が7月15日から7月24日までの10日間、米国・オレゴン州ユージンのヘイワード・フィールドで行われている。
後半戦初日となるDay6は、前日に続いてイブニングセッションのみ。日本時間では21日の朝から昼前までとなる。
女子やり投予選には日本記録(66m00)保持者の北口榛花(JAL)、上田百寧(ゼンリン)、武本紗栄(佐賀県スポ協)の3人が出場する。フルエントリーは2017年ロンドン大会以来2度目。日本時間7時20分(以下時間はすべて日本時間)に始まるA組には上田、8時50分開始のB組には北口と武本が入った。
予選通過記録は昨年の東京五輪より50cm短くなって62m50。今季63m93を放ち、6月18日のダイヤモンドリーグ(DL)パリ大会で日本人DL初優勝を果たした北口にとっては、十分狙える記録だ。初入賞を目指して、予選から弾みとなるアーチを描けるか。
また、近年は通過記録に到達する選手が少なく、東京五輪や3年前のドーハ大会は60m90台で決勝に進む選手もいた。自己ベストが61m75の上田と62m39の武本は、しっかりと地力を発揮できれば通過する可能性が出てくる。3人そろってのファイナルもまったくの夢ではない。
ちなみに、B組には東京五輪金メダリスト・劉詩穎(中国)や銀のマリア・アンドレイチク(ポーランド)、銅のケルシー・リー・バーバー(豪州)、4位のエダ・ツースズ(トルコ)もいる。
8時25分からの女子5000m予選には1組に日本記録(14分52秒84)保持者の廣中璃梨佳(日本郵政グループ)と萩谷楓(エディオン)が、2組には田中希実(豊田自動織機)が出場する。両組の5着と、6着以下記録の上位5人が24日午前10時25分の決勝に進む。
田中は準決勝まで進んだ1500mを経て3レース目。廣中は4日前に10000mで日本歴代2位(30分39秒71)の激走を演じている。萩谷ももちろんだが、ここまでのコンディションを踏まえつつ、レース終盤まで先頭に食らいつけるかがポイントだ。
海外勢では、1組に2日前の1500mで銀メダルを手にしたグダフ・ツェガイ(エチオピア)やこの種目ドーハ銀のマーガレット・キプケンボイ(ケニア)らが入った。2組には東京五輪金のシファン・ハッサン(オランダ)、世界記録(14分06秒52)保持者で、今大会10000mVのレテセンベト・ギデイ(エチオピア)が出場。前回女王で、今大会10000mで銀メダルを獲得したヘレン・オビリ(ケニア)はエントリーされていない。なお、800mで五輪2大会連続金メダル、世界選手権で3度優勝したキャスター・セメニャ(南アフリカ)が1組に登場する。
男子400m準決勝(11時15分)には、日本から2人が出場。1組1レーンのウォルシュ・ジュリアン(富士通)は全米2連覇のマイケル・ノーマンと同走で、2組1レーンの佐藤風雅(那須環境技術センター)は、東京五輪銅のキラニ・ジェームス(グレナダ)や4位のマイケル・チェリー(米国)と争う。各組2着と記録上位2人が23日の決勝へ進むが、44秒台が最低条件となりそう。日本選手には高いハードルだが、どこまで迫れるか。
決勝は女子3000m障害(11時45分)と女子円盤投(10時30分)の2種目で行われる。
3000m障害は混戦の様相だ。ノラア・ジェルト(カザフスタン)やウィンフレド・ヤヴィ(バーレーン)が今季8分台をマークしているが、東京五輪を9分01秒45の自己新で優勝したペルス・チェムタイ(ウガンダ)は勝負強さがある。
円盤投は東京五輪金のバラリー・オールマン(米国)に注目。4月に放った71m46は2000年以降では世界最高記録だ。1987年にマルティナ・ヘルマン(東ドイツ)がマークした大会記録(71m62)の35年ぶり更新もあるかもしれない。
準決勝は10時15分からの女子400mハードルと10時45分からの女子400m。400mハードルでは、世界記録(51秒41)保持者のシドニー・マクラフリン(米国)が3組6レーンに登場する。400mでは1組6レーンに東京五輪Vのショーナ・ミラー・ウイボ(バハマ)が入った。
この他、9時20分から男子800m予選が行われる。
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