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2026.03.04

【ジュニア陸上】インターハイ王者、日本代表を輩出し続ける超名門・東京高 土手のグラウンド、短い走路の限られた環境で切磋琢磨
【ジュニア陸上】インターハイ王者、日本代表を輩出し続ける超名門・東京高 土手のグラウンド、短い走路の限られた環境で切磋琢磨

全国にその名を轟かせる東京高

陸上界でその名をとどろかせる、全国屈指の名門校が東京高だ。現行名になったのは1954年だが、その歴史は古く1872(明治5)年に数学者の上野清が“上野塾”を開いたのが学校の起源だ。東京・大田区の多摩川沿いにあることから“土手高”とも言われている。

校門の横には、インターハイ総合優勝など、輝かしい実績を物語るプレートが飾られている。男子110mハードルの古賀ジェレミーが24、25年とインターハイ2連覇したのは記憶に新しいところ。これまで、インターハイでの個人優勝は延べ13回。学校対抗も11年に男子12年に女子が優勝を果たしている。

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創部は1973年。当時はわずか部員2名で、土手の草刈りからその歴史は始まった。前顧問の大村邦英先生のもと、最初はハンマー投で全国へ。その後、大村先生が米国で学んだことをベースとした独創的なメニューを生み出し、スプリントを中心に活躍し始める。一方、フィールド種目、特に投てきは小林隆雄先生が赴任してから強豪の仲間入りを果たした。

今も土手のトラックを主な練習場とし、校内にあるトラックは70mの直走路のみ。土手はサッカー部や野球部、校舎内はテニス部とスペースを共有。決して恵まれた環境ではない。

限られた練習環境で切磋琢磨している

この中から、14年、15年とインターハイ100mを連覇した男子の大嶋健太、女子のエドバー・イヨバらを輩出。卒業生には、16年リオ五輪4×100mリレー銀メダリストのケンブリッジ飛鳥や、女子砲丸投日本記録保持者の森千夏(故人)、女子走高跳で昨年の東京世界選手権に出場した髙橋渚らが、世界へと羽ばたいている。

21年に顧問となったのが能登谷雄太先生。北海道出身で、国士大では混成競技やハードルに取り組んだ。「東京高の名前はある程度知っていましたが、過去の実績はほとんど知らなかった」と能登谷先生。知っていくうち「伝統を途絶えさせちゃいけないのかなとも思った」そうだが、小林先生は「伝統や結果は気にせずに自由にやってくれればいい」と声をかけたという。

現在の練習は「完全週休2日制」。シーズン終了後や年末年始にまとまった休日も取るという。これには、「まずはケガをしないこと、疲労を溜めないこと」と「部活動以外での思い出も作ってほしい」という能登谷先生の思いがある。

冬季はサーキットトレーニングで積極的に身体作り。補強や技術練習はフリーに設定して、自ら選んで行うことも多い。

陸上の走りにつながる意識を持って行うように指導。どのメニューでも、「軸」「力の発揮」「接地」など、基礎的な感覚を大切にしている。

笑顔で練習!

積極的な勧誘はしないが、それでも現1、2年生だけで100人ほどに上る。「体験にきた子たちは、先輩たちに優しくしてもらった、とあこがれて入部することが多いです」と能登谷先生。強豪校とあって人数は多いが、先輩が後輩たちに熱心に接して教えるのは東京高の伝統でもある。

能登谷先生は誤解を恐れずに言うと「勝たなくもいいと思っている」。それでも、「子どもたちが自ら動いてくれるのですごいですよ」と、準備、練習内容と自分の課題の把握と、考えながら取り組む。「勝たなくてもいい」が、「勝ちたい」思いは大切にし、スローガンである『負けん気』は指導体制が変化しても継承されている。

女子100m11秒82を持ち、全国大会入賞が複数回あるケリー瑛梨花(3年)は「助け合って『ありがとう』が多く、笑顔も多いチーム。この学校を選んで良かった」と語り、「東京高校に来れば常に全力でやれば結果がついてくると思います」に後輩たちに向けてエールを送る。

先輩が後輩たちに積極的に教える様子が見られるのは東京高の伝統でもある

男子110mハードル高校記録保持者の古賀ジェレミー(3年)は「いろんなお手本がある学校。人数がたくさんいるからこそ活気がありました。かわいい弟みたいな後輩が入ってくれて、教えることで成長できました」と3年間を振り返り、「こういう環境でやっていることに誇りを持って、“土手高”は強いぞ、と思っていてほしい」と言う。

長年指導に携わってきた小林先生は「どこの学校に負けないくらい、陸上が好きなチームになってほしい。その中から、また日本代表になるような選手が育ってくれたらうれしいですね」と目を細めた。

