2024.01.05
毎週金曜日更新!?
★月陸編集部★
攻め(?)のアンダーハンド
リレーコラム🔥
毎週金曜日(できる限り!)、月刊陸上競技の編集部員がコラムをアップ!
陸上界への熱い想い、日頃抱いている独り言、取材の裏話、どーでもいいことetc…。
編集スタッフが週替りで綴って行きたいと思います。
暇つぶし程度にご覧ください!
第229回「駅伝コースの歴史を知る」(井上 敦)
2024年がスタートしました。夏にはパリ五輪が行われます。今年も月刊陸上競技、月陸Onlineをよろしくお願いします。
元日のニューイヤー駅伝ではトヨタ自動車が圧巻の優勝。1月2日、3日の箱根駅伝では青学大が大会新記録で圧勝しました。
3区(21.4km)で青学大・太田蒼生選手がマークした59分47秒は驚きました。ハーフマラソン(21.0975km)換算では58分56~57秒(正確には58分56秒30)で、世界歴代43位タイ~45位タイ相当。下り基調とはいえ、10kmの通過が27分26秒というのはビックリしました。
さて、とんでもないタイムといえば、年末の全国高校駅伝でも、51年ぶりに区間記録が更新されました。男子5区(3㎞)で佐久長聖(長野)の佐々木哲選手(2年)が8分14秒をマーク。1972年(第23回大会)に小出(新潟)の浅井利雄さんが持っていた区間最高記録(8分22秒)を8秒更新しました。
半世紀以上もの間、残っていた区間記録。高校生の競技力が高まり、シューズなどギアも進化するなかで、なぜ残っていたか。
そもそも、浅井さんが走っていた当時のコースと、現在のコースは違います。現在のコースは1982年(第33回大会)から。京都御所南側の丸太町通や西側の烏丸通を走りますが、51年前は北山通。現在の京都府立植物園前を走っていました。
当時は西京極発着は変わらないものの、一度桂方面へ西進し、折り返したのち、西大路、北大路を経て堀川通を北上(現在は南下)。現在の京都ノートルダム女子大前を通り、高野橋を渡って京都国際会館に向かっていました。
全国高校駅伝は1966年の男子第17回大会から京都で行われていますが、このように何度かコースが変わっています。しかし、コースが異なっていても、大会主催者は区間最高記録として残してきました。
現在の5区は、丸太町通こそ平坦ですが、中継所から約700m西進して烏丸丸太町の交差点から烏丸通を北上する残り2.3kmは上りっぱなし。標高差で約20mあります。
3000mで8分を切る選手や、5000mを13分台が1年間に40人ぐらい走る時代になりましたが、なかなか破られなかったのは、コース設定もあるのかと思われます。
そんな、難コースを攻略した佐々木選手は5000m14分03秒51の自己記録を持ち、インターハイ3000m障害では8位にも入っています。そのぐらいの走力がないとなかなか難しいかもしれません。
ただ、2024年からは、外国人留学生が男女ともに3km区間に限定されます。男子は2区かこの5区のどちらかになり、ひょっとしたら、佐々木選手の区間記録も1年で更新されるかもしれません。もちろん、区間記録更新云々だけでなく、レース展開も女子を含めて、変わることになるでしょう。
1区も現コースに変わる前の区間記録が長らく残っていました。1975年(第26回大会)に鶴崎工(大分)の西村義弘さんが出した29分29秒は、1994年(第45回大会)の仙台育英(宮城)・ダニエル・ジェンガさんが28分57秒をマークするまで、19年間更新されませんでした。
現コースは2km過ぎから7km過ぎまでの5kmは標高で70m上ります。残り3kmで30m近く下りますが、なかなか記録の出にくいコースです。
そうやって今走っている選手だけでなく、選手の背景はもちろん、大会そのものや歴史を知り、興味を持ってほしいと思います。先日100回大会を迎えた箱根駅伝がその代表例かもしれません。文化として根付いていくことで、競技の普及や認知度が高まることにつながるでしょう。
最後に。新年早々、自然災害や大きな事故が発生しました。私の出身地や以前お世話になった地域でも、被害が出ています。被災された方にお悔やみとお見舞いを申し上げます。
一方、世界に目を向けると、政情不安で紛争が続く地域もあります。
スポーツができるのは、社会の安定が必要不可欠と私は思います。今年は五輪イヤーですが、前回の夏季五輪で嫌というほど実感しました。
日本では思ってもみない2024年のスタートとなりましたが、これ以上、不安に陥ることなく、社会の安定を願います。その中でスポーツ、とりわけ陸上競技からできるだけ多くの人が感動するシーンが次々と生まれてほしいですね。
