2024.06.14
◇インターハイ近畿地区大会(6月13~16日/大阪市・ヤンマースタジアム長居、ヤンマーフィールド長居)1日目
福岡インターハイを懸けた近畿地区大会の初日が行われ、早くも男女3種目で6つの大会新記録が誕生するなど好記録に沸いた。
その先陣を切ったのが男子400m。兵庫県大会覇者の久保拓己(滝川二2)が前半から積極的な走りを見せ、高2歴代4位となる46秒69で優勝を飾った。1997年に山村貴彦(清風・大阪/現東京・城西高教)が持っていた46秒92の大会記録を27年ぶりに更新。2、3位の橋詰竜輝(社3兵庫)、岸本恭汰(洛南3京都)も46秒74、46秒88と従来の大会記録を上回り、上位3人が46秒台に突入するという超高速バトルとなった。
過去、高校生の同一レース46秒台3人は、インターハイ本番では1996年の山梨大会、2013年の大分大会、2019年の沖縄大会の3例がある。だが、地区大会では初の快挙だ。
大会前のベストは、県大会の決勝でマークした47秒59だった久保。それを準決勝で0.15秒更新。決勝は8レーンに入ったことで、「普段は後半型ですが、強い先輩方が内側のレーンだったので、攻めのレースを心掛けましたた」。9レーンの奥村晃大(西京1京都)とともに序盤から一気に加速し、バックストレートを快走する。
200mで奥村を抜き去った久保は、5、6レーンを行く橋詰、岸本をリードして最後の直線へ。残り50mを切ったあたりから橋詰、岸本が徐々に差を詰めて久保に迫ったが、「もともと後半型でラストには自信がありました」と、2人の猛追を見事に振り切った。
「優勝は狙っていましたが、まさか46秒台が出るとは思っていなかったので、タイムはビックリ。大会記録も更新でき本当にうれしいです。前半から積極的に行ったのが好タイムにつながりました」と久保は笑顔で振り返る。
兵庫・塩瀬中3年時に全中400mで3位に食い込んでいる。同じ中学出身で、全中100mを制している1つ上の先輩・年綱晃広にあこがれ、同じ滝川二に進学。「冬季から先輩の背中を追いかけ、1本1本全力を出し切ることを意識して取り組んできました」と話すように、体力、スピードを強化。県大会では200mも21秒22(-0.5)で優勝した年綱に次ぐ2位(21秒45)を占めるなど、調子を上げてこの近畿に乗り込んできていた。
これまでとは異なる前半から飛ばすレースで結果を出した久保。「まずは次の200mでも年綱先輩とワン・ツーを決め、400mは全国でもベストを更新して優勝することが目標です」ときっぱり。今回の快走をステップに、さらにここからギアを上げていく心構えだ。
2位の橋詰も初の46秒台に、「タイムは驚いていますが、順位はまた後輩に負けたので納得していません。全国では、今回以上に積極的なレースでリベンジを果たし、46秒5を切って優勝したい」と力強く話した。
3位の岸本は、「残り120mから切り替え、後半追い込むことができましたが、最後は詰めが甘かったです。それでも46秒台が3人そろったレースを経験できたのは良かった。今回のレースをインターハイにつなげられるようにしたいです」と、こちらも福岡での雪辱を誓った。
女子400mは、今季リストトップの54秒77で走っていた齋藤朱里(北摂三田3兵庫)が、大会記録に0。18秒と迫る54秒11で快勝。女子走幅跳は前回2位の高宮ひかり(大塚3大阪)が4回目に高校歴代10位タイとなる6m23(+0.8)の大会新で制した。
今大会最初の決勝種目となった男子ハンマー投は、注目のアツオビン・アンドリュウ(花園3京都)が今季2度目の67mオーバーとなる67m02のセカンドベストで2連覇を達成。女子円盤投は矢野結衣(添上3奈良)が最終6投目に自己ベストを1m50㎝更新する45m76で2年連続優勝を飾った。
予選、準決勝が行われた男女の4×100mリレーでも好記録が続出。男子は、準決勝2組で洛南(京都)が自校の持つ大会記録を8年ぶりに0.03秒更新する39秒90をマークすると、続く3組で東海大仰星(大阪)がその記録を大幅に塗り替える高校歴代2位の39秒48叩き出して決勝へと駒を進めた。1組トップの関大北陽(大阪)が40秒22、同2位の比叡山(滋賀)が40秒25、2組で洛南に続いた汎愛(大阪)が40秒37、同3位の社が40秒41と、いずれ劣らぬハイレベルだった。
女子も46秒12の京都橘(京都)を筆頭に5チームが46秒台をマーク。男女ともに、2日目に行われる決勝ではどんなドラマが待ち受けているか注目だ。
文/花木 雫
インターハイ近畿大会優勝者一覧をチェック!
