◇第100回箱根駅伝予選会(10月14日/東京・陸上自衛隊立川駐屯地スタート、昭和記念公園フィニッシュ:21.0975km)
史上最多の57チームが参加して行われた第100回箱根駅伝予選会。記念大会のため、予選会からの出場チームが「13」と増枠されたが、今年もまたボーダーラインでの悲劇が待っていた。
その憂き目にあったのは、2021年の出雲駅伝優勝や、20、22年と2度の箱根駅伝総合5位と、近年の学生駅伝新興勢力を牽引してきた東京国際大。今大会も、春に5000m、10000mの2種目で学生新記録を樹立し、入学ほどなくして「史上最強留学生」の呼び声が高かったリチャード・エティーリ(1年)や、経験豊富な村松敬哲(4年)や、佐藤榛紀(3年)ら充実の戦力で、今大会トップ通過の有力候補だった。
しかし、8km過ぎに先頭争いをしていたエティーリが他選手と足が絡んで転倒する事態に。すぐさまレースに復帰し、しばらくは先頭集団にしがみついていたものの、右足を痛めた影響で、10km以降は大きくペースダウン。1時間2分11秒の個人12位にとどまった。
さらに、後方の日本人集団も、「想定よりも早い段階で集団走がバラけてしまった」と横溝三郎監督。15km地点までは通過圏内でレースを進めていたが、昭和記念公園内の折り返し地点(17.4km)の計測で、通過ボーダーラインから1分06秒遅れの総合15位に転落。それでも終盤は、エティーリに次いでチーム2番手でフィニッシュした川内琉生(2年)らがペースを上げる猛追を見せた。
だが、結果は次点の14位。13位の山梨学大との差はわずか3秒だった。
「エティーリが転倒した情報を聞いて動揺もあったかもしれません。ペースを上げようとしたけど、後半なかなか上げることができませんでした」と村松は振り返る。思い通りのレースプランを遂行することができず、7年ぶりに本戦出場を逃した。
指揮官は「通過はできると思っていたのでショックはあります。3秒差ですか……。悔しいですね」と静かにレースを振り返った。
今季、残された駅伝は11月の全日本大学駅伝のみ。「もう一度気を引き締めて全日本に向かっていきたいと思います」と横溝監督。距離にして約20m先の箱根への扉を逃した悔しさを、伊勢路にすべてぶつけるつもりだ。
文/田中 葵
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