2024.10.05
トップ選手が各地をめぐり「スポーツの楽しさや競技スキルの上達に向けたアドバイスを直接伝えるとともに、地域の人たちと交流する」を目的とする『JALアスリートアカデミー』が10月5日、東京都の晴海ふ頭公園で行われた。
今季初のイベントにパリ五輪で活躍したJALアスリート社員の豪華な“講師”陣がそろった。女子やり投金メダルの北口榛花、男子110mハードル5位の村竹ラシッド、男子フェンシング・エペ金メダルの加納虹輝の3人が特別講師として参加。子供たちと汗を流した。
第1部は陸上競技体験会。北口、村竹が走り方を伝授し、「スタート姿勢の前脚に体重を乗せてみよう」「脚だけじゃなく腕も動かそう」とアドバイスを送る。また、「ジャベボール」を使ったスロー練習では、北口が見本を見せると子供たちからどよめきが起こった。北口からは「下を向いたりせず目線を投げる方向へ」「身体を大きく使おう」とヒントを出す。
最後はステップも入れてのスローに挑戦し、世界一直伝のスローを見せた子供たちは、北口さながらラストで“ビッグスロー”を見せていた。
第2部では加納によるフェンシング体験。あいさつの仕方や基本的な動きを伝えた後は、柔らかい剣を使った「スマートフェンシング」で“実戦”も。子供同士が対戦したあとは、全員と真剣勝負を繰り広げた。「1回なら勝つチャンスはあるよ」と加納が言っていたように、5回敗北を喫すると苦笑いしていた。
第3部は3人によるトークショー。パリ五輪について聞かれると、北口は「画面を通しても、自分でも楽しくて、こういう大会があるんだなって思いました」と笑顔。村竹は決勝について「すごく楽しかったです」と振り返る。オフの過ごし方やいつからオリンピックを意識したか、これまで苦しかったことなど、自身のエピソードを伝えていた。
生まれ変わってもアスリートになりたいかというテーマに、加納「なりたい!」と即答。一方、北口は「どうせ生まれ変わるなら違うことをしたい」と照れ笑い。村竹も「別のキャリアを歩んでみたい。スポーツをやるにしてもバスケットボールなどチームスポーツをしてみたい」と話す。
各部のあとには参加者からの質問コーナーもあり、「どうやったら大きくなれますか?」という問いに「たくさん食べて、たくさん寝ること」と北口。今でも14時間通しで寝る日もあるそうだ。来年の目標について、加納は「フェンシング世界選手権で金メダルを取りたい」と意気込み、4年後のロスに向けて「個人と団体で金メダルを」と力強く語る。北口は「東京世界選手権はチャンピオンとして臨むので連覇したい。記録は70mを投げたいです」、村竹は「東京世界選手権でメダルを取りたい。男子短距離の最高は銅メダルなので、銀以上を」と宣言した。
参加した子供たちには「スポーツを楽しんで」「夢中になって」「いろいろなスポーツをやってほしい」とエール。保護者に向けても「夢を一番に応援してあげてください」と北口。加納も「誰にでもオリンピックのメダルを取れるチャンスがあるので自分の夢を追いかけてください。周囲の大人の方々はスポーツに限らずですが、否定せずに応援して背中を押してあげてほしいです」と語りかける。
イベントを終え「すごく楽しかったです。私も小さい頃に両親に連れて行ってもらってトップ選手と接したのが思い出に残っているので、人生の思い出になってくれれば」と北口。加納は「フェンシングに限らずいろんなスポーツをやる機会が大事。これからもフェンシングの楽しさを伝えていきたい」、村竹は「社会人になってから初めて参加しましたが、すごく素直で楽しそうにやってくれました。ちょっとでもきっかけを作れたならうれしいです」と笑顔を見せた。
JALアスリートアカデミーは年内、このあとは10月14日に北海道・旭川市、さらに鹿児島、沖縄、タイ・バンコク、長崎で行われる。
RECOMMENDED おすすめの記事
Ranking
人気記事ランキング
2025.08.21
【大会結果】アジア投てき選手権(2025年8月21日~22日)
-
2025.08.21
-
2025.08.21
-
2025.08.21
2025.08.16
100mH・福部真子12秒73!!ついに東京世界選手権参加標準を突破/福井ナイトゲームズ
-
2025.08.19
2025.08.16
100mH・福部真子12秒73!!ついに東京世界選手権参加標準を突破/福井ナイトゲームズ
-
2025.07.24
2022.04.14
【フォト】U18・16陸上大会
2021.11.06
【フォト】全国高校総体(福井インターハイ)
-
2022.05.18
-
2023.04.01
-
2022.12.20
-
2023.06.17
-
2022.12.27
-
2021.12.28
Latest articles 最新の記事
2025.08.21
【高校生FOCUS】男子400m・小澤耀平(城西高)広島インターハイを制覇!次に狙うはタイムで“師匠超え”
FOCUS! 高校生INTERVIEW 小澤耀平 Ozawa Yohei 城西3東京 広島インターハイからまもなく1ヵ月。男子400mを高校歴代8位タイの46秒38で制した小澤耀平選手(城西3東京)にフォーカスします。今 […]
2025.08.21
【世界陸上プレイバック】―19年ドーハ―走高跳・バルシムが地元V 日本が男子競歩2種目で金独占 4継はアジア新で銅メダル
今年9月、陸上の世界選手権(世界陸上)が34年ぶりに東京・国立競技場で開催される。今回で20回目の節目を迎える世界陸上。日本で開催されるのは1991年の東京、2007年の大阪を含めて3回目で、これは同一国で最多だ。 これ […]
2025.08.21
【大会結果】アジア投てき選手権(2025年8月21日~22日)
【大会結果】アジア投てき選手権(2025年8月21日~22日/韓国・木浦) 男子 砲丸投 金 張浩辰(中国) 19m84 銀 邢家梁(中国) 19m76 銅 I.イワノワ(カザフスタン) 18m58 円盤投 金 呉南軍( […]
2025.08.21
30歳ブレイクが100m9秒95、33歳ブラウン20秒27、カナダのベテランが好走!ジェームス400mV/北中米カリブ選手権
8月15~17日、バハマで北中米カリブ(NACAC)選手権が開催され、男子ショートスプリントではカナダ勢がタイトルを独占。100mではJ.ブレイク(カナダ)が自己新の9秒95(+0.4)で、200mはA.ブラウン(カナダ […]
2025.08.21
女子800mはホジキンソン大会新 110mHティンチ今季DL4勝目 男子100mはセヴィル9秒87/DLローザンヌ
ダイヤモンドリーグ(DL)第13戦のアスレティッシマが8月20日、スイス・ローザンヌで開催され、女子800mではパリ五輪金メダリストのK.ホジキンソン(英国)が1分55秒69の大会新で優勝した。 ホジキンソンは現在23歳 […]
Latest Issue
最新号

2025年9月号 (8月12日発売)
衝撃の5日間
広島インターハイ特集!
桐生祥秀 9秒99