2022.08.01
高校生によるナンバーワン決定戦、全国高校総体(以下、インターハイ)の陸上競技が8月3日~8月7日の5日間、徳島県鳴門市の鳴門総合運動公園陸上競技場(鳴門・大塚スポーツパークポカリスエットスタジアム)で行われる。
昨年と同様に、男女41種目(男子21種目、女子20種目)が実施。ここではエントリー選手を元に、男子の見どころを紹介していく。
トラック
100mは本命不在で混戦必至
400mHは史上3人目の49秒台なるか
100mは5月と6月にリストトップの10秒37をマークしている関口裕太(東京学館新潟3)が優勢か。6月のU20日本選手権は予選落ちだったものの、その後の北信越大会ではU20で高校生トップの4位だった福澤耀明(佐久長聖3長野)や昨年のU18大会優勝の片原一輝を退けて優勝を飾った。まだ主要タイトル獲得はなく、徳島で最速の称号を手にできるか。
関口の強力なライバルになりそうなのが、今季2度も10秒4台をマークしている福澤や、U20日本選手権で6位に入った小島拓真(名古屋大谷3愛知)あたりか。ケガからの復調途上である片原や、南関東大会を制した高須楓翔(成田3千葉)や近畿大会王者の大石凌功(洛南3京都)も十分チャンスがありそうだ。
200mでは南関東大会スプリント2冠の高須楓翔と、近畿大会を制した高見陸亜(姫路3兵庫)が優勝候補に挙がる。ベストはそれぞれ21秒00と21秒07で、ともに100mでも10秒4台のスピードを持つ。持ちタイムではほぼ互角なだけに、100mやリレーをこなして余力を残したほうが有利となるだろう。他には400mでも46秒台を持つ林申雅(大塚3大阪)、ハイレベルの北信越大会を制した木村峻也(新潟産大附3)、同2位の関口裕太も強力だ。
400mはU20日本選手権を制した長葭遥斗(浜松開誠館3静岡)が大本命となる。同大会では予選、決勝と46秒台を連発し、続く東海大会も47秒15で優勝した。200mと2冠を狙える位置にある林申雅が46秒96で追い、北九州大会覇者の冨永湧平(東福岡3)、平川慧(コザ2沖縄)が47秒05で続く。なかでも平川と冨永は前回大会で3位、4位に入っており、その経験が優位に働きそう。
800mは日本選手権予選で高校歴代2位の1分47秒69をマークした後田築(創成館3長崎)が同時期に開催されるU20世界選手権に出場するためインターハイは欠場。そのため、優勝候補不在の大混戦が予想される。自己記録で1分49秒台なのが青木龍翔(大牟田3福岡)と、立迫大徳(鹿児島城西2)、坂元龍晟(鹿児島南2)の3人。青木は前回5位の実績があり、立迫はU20日本選手権を制した勝負強さが持ち味。坂元は400m48秒01のスピードを生かせるレース展開に持ち込めれば勝機を見出せそうだ。
1500mは前回4位で近畿大会覇者の長嶋幸宝(西脇工3兵庫)を中心にハイペースな展開となりそう。長嶋は自ら先頭に立ち高速レースに持ち込む展開を得意としており、近畿大会では予選、決勝を3分47秒48、3分46秒86と、一度も先頭を譲らずに快勝した。前回5位の大野聖登(秋田工3)は800mで1分50秒04のスピードが持ち味で、長嶋に対抗できる数少ない存在だ。この他にもU20日本選手権で3位に入った谷本昂士郎(大牟田2福岡)や北信越大会を大会新で制した松尾悠登(佐久長聖3長野)ら有力選手が多く、入賞ラインは過去最速だった前回の3分47秒77を超えるかもしれない。
長嶋幸宝(西脇工)
5000mは前回までアフリカ出身の留学生が28連覇中。今回も13分18秒75を持つダニエル・ディリツ(大分東明3)や前回3位で13分27秒89のエマヌエル・キプチルチル(倉敷3岡山)らを中心に日本人選手の高い壁となる。日本人トップ候補は近畿大会覇者の長嶋幸宝、前回9位の綾一輝(八千代松陰3千葉)、同11位の南坂柚汰(倉敷3岡山)、近畿2位の前田和摩(報徳学園3兵庫)ら。特に長嶋は5月に高校歴代5位の13分37秒46をマークしており、一歩抜け出た存在と言える。
