2025.06.27
6月26日、フランス・パリのシャルレティ競技場で女性として初めて1マイル4分切りを目指すプロジェクト「Breaking4」が行われ、女子1500m世界記録保持者のフェイス・キピエゴン(ケニア)が4分06秒42をマークした。
このプロジェクトは、2017年に男子マラソンで人類初の2時間切りを目指す「Breaking2」をエリウド・キプチョゲ(ケニア)とともにチャレンジしたナイキが、新たな「ムーンショット」(壮大な挑戦)として契約選手のキピエゴンとともに取り組んだもの。ナイキはこの挑戦のために、新しいシューズとウェアも開発したという。
1マイル走は欧米で高い人気を誇る種目であり、「4分の壁」はかつて「人類が到達できない領域」、「エベレスト登頂に匹敵する」とまで称されていた。1954年にR.バニスター(英国)が人類初の4分切りを達成すると、その1年以内に20人以上の選手がこの壁を突破。この現象は、限界の認識がパフォーマンスに影響を与えることを示す「バニスター効果」として、スポーツ心理学において現在も語り継がれている。
レースでは風よけも兼ねた13人のペースメーカーがキピエゴンを囲むようにフォーメンションを組み、1周目(約409m)を60秒2で通過。2周目(約809m)は2分00秒7と1周60秒のペースを維持した。キピエゴンは3周目から徐々にピッチが落ち、苦しい表情となったが、最後まで全力を尽くし、2023年に自身が樹立した世界記録(4分07秒64)を1秒以上も上回るタイムでフィニッシュした。
今回の記録は公認記録として認められないが、果敢なチャレンジを見せたキピエゴン。レース後のインタビューでは「またチャンスがあれば挑戦したい。勇気を出して夢を見続けることは素晴らしいこと」と語り、再挑戦を表明した。「いつか、女性が4分を切る日が来ると信じています。私はまだ挑戦し続けるし、夢を叶えられると思っています」と話すと、会場の観客から大きな拍手が送られられた。
【動画】キピエゴンの歴史的挑戦をチェック
RECOMMENDED おすすめの記事
Ranking
人気記事ランキング
2025.08.13
早大競走部112代主将は関口裕太!「覇者で在れ」スローガンに「全力で牽引してまいります」
2025.08.13
東京スカイツリーが東京世界陸上カラーに 織田裕二さん「ひとつ残らず目に焼き付けたい」
-
2025.08.13
-
2025.08.13
-
2025.08.07
2025.07.24
100mH中島ひとみ日本歴代2位の12秒71!!東京世界陸上標準突破で初代表ほぼ確実に
-
2025.07.26
2022.04.14
【フォト】U18・16陸上大会
2021.11.06
【フォト】全国高校総体(福井インターハイ)
-
2022.05.18
-
2023.04.01
-
2022.12.20
-
2023.06.17
-
2022.12.27
-
2021.12.28
Latest articles 最新の記事
2025.08.13
早大競走部112代主将は関口裕太!「覇者で在れ」スローガンに「全力で牽引してまいります」
早大競走部の第112代主将に男子短距離の関口裕太が就任したことが、同部公式サイト内で明らかになった。 関口は新潟・東京学館新潟高出身の3年生。高3では100mでインターハイ、国体少年Aの2冠に輝いている。 大学入学後も着 […]
2025.08.13
【プレゼント】アシックス東京世界陸上日本代表応援Tシャツ3名様
アシックスより「東京世界陸上日本代表応援Tシャツ」をプレゼント! こちらの応募フォームからもご応募いただけます。 Lサイズ 3名様にプレゼントします! 締め切りは8月29日(金)まで。当選者は商品の発送を持って返させてい […]
Latest Issue
最新号

2025年9月号 (8月12日発売)
衝撃の5日間
広島インターハイ特集!
桐生祥秀 9秒99