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2025.03.17

序盤から主導権を握ったトヨタ自動車が圧勝! 「各選手が役割を果たしてくれた」/EXPO EKIDEN
序盤から主導権を握ったトヨタ自動車が圧勝! 「各選手が役割を果たしてくれた」/EXPO EKIDEN

EXPO EKIDEN2025で優勝したトヨタ自動車の選手たち

◇EXPO EKIDEN 2025(3月16日/大阪・万博記念公園~夢洲7区間:54.5km)

実業団と大学生のトップチームが対決する「EXPO EKIDEN 2025」が行われ、トヨタ自動車が2時間32分48秒で優勝した。

マラソンシーズンを終え、4月12日に9月の東京世界選手権の代表選考を兼ねた日本選手権10000mが開催されるなど、ロードからトラックへの端境期にある。

体調不良や故障によるコンディション不良で、オーダーを組めずに出場を予定していたニューイヤー優勝の旭化成や同10位のKaoが直前に出場をキャンセルした。いずれのチームも苦しい台所事情のなか、1区からきっちり流れを作ったトヨタ自動車が圧巻のレースで頂点に立った。

初めてのコースとあってスローな展開が予想されるなか、ニューイヤー駅伝でも6区(11.4㎞)で区間賞に輝いているGMOインターネットグループの嶋津雄大がスタートから果敢に飛び出す。ハイペースを演出し、序盤から早くも縦長の展開となる。

5km14分を切るペースで通過した直後、箱根の山下りの6区で区間2位と好走していた伊藤蒼唯(駒大)がペースアップ。嶋津がやや苦しくなり、トップ集団はトヨタの吉居大和、青学大の鶴川正也の3人に絞られた。

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残り1kmを切って伊藤が再びスパートすると、鶴川が遅れて吉居は終始落ち着いた走りで対応。残り400mで満を持して初めて先頭に立つと、そのまま切れ味鋭いラストスパートで逃げ切った。

2区に入り、すぐさま駒大の吉本真啓が先頭に追い付き並走に入る。上りが続く2km過ぎに吉本がトヨタ自動車の野村優作をかわしトップに立つ。

しかし、下りに入った3km過ぎに野村が息を吹き返し再びトップに立ち、そのまま3区のエース・太田智樹へタスキリレー。青学大、GMOインターネットグループ、駒大、國學院大と続く展開となる。

各チームのエースが集う最長区間(12.5km)の3区。昨年のパリ五輪男子10000m代表でもある太田は、序盤から1㎞2分40秒を切るハイペースを刻み後続を引き離しにかかる。

「ある程度仕上げてきたので、自分の走りをすれば結果は出ると思っていました。負けられないプレッシャーもありましたが、楽しんで走ることができました」。10kmを27分30秒を切るハイペースで最後まで押し切り、2位に上がってきた國學院大に1分以上の大差を付け独走態勢を築いた。

後半区間も6、7区で区間賞を獲得するなど安定したタスキリレーを披露して圧勝。「各選手が役割を果たしてくれたお陰です。優勝できて今はホッとしています」と熊本剛監督も安堵の表情を浮かべる。

大阪、東京のマラソンにチームの7人が出場。「うちもギリギリのメンバーでしたが、プレッシャーのかかるレースで力を出し切ることができて良かったです」と選手の力走を称えた。

この後はトラックシーズンに入る。東京世界選手権の代表を見据える太田は、「まだスピード的には上げられる感覚があります。少し休んで、しっかり調整して日本選手権に備えたいです」と力強く話した。

1分14秒差で同じく実業団の富士通が2位。富士通から16秒差で序盤から好位につけた箱根駅伝3位の國學院大が学生トップの3位、帝京大が4位、箱根駅伝で連覇を果たしている青学大は7位だった。

文/花木 雫

◇EXPO EKIDEN 2025(3月16日/大阪・万博記念公園~夢洲7区間:54.5km) 実業団と大学生のトップチームが対決する「EXPO EKIDEN 2025」が行われ、トヨタ自動車が2時間32分48秒で優勝した。 マラソンシーズンを終え、4月12日に9月の東京世界選手権の代表選考を兼ねた日本選手権10000mが開催されるなど、ロードからトラックへの端境期にある。 体調不良や故障によるコンディション不良で、オーダーを組めずに出場を予定していたニューイヤー優勝の旭化成や同10位のKaoが直前に出場をキャンセルした。いずれのチームも苦しい台所事情のなか、1区からきっちり流れを作ったトヨタ自動車が圧巻のレースで頂点に立った。 初めてのコースとあってスローな展開が予想されるなか、ニューイヤー駅伝でも6区(11.4㎞)で区間賞に輝いているGMOインターネットグループの嶋津雄大がスタートから果敢に飛び出す。ハイペースを演出し、序盤から早くも縦長の展開となる。 5km14分を切るペースで通過した直後、箱根の山下りの6区で区間2位と好走していた伊藤蒼唯(駒大)がペースアップ。嶋津がやや苦しくなり、トップ集団はトヨタの吉居大和、青学大の鶴川正也の3人に絞られた。 残り1kmを切って伊藤が再びスパートすると、鶴川が遅れて吉居は終始落ち着いた走りで対応。残り400mで満を持して初めて先頭に立つと、そのまま切れ味鋭いラストスパートで逃げ切った。 2区に入り、すぐさま駒大の吉本真啓が先頭に追い付き並走に入る。上りが続く2km過ぎに吉本がトヨタ自動車の野村優作をかわしトップに立つ。 しかし、下りに入った3km過ぎに野村が息を吹き返し再びトップに立ち、そのまま3区のエース・太田智樹へタスキリレー。青学大、GMOインターネットグループ、駒大、國學院大と続く展開となる。 各チームのエースが集う最長区間(12.5km)の3区。昨年のパリ五輪男子10000m代表でもある太田は、序盤から1㎞2分40秒を切るハイペースを刻み後続を引き離しにかかる。 「ある程度仕上げてきたので、自分の走りをすれば結果は出ると思っていました。負けられないプレッシャーもありましたが、楽しんで走ることができました」。10kmを27分30秒を切るハイペースで最後まで押し切り、2位に上がってきた國學院大に1分以上の大差を付け独走態勢を築いた。 後半区間も6、7区で区間賞を獲得するなど安定したタスキリレーを披露して圧勝。「各選手が役割を果たしてくれたお陰です。優勝できて今はホッとしています」と熊本剛監督も安堵の表情を浮かべる。 大阪、東京のマラソンにチームの7人が出場。「うちもギリギリのメンバーでしたが、プレッシャーのかかるレースで力を出し切ることができて良かったです」と選手の力走を称えた。 この後はトラックシーズンに入る。東京世界選手権の代表を見据える太田は、「まだスピード的には上げられる感覚があります。少し休んで、しっかり調整して日本選手権に備えたいです」と力強く話した。 1分14秒差で同じく実業団の富士通が2位。富士通から16秒差で序盤から好位につけた箱根駅伝3位の國學院大が学生トップの3位、帝京大が4位、箱根駅伝で連覇を果たしている青学大は7位だった。 文/花木 雫

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