110mハードルは東北大会覇者の今西亮太(葵3福島)が14秒25で出場者ランキングでトップ。前回も6位に入っており、昨年のU18大会300mハードルに続くタイトル獲得に挑む。ただ、工藤晴斗(花咲徳栄3埼玉)、中井翔太(姫路南3兵庫)、打田快生(皇學館3三重)が14秒3台で続いており、絶対的優勝候補とは言えない状況だ。この10年は優勝記録が最低でも14秒20(2012年)で、高校新記録(13秒69/西徹朗、名古屋)が誕生した昨年のようなハイレベル決戦に注目だ。
400mハードルは6月のU20日本選手権で高校歴代7位タイの50秒17をマークした紺野稜真(九里学園3山形)に注目が集まる。東北大会でも50秒45と50秒台を連発しており、高校生史上3人目の49秒台突入も現実味を帯びている。兵庫県大会を50秒99で制した山田那央(小野3)も実力者で、400m48秒24のベストを持つ走力に加え、ハードリングが非常に安定している。51秒2~3台の渕上翔太(東福岡2)や今西亮太らはじめ、49~50秒台の高水準の激戦となるはずだ。
紺野稜真(九里学園)
3000m障害は5月の岡山県大会で8分35秒08をマークしたサムエル・キバティ(倉敷2岡山)が記録面で一歩リードしている。高校記録(8分39秒37)を上回る強力な留学生に対抗する一番手が、4月に高校歴代10位、高2歴代2位の8分51秒21をマークした永原颯磨(佐久長聖2長野)だ。5月に腰を痛めたものの、徐々に復調気配にあり、北信越大会も8分台に迫るタイムで快勝した。他にも8分台を持つ西澤マハロ(洛南3京都)や林龍正(大阪)も強力。8分30~40秒台のハイレベル決戦となるか。
5000m競歩は7月に20分17秒98をマークした長田隼人(松山工3愛媛)、今季20分台を連発して安定している浜田理温(純真3福岡)、地区大会で8位までが21分台とハイレベルだった近畿勢が優勝争いの軸となる。なかでも長田はセカンドベストも20分30秒44とやや一歩リードか。近畿勢では地区大会覇者の逢坂草太朗(川西緑台)、20分35秒14を持つ梅田和宏(大体大浪商)、U20選抜競歩10kmで今大会出場者最上位の6位につけた長田悠吾(智辯カレッジ3奈良)らが虎視眈々と頂点を見据える。
フィールド&混成
三段跳の宮尾は16mが射程圏内
投てきにも注目選手そろう
走高跳ではチュクネレ・ジョエル優人(八千代松陰3千葉)に連覇が懸かるものの、県大会2位、南関東大会4位タイと今季は本調子ではない。両大会でチュクネレを上回り、今季2m11をクリアしている梅原優太郎(成田3千葉)、四国大会で2m11に成功した須崎遥也(丸亀3香川)、昨年のU18大会覇者で、今年6月のU20日本選手権でも高校生最上位の2位に入った原口颯太(宮﨑農3)が前回覇者の前に立ちはだかる。中国大会覇者の長瀬裕大(倉敷商3)も翌週の岡山県選手権で2m10に成功しており、優勝争いは混戦模様だ。
棒高跳は渡邉瑛斗と北田瑠偉(ともに大塚3大阪)が5m23、5m22でランキング1位、2位を占める。5m00でランキング3位の宮嵜裕大(日体大柏3千葉)に20cm以上の大差をつけており、当然全国でもワン・ツー、そして4m80がベストの和辻雄大とともに大塚勢のトリプル入賞を狙っている。U18大会2位の吉田陸哉(王寺工3奈良)、昨年5m00をクリアしている東北大会覇者の菅野航太(黒沢尻工3岩手)、3年前の全中&昨年のU16大会優勝の原口顕次朗(前橋育英3群馬)も実力者で、メダル獲得には5m00が条件となりそうだ。
走幅跳は兵庫県大会で7m70をジャンプした吉田正道(姫路商3)が優勝候補筆頭に挙がる。200mで21秒35を持つスピードが持ち味で、日本歴代8位タイの8m14を持つ兄・弘道(神崎郡陸協)の2位を超える高校日本一の称号がターゲットだ。北関東覇者の中村大空(東農大二3群馬)、中国大会優勝の児玉成輝(沼田3広島)が7m59で続く。7m40台は8人おり、その中では2年前の全中覇者である元木涼介(洛南2京都)は地元・徳島で大ジャンプを期している。