【練習の様子】

【トレーニング企画】

陸上界でその名をとどろかせる、全国屈指の名門校が東京高だ。現行名になったのは1954年だが、その歴史は古く1872(明治5)年に数学者の上野清が“上野塾”を開いたのが学校の起源だ。東京・大田区の多摩川沿いにあることから“土手高”とも言われている。 校門の横には、インターハイ総合優勝など、輝かしい実績を物語るプレートが飾られている。男子110mハードルの古賀ジェレミーが24、25年とインターハイ2連覇したのは記憶に新しいところ。これまで、インターハイでの個人優勝は延べ13回。学校対抗も11年に男子12年に女子が優勝を果たしている。 創部は1973年。当時はわずか部員2名で、土手の草刈りからその歴史は始まった。前顧問の大村邦英先生のもと、最初はハンマー投で全国へ。その後、大村先生が米国で学んだことをベースとした独創的なメニューを生み出し、スプリントを中心に活躍し始める。一方、フィールド種目、特に投てきは小林隆雄先生が赴任してから強豪の仲間入りを果たした。 今も土手のトラックを主な練習場とし、校内にあるトラックは70mの直走路のみ。土手はサッカー部や野球部、校舎内はテニス部とスペースを共有。決して恵まれた環境ではない。 [caption id="attachment_201060" align="alignnone" width="800"] 限られた練習環境で切磋琢磨している[/caption] この中から、14年、15年とインターハイ100mを連覇した男子の大嶋健太、女子のエドバー・イヨバらを輩出。卒業生には、16年リオ五輪4×100mリレー銀メダリストのケンブリッジ飛鳥や、女子砲丸投日本記録保持者の森千夏(故人)、女子走高跳で昨年の東京世界選手権に出場した髙橋渚らが、世界へと羽ばたいている。 21年に顧問となったのが能登谷雄太先生。北海道出身で、国士大では混成競技やハードルに取り組んだ。「東京高の名前はある程度知っていましたが、過去の実績はほとんど知らなかった」と能登谷先生。知っていくうち「伝統を途絶えさせちゃいけないのかなとも思った」そうだが、小林先生は「伝統や結果は気にせずに自由にやってくれればいい」と声をかけたという。 現在の練習は「完全週休2日制」。シーズン終了後や年末年始にまとまった休日も取るという。これには、「まずはケガをしないこと、疲労を溜めないこと」と「部活動以外での思い出も作ってほしい」という能登谷先生の思いがある。 冬季はサーキットトレーニングで積極的に身体作り。補強や技術練習はフリーに設定して、自ら選んで行うことも多い。 陸上の走りにつながる意識を持って行うように指導。どのメニューでも、「軸」「力の発揮」「接地」など、基礎的な感覚を大切にしている。 [caption id="attachment_201059" align="alignnone" width="800"] 笑顔で練習![/caption] 積極的な勧誘はしないが、それでも現1、2年生だけで100人ほどに上る。「体験にきた子たちは、先輩たちに優しくしてもらった、とあこがれて入部することが多いです」と能登谷先生。強豪校とあって人数は多いが、先輩が後輩たちに熱心に接して教えるのは東京高の伝統でもある。 能登谷先生は誤解を恐れずに言うと「勝たなくもいいと思っている」。それでも、「子どもたちが自ら動いてくれるのですごいですよ」と、準備、練習内容と自分の課題の把握と、考えながら取り組む。「勝たなくてもいい」が、「勝ちたい」思いは大切にし、スローガンである『負けん気』は指導体制が変化しても継承されている。 女子100m11秒82を持ち、全国大会入賞が複数回あるケリー瑛梨花(3年)は「助け合って『ありがとう』が多く、笑顔も多いチーム。この学校を選んで良かった」と語り、「東京高校に来れば常に全力でやれば結果がついてくると思います」に後輩たちに向けてエールを送る。 [caption id="attachment_201056" align="alignnone" width="800"] 先輩が後輩たちに積極的に教える様子が見られるのは東京高の伝統でもある[/caption] 男子110mハードル高校記録保持者の古賀ジェレミー(3年)は「いろんなお手本がある学校。人数がたくさんいるからこそ活気がありました。かわいい弟みたいな後輩が入ってくれて、教えることで成長できました」と3年間を振り返り、「こういう環境でやっていることに誇りを持って、“土手高”は強いぞ、と思っていてほしい」と言う。 長年指導に携わってきた小林先生は「どこの学校に負けないくらい、陸上が好きなチームになってほしい。その中から、また日本代表になるような選手が育ってくれたらうれしいですね」と目を細めた。 【練習の様子】 https://youtu.be/IkWd1YcQfes 【トレーニング企画】 https://youtu.be/uQmYizcN76w?si=AX1miVqMDtnh1ucd

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