●男子 400m 久保拓己(滝川二2兵庫) 46秒69=大会新 ハンマー投 アツオビン・アンドリュウ(花園3京都) 67m02 [adinserter block="4"] ●女子 400m 齋藤朱里(北摂三田3兵庫) 54秒11 走幅跳 高宮ひかり(大塚3大阪) 6m23(+0.8)=大会新 円盤投 矢野結衣(添上3奈良) 45m76RECOMMENDED おすすめの記事
Ranking
人気記事ランキング
2025.08.21
100mH今村好花「全国でどうしても出したかった」圧巻の中学新記録で連覇達成!/沖縄全中
2025.08.21
100mH清山ちさと日本歴代3位の12秒77!100mは小池がV/トワイライト・ゲームス
-
2025.08.20
2025.08.16
100mH・福部真子12秒73!!ついに東京世界選手権参加標準を突破/福井ナイトゲームズ
-
2025.08.19
2025.08.16
100mH・福部真子12秒73!!ついに東京世界選手権参加標準を突破/福井ナイトゲームズ
-
2025.07.24
2022.04.14
【フォト】U18・16陸上大会
2021.11.06
【フォト】全国高校総体(福井インターハイ)
-
2022.05.18
-
2023.04.01
-
2022.12.20
-
2023.06.17
-
2022.12.27
-
2021.12.28
Latest articles 最新の記事
2025.08.21
100mH今村好花「全国でどうしても出したかった」圧巻の中学新記録で連覇達成!/沖縄全中
◇沖縄全中(8月17日~20日/沖縄・沖縄県総合運動公園陸上競技場)4日目 第52回全日本中学校選手権(全中)の女子100mハードルは、7月に13秒28の中学記録を樹立している今村好花(太宰府東3福岡)が自身の記録を0. […]
2025.08.21
100mH清山ちさと日本歴代3位の12秒77!100mは小池がV/トワイライト・ゲームス
◇第20回トワイライト・ゲームス(8月20日/神奈川・日産スタジアム) 関東学連主催のトワイライト・ゲームスが行われた。女子100mハードルは清山ちさと(いちご)が日本歴代3位の12秒77(-0.1)で優勝した。今季4度 […]
2025.08.21
ケガから復帰戦の北口榛花 50m93の10位にとどまるもファイナル出場権獲得/DLローザンヌ
世界最高峰シリーズのダイヤモンドリーグ(DL)第13戦ローザンヌ大会(スイス)となるアスレティッシマが8月20日に行われ、女子やり投の北口榛花(JAL)は2投目の50m93の10位だった。 大会は開始前から強い雨が降り続 […]
2025.08.20
女子4継・青学大が44秒40の大会新V 主将・倉橋のラスト 後輩は「美穂さんのために」/トワイライト・ゲームス
◇第20回トワイライト・ゲームス(8月20日/神奈川・日産スタジアム) トワイライト・ゲームスが行われ、女子4×100mリレーは青学大が44秒40の大会新で優勝した。別オーダーとはいえ、日本インカレで出した44秒39の関 […]
2025.08.20
【大会結果】トワイライト・ゲームス(2025年8月20日)
【大会結果】第20回トワイライト・ゲームス(8月20日/神奈川・日産スタジアム) ●男子 100m 小池祐貴(住友電工) 10秒15(-0.3) 200m 濱椋太郎(法大) 20秒70(-0.2) 400m 中島佑気ジョ […]
Latest Issue
最新号

2025年9月号 (8月12日発売)
衝撃の5日間
広島インターハイ特集!
桐生祥秀 9秒99