三段跳には前回チャンピオンの宮尾真仁(洛南3京都)が登場する。今季は高校歴代4位タイの15m84をマーク。ランキング2位に51cm差をつけており、順当にいけば連覇は堅い。条件が良ければ高校生史上4人目の16m台、そして高校記録(16m10)更新もあるかもしれない。15m33を持ち、北関東大会覇者の金井晃希(作新学院3栃木)、15m24を持つ地元・徳島勢の吉田康晟(富岡東3)らがメダル候補だ。
砲丸投は昨シーズンひとりも出なかった17m以上がすでに4人。なかでも前回4位の山田暉斗(法政二3神奈川)はU20日本選手権で高校歴代5位の18m01を投げ、一歩抜け出た存在となった。山形県大会で17m31を放った東海林慎也(山形中央3)、近畿大会で17m17を投げた泊瑶平(大阪3)、17m01で前回2位の実績がある渡辺豹冴(開志国際3新潟)も力があり、17m50を超えてくるようだと山田にプレッシャーを与えられる。18m21の大会記録更新も十分可能性を秘める注目種目だ。
山田暉斗(法政二)
円盤投は高校新を見据える山口翔輝夜(社3兵庫)に注目。5月に高校歴代6位の55m09をマークし、高校生相手には負けなし。優勝候補筆頭として徳島に乗り込む。益井晴輝(西武台3埼玉)、山田暉斗、横尾樹(成田3千葉)も50m台を投げており、上位候補に挙がる。山田は砲丸投との2冠に挑む。
ハンマー投は4月に高校歴代9位の66m64をマークし、6月のU20日本選手権でも65m72で2位に入った秋山玲二郎(四学香川西3)が高校記録に挑む。四国大会では連戦の中でも64m超えを3本そろえるなど安定度も高く、優勝候補筆頭なのは間違いない。円盤投との2冠を狙う山口翔輝夜は近畿大会で64m51をマークし、秋山の1強状態に待ったをかけた。大会記録(65m98)はもちろん、高校記録(68m33)も視野に入れた高水準の戦いになりそうだ。
やり投は東北大会覇者の清野康介(山形商3)が7月に66m19を放ち、ランキング2位以下に2m48差をつけている。これまでは昨年のU18大会7位が最高成績で、今季に入って急成長した選手。実績面では前回4位、U18大会2位の薬師寺新(大分雄城台3)が光るものの、今季は4月に右足首にケガを負った影響でスロースタート。それでも63m71まで自己記録を伸ばしており、持ち前の勝負強さで初タイトル獲得なるか。
八種競技は前回1年生優勝を飾った高橋諒(桐朋2東京)に連覇が懸かる。南関東大会では高2歴代5位の5684点まで伸ばし、今季リストでは3位につける。その髙橋よりも高い得点を持つのが5749点の梶川新(松本国際3長野)と5685点の松下怜(鹿児島3)。ともに地区大会を制した勢いがあり、最後まで誰が勝つかわからない展開になりそうだ。
女子の展望はこちら
トラック 100mは本命不在で混戦必至 400mHは史上3人目の49秒台なるか
100mは5月と6月にリストトップの10秒37をマークしている関口裕太(東京学館新潟3)が優勢か。6月のU20日本選手権は予選落ちだったものの、その後の北信越大会ではU20で高校生トップの4位だった福澤耀明(佐久長聖3長野)や昨年のU18大会優勝の片原一輝を退けて優勝を飾った。まだ主要タイトル獲得はなく、徳島で最速の称号を手にできるか。 関口の強力なライバルになりそうなのが、今季2度も10秒4台をマークしている福澤や、U20日本選手権で6位に入った小島拓真(名古屋大谷3愛知)あたりか。ケガからの復調途上である片原や、南関東大会を制した高須楓翔(成田3千葉)や近畿大会王者の大石凌功(洛南3京都)も十分チャンスがありそうだ。 200mでは南関東大会スプリント2冠の高須楓翔と、近畿大会を制した高見陸亜(姫路3兵庫)が優勝候補に挙がる。ベストはそれぞれ21秒00と21秒07で、ともに100mでも10秒4台のスピードを持つ。