井上 敦(いのうえ あつし) 1978年8月生まれ。新潟市江南区出身。横越中→新潟明訓高→某大学(陸上では有名だが、陸上部に入っていないので匿名)。月刊陸上競技編集部には2015年6月中旬から在籍。中学で陸上部に入部して最初は100mを始めたものの、夏には400mに転向する。結果的には中学3年間で県大会に進めなかった。しかし、3年秋の駅伝で区間賞獲得やチームの県大会出場をきっかけにまたまた転向を決意。高校は中距離をメインに、2年の県新人戦1500mで6位に入ったのが最高成績だった。 |
過去の編集部コラムはこちら
第229回「駅伝コースの歴史を知る」(井上 敦)

井上 敦(いのうえ あつし) 1978年8月生まれ。新潟市江南区出身。横越中→新潟明訓高→某大学(陸上では有名だが、陸上部に入っていないので匿名)。月刊陸上競技編集部には2015年6月中旬から在籍。中学で陸上部に入部して最初は100mを始めたものの、夏には400mに転向する。結果的には中学3年間で県大会に進めなかった。しかし、3年秋の駅伝で区間賞獲得やチームの県大会出場をきっかけにまたまた転向を決意。高校は中距離をメインに、2年の県新人戦1500mで6位に入ったのが最高成績だった。 |
|
|
RECOMMENDED おすすめの記事
Ranking
人気記事ランキング
2025.05.19
【男子110mH】木村立樹(桜浜中2) 14秒29=中2歴代5位
2025.05.19
【選手名鑑】大坂谷 明里
-
2025.05.19
-
2025.05.19
-
2025.05.19
-
2025.05.19
-
2025.05.19
-
2025.05.15
-
2025.05.15
-
2025.05.15
-
2025.05.15
2025.05.11
久保凛は2分02秒29の2位に号泣「母の日に花束を持って帰りたかった」/木南記念
2025.05.16
2025高校最新ランキング【女子】
-
2025.05.15
-
2025.05.15
-
2025.05.15
2022.04.14
【フォト】U18・16陸上大会
2021.11.06
【フォト】全国高校総体(福井インターハイ)
-
2022.05.18
-
2023.04.01
-
2022.12.20
-
2023.06.17
-
2022.12.27
-
2021.12.28
Latest articles 最新の記事
2025.05.19
インターハイ都府県大会 明日は鹿児島 週末は各地で一挙開催 愛知、大阪、福岡はハイレベルな戦いの予感
広島インターハイ(7月25日~29日/広島・ホットスタッフフィールド広島=広島広域公園陸上競技場)を目指し、各地で都府県大会が行われている。 ここまで関東8都県と岐阜が終了し、今週以降はさらに大会が集中する。この1週間の […]
2025.05.19
【男子110mH】木村立樹(桜浜中2) 14秒29=中2歴代5位
5月17日に三重県伊勢市の三重交通Gスポーツの杜伊勢・陸上競技場で行われた第2回南勢記録会の中学男子110mハードルで、中学2年生の木村立樹(桜浜中)が中2歴代5位となる14秒29(+1.8)をマークした。 木村は昨年9 […]
2025.05.19
【選手名鑑】大坂谷 明里
大坂谷 明里 OSAKAYA AKARI SNS: 愛媛競技力本部 2002年4月10日 小野中(兵庫)→社高(兵庫)→園田学園女大 棒高跳:4.20(25年) ■代表歴 アジア選手権(25クミ) 【年次ベスト】 棒高跳 […]
2025.05.19
ユニクロ・大島健太コーチが5月末で退任 プリンセス駅伝1位通過にも貢献
5月19日、ユニクロは大島健太コーチが5月末をもって退任、退職することを発表した。 大島氏は45歳。現役時代は高知国体5000mで優勝したほか、04年には世界クロスカントリー選手権に日本代表として出場。マラソン、駅伝でも […]
2025.05.19
【選手名鑑】竹内 真弥
竹内 真弥 TAKEUCHI MAYA SNS: ミズノ 1998年10月9日 長瀬中(大阪)→摂津高(大阪)→日女体大 走幅跳:6.49(24年) ■代表歴 アジア選手権(25クミ) 【年次ベスト】 走幅跳 12年(中 […]
Latest Issue
最新号

2025年6月号 (5月14日発売)
Road to TOKYO
Diamond League JAPANの挑戦
村竹ラシッド、三浦龍司が初戦で世界陸上内定
Road to EKIDEN Season 25-26
学生長距離最新戦力分析