持ちタイムではほぼ互角なだけに、100mやリレーをこなして余力を残したほうが有利となるだろう。他には400mでも46秒台を持つ林申雅(大塚3大阪)、ハイレベルの北信越大会を制した木村峻也(新潟産大附3)、同2位の関口裕太も強力だ。 400mはU20日本選手権を制した長葭遥斗(浜松開誠館3静岡)が大本命となる。同大会では予選、決勝と46秒台を連発し、続く東海大会も47秒15で優勝した。200mと2冠を狙える位置にある林申雅が46秒96で追い、北九州大会覇者の冨永湧平(東福岡3)、平川慧(コザ2沖縄)が47秒05で続く。なかでも平川と冨永は前回大会で3位、4位に入っており、その経験が優位に働きそう。 800mは日本選手権予選で高校歴代2位の1分47秒69をマークした後田築(創成館3長崎)が同時期に開催されるU20世界選手権に出場するためインターハイは欠場。そのため、優勝候補不在の大混戦が予想される。自己記録で1分49秒台なのが青木龍翔(大牟田3福岡)と、立迫大徳(鹿児島城西2)、坂元龍晟(鹿児島南2)の3人。青木は前回5位の実績があり、立迫はU20日本選手権を制した勝負強さが持ち味。坂元は400m48秒01のスピードを生かせるレース展開に持ち込めれば勝機を見出せそうだ。 1500mは前回4位で近畿大会覇者の長嶋幸宝(西脇工3兵庫)を中心にハイペースな展開となりそう。長嶋は自ら先頭に立ち高速レースに持ち込む展開を得意としており、近畿大会では予選、決勝を3分47秒48、3分46秒86と、一度も先頭を譲らずに快勝した。前回5位の大野聖登(秋田工3)は800mで1分50秒04のスピードが持ち味で、長嶋に対抗できる数少ない存在だ。この他にもU20日本選手権で3位に入った谷本昂士郎(大牟田2福岡)や北信越大会を大会新で制した松尾悠登(佐久長聖3長野)ら有力選手が多く、入賞ラインは過去最速だった前回の3分47秒77を超えるかもしれない。 長嶋幸宝(西脇工) 5000mは前回までアフリカ出身の留学生が28連覇中。今回も13分18秒75を持つダニエル・ディリツ(大分東明3)や前回3位で13分27秒89のエマヌエル・キプチルチル(倉敷3岡山)らを中心に日本人選手の高い壁となる。日本人トップ候補は近畿大会覇者の長嶋幸宝、前回9位の綾一輝(八千代松陰3千葉)、同11位の南坂柚汰(倉敷3岡山)、近畿2位の前田和摩(報徳学園3兵庫)ら。特に長嶋は5月に高校歴代5位の13分37秒46をマークしており、一歩抜け出た存在と言える。 110mハードルは東北大会覇者の今西亮太(葵3福島)が14秒25で出場者ランキングでトップ。前回も6位に入っており、昨年のU18大会300mハードルに続くタイトル獲得に挑む。ただ、工藤晴斗(花咲徳栄3埼玉)、中井翔太(姫路南3兵庫)、打田快生(皇學館3三重)が14秒3台で続いており、絶対的優勝候補とは言えない状況だ。この10年は優勝記録が最低でも14秒20(2012年)で、高校新記録(13秒69/西徹朗、名古屋)が誕生した昨年のようなハイレベル決戦に注目だ。 400mハードルは6月のU20日本選手権で高校歴代7位タイの50秒17をマークした紺野稜真(九里学園3山形)に注目が集まる。東北大会でも50秒45と50秒台を連発しており、高校生史上3人目の49秒台突入も現実味を帯びている。兵庫県大会を50秒99で制した山田那央(小野3)も実力者で、400m48秒24のベストを持つ走力に加え、ハードリングが非常に安定している。51秒2~3台の渕上翔太(東福岡2)や今西亮太らはじめ、49~50秒台の高水準の激戦となるはずだ。 紺野稜真(九里学園) 3000m障害は5月の岡山県大会で8分35秒08をマークしたサムエル・キバティ(倉敷2岡山)が記録面で一歩リードしている。高校記録(8分39秒37)を上回る強力な留学生に対抗する一番手が、4月に高校歴代10位、高2歴代2位の8分51秒21をマークした永原颯磨(佐久長聖2長野)だ。5月に腰を痛めたものの、徐々に復調気配にあり、北信越大会も8分台に迫るタイムで快勝した。他にも8分台を持つ西澤マハロ(洛南3京都)や林龍正(大阪)も強力。8分30~40秒台のハイレベル決戦となるか。 5000m競歩は7月に20分17秒98をマークした長田隼人(松山工3愛媛)、今季20分台を連発して安定している浜田理温(純真3福岡)、地区大会で8位までが21分台とハイレベルだった近畿勢が優勝争いの軸となる。なかでも長田はセカンドベストも20分30秒44とやや一歩リードか。近畿勢では地区大会覇者の逢坂草太朗(川西緑台)、20分35秒14を持つ梅田和宏(大体大浪商)、U20選抜競歩10kmで今大会出場者最上位の6位につけた長田悠吾(智辯カレッジ3奈良)らが虎視眈々と頂点を見据える。フィールド&混成 三段跳の宮尾は16mが射程圏内 投てきにも注目選手そろう
走高跳ではチュクネレ・ジョエル優人(八千代松陰3千葉)に連覇が懸かるものの、県大会2位、南関東大会4位タイと今季は本調子ではない。両大会でチュクネレを上回り、今季2m11をクリアしている梅原優太郎(成田3千葉)、四国大会で2m11に成功した須崎遥也(丸亀3香川)、昨年のU18大会覇者で、今年6月のU20日本選手権でも高校生最上位の2位に入った原口颯太(宮﨑農3)が前回覇者の前に立ちはだかる。中国大会覇者の長瀬裕大(倉敷商3)も翌週の岡山県選手権で2m10に成功しており、優勝争いは混戦模様だ。 棒高跳は渡邉瑛斗と北田瑠偉(ともに大塚3大阪)が5m23、5m22でランキング1位、2位を占める。5m00でランキング3位の宮嵜裕大(日体大柏3千葉)に20cm以上の大差をつけており、当然全国でもワン・ツー、そして4m80がベストの和辻雄大とともに大塚勢のトリプル入賞を狙っている。U18大会2位の吉田陸哉(王寺工3奈良)、昨年5m00をクリアしている東北大会覇者の菅野航太(黒沢尻工3岩手)、3年前の全中&昨年のU16大会優勝の原口顕次朗(前橋育英3群馬)も実力者で、メダル獲得には5m00が条件となりそうだ。 走幅跳は兵庫県大会で7m70をジャンプした吉田正道(姫路商3)が優勝候補筆頭に挙がる。200mで21秒35を持つスピードが持ち味で、日本歴代8位タイの8m14を持つ兄・弘道(神崎郡陸協)の2位を超える高校日本一の称号がターゲットだ。北関東覇者の中村大空(東農大二3群馬)、中国大会優勝の児玉成輝(沼田3広島)が7m59で続く。7m40台は8人おり、その中では2年前の全中覇者である元木涼介(洛南2京都)は地元・徳島で大ジャンプを期している。 三段跳には前回チャンピオンの宮尾真仁(洛南3京都)が登場する。今季は高校歴代4位タイの15m84をマーク。ランキング2位に51cm差をつけており、順当にいけば連覇は堅い。条件が良ければ高校生史上4人目の16m台、そして高校記録(16m10)更新もあるかもしれない。15m33を持ち、北関東大会覇者の金井晃希(作新学院3栃木)、15m24を持つ地元・徳島勢の吉田康晟(富岡東3)らがメダル候補だ。 砲丸投は昨シーズンひとりも出なかった17m以上がすでに4人。なかでも前回4位の山田暉斗(法政二3神奈川)はU20日本選手権で高校歴代5位の18m01を投げ、一歩抜け出た存在となった。山形県大会で17m31を放った東海林慎也(山形中央3)、近畿大会で17m17を投げた泊瑶平(大阪3)、17m01で前回2位の実績がある渡辺豹冴(開志国際3新潟)も力があり、17m50を超えてくるようだと山田にプレッシャーを与えられる。18m21の大会記録更新も十分可能性を秘める注目種目だ。 山田暉斗(法政二) 円盤投は高校新を見据える山口翔輝夜(社3兵庫)に注目。5月に高校歴代6位の55m09をマークし、高校生相手には負けなし。優勝候補筆頭として徳島に乗り込む。益井晴輝(西武台3埼玉)、山田暉斗、横尾樹(成田3千葉)も50m台を投げており、上位候補に挙がる。山田は砲丸投との2冠に挑む。 ハンマー投は4月に高校歴代9位の66m64をマークし、6月のU20日本選手権でも65m72で2位に入った秋山玲二郎(四学香川西3)が高校記録に挑む。四国大会では連戦の中でも64m超えを3本そろえるなど安定度も高く、優勝候補筆頭なのは間違いない。円盤投との2冠を狙う山口翔輝夜は近畿大会で64m51をマークし、秋山の1強状態に待ったをかけた。大会記録(65m98)はもちろん、高校記録(68m33)も視野に入れた高水準の戦いになりそうだ。 やり投は東北大会覇者の清野康介(山形商3)が7月に66m19を放ち、ランキング2位以下に2m48差をつけている。これまでは昨年のU18大会7位が最高成績で、今季に入って急成長した選手。実績面では前回4位、U18大会2位の薬師寺新(大分雄城台3)が光るものの、今季は4月に右足首にケガを負った影響でスロースタート。それでも63m71まで自己記録を伸ばしており、持ち前の勝負強さで初タイトル獲得なるか。 八種競技は前回1年生優勝を飾った高橋諒(桐朋2東京)に連覇が懸かる。南関東大会では高2歴代5位の5684点まで伸ばし、今季リストでは3位につける。その髙橋よりも高い得点を持つのが5749点の梶川新(松本国際3長野)と5685点の松下怜(鹿児島3)。ともに地区大会を制した勢いがあり、最後まで誰が勝つかわからない展開になりそうだ。 女子の展望はこちら
|
|
RECOMMENDED おすすめの記事
Ranking 人気記事ランキング
-
2024.12.13
-
2024.12.13
-
2024.12.13
-
2024.12.07
-
2024.12.13
-
2024.11.24
-
2024.11.20
2022.04.14
【フォト】U18・16陸上大会
2021.11.06
【フォト】全国高校総体(福井インターハイ)
-
2022.05.18
-
2022.12.20
-
2023.04.01
-
2023.06.17
-
2022.12.27
-
2021.12.28
Latest articles 最新の記事
2024.12.14
京山・石原万結は5区 神村学園・瀬戸口恋空は2年連続1区 大沢野も長森結愛、黒川志帆が3km区間に/全中駅伝・女子
第32回全国中学駅伝は12月15日、滋賀県の野洲市と湖南市にまたがる希望が丘文化公園で開催される。14日には開会式が行われ、併せて区間エントリーも発表された。 女子は1区、5区が3km、2区から4区までは2kmの5区間1 […]
2024.12.14
京山はエースの玉川彩人が3区 坂は8分台トリオを前半に配置 鶴ヶ島藤は植松遼がアンカー/全中駅伝・男子
第32回全国中学駅伝は12月15日、滋賀県の野洲市と湖南市にまたがる希望が丘文化公園で開催される。14日には開会式が行われ、併せて区間エントリーも発表された。 史上初の2年連続男女優勝を目指す京山(岡山)は全中3000m […]
2024.12.14
第5回大学対校男女混合駅伝の出場校が決定! 大東大、環太平洋大、亜細亜大、早大が初出場!! 2月16日に大阪・長居で開催
12月12日、関西学連は25年2月16日に開催される第5回全国大学対校男女混合駅伝の出場チームを発表した。 同大会は2021年に大学駅伝では国内初の男女混合レースとして誕生。これまでは「全国招待大学対校男女混合駅伝」とい […]
2024.12.13
箱根駅伝V奪還狙う駒大 藤田敦史監督「100回大会の悔しさ晴らしたい」選手層に課題も手応えあり
第101回箱根駅伝に出場する駒大がオンラインで記者会見を開き、藤田敦史監督、大八木弘明総監督、選手が登壇、報道陣の取材に応じた。 藤田監督は「前回は出雲駅伝、全日本大学駅伝を制した状態で迎え、青山学院に負けて準優勝でした […]
Latest Issue 最新号
2024年12月号 (11月14日発売)
全日本大学駅伝
第101回箱根駅伝予選会
高校駅伝都道府県大会ハイライト
全日本35㎞競歩高畠大会
佐賀国民スポーツ大会