月刊陸上競技が発信する国内初の陸上競技総合Webメディア

駒大・大八木監督「アンカーまでに1分あれば……」各校指揮官は東京国際大のヴィンセントを警戒/出雲駅伝前日会見

10月10日(日)に開催される出雲駅伝の前日会見が9日に行われた。参加したのは、駒大の大八木弘明監督、創価大の榎木和貴監督、東洋大の酒井俊幸監督、青学大の原晋監督、國學院大の前田康弘監督、東京国際大の大志田秀次監督の6名。それぞれ大会に懸ける意気込みや目標などについて話した。

昨年度の全日本、箱根王者である駒大の大八木監督は「三大駅伝の初戦ということで、ウチのチームは勝ちにこだわってやってきています。この大会に向けて、夏合宿をしっかりやれました」とおおむね順調に来ていることをアピール。

10000m27分台を持つ主軸の鈴木芽吹(2年)がリストから外れたことについては、「夏はパーフェクトに練習をやってくれましたが、9月の初めの方に右脚の大腿部に痛みが出て、レントゲンをとったら、疲労骨折でした。1ヶ月ぐらいで何とか治るということなので、全日本に間に合わせて、しっかり走ってくれればなという感じです」と説明。チームとしては痛手となるが、それでも「全員一丸となって戦って、優勝を目指してがんばっていきたい」と意気込んだ。

箱根駅伝で準優勝し、大会初出場をつかんだ創価大の榎木監督は「昨年は我々も初出場を予定していた中で中止となりましたので、2年分の思いを持って、明日の出雲駅伝に望みたい」とコメント。

学生駅伝初出走となる選手が3名リストに名を連ねたが、「新しい戦力を積極的に試す場でもあると思いますので、初出場らしい走りをしたいなと考えています。下馬評では全く注目されていませんので、その中で、箱根同様に、どこまで勝負できるか、胸を借りるつもりで積極的にチャレンジしていきたいなと思っております」と意気込みを口にした。

東洋大・酒井監督は「主力選手をエントリーできなかったということもあって、今回はステップの位置づけとして考えています」ときっぱり。主軸の宮下隼人(4年)、松山和希(2年)がケガからの復帰途上のためエントリーから外れたが、若い3年生以下の若いオーダーで次へつなげる戦いにするつもりだ。

「しっかりトレーニングできたメンバーで今回挑みたいと思っていますが、この出雲駅伝は、若い力がしっかり経験できる非常に貴重な大会でもあります。出雲を経験することで、その後の駅伝(で活躍した選手)や日本代表等になっていった選手が数多くいますので、明日繋ぐメンバーも、その第一歩となるような大会にしてほしいなというふうに考えています」(酒井監督)

「6区間、夏合宿の消化率がほぼ100%の学生、および学内選考レースで勝ち上がった学生をエントリーすることができました」と説明するのは、3年ぶりのV奪還を目指す青学大の原監督だ。

「まだまだ大砲という選手はいませんけれども、総合力でチャレンジしていきたいと思います」と自慢の選手層で乗り切るつもりだ。

2年前の覇者である國學院大・前田監督は「2年前は、神がかり的な形で一度勝利をしましたが、もう過去の話です。今年は今年の戦い方を持って臨みたいと思っています。経験豊かな4年生を中心に前半で流れに乗って、後半は若い力に託したいというような駅伝を想定しています」と前半重視の作戦を公表。

当日は気温が上がることが予想されるが、「夏合宿を通して、暑い中しっかりできた選手たちをピックアップできたと考えていますので、その中で粘り強く、國學院らしく継走をしていきたいと思います」と連覇に向けて自信を深めている様子だ。

初出場となる東京国際大学の大志田監督は「学生たちとは『優勝を目指そう』と、1月からこの大会を目指してやってきています。夏の合宿を順調にこなし、9月に入ってから記録会等で自己記録を更新しているメンバーを中心に、今回のオーダーを組みました」と説明。

「まだまだ力のないチームですので、この場に立たせていただくのも非常に恥ずかしい」と謙遜しつつ、「一人ひとりが一つひとつの区間でタスキをしっかりつなぎ、初出場初優勝にトライしてほしいなと思っております」と大きな目標を口にした。

各校の注目ポイントは「東京国際大との差をいかに広げるか」

各校の指揮官が警戒する東京国際大のイェゴン・ヴィンセント(右)。箱根駅伝では1年時から3区、2区で特大の区間新記録を樹立している

今大会のダークホースとも目される東京国際大は、アンカーにイェゴン・ヴィンセント(3年)を配したことで、優勝を目指すチームにとっては、「アンカーにタスキが渡るまでに東京国際大との差をいかに広げるか」がポイントになる。各監督には「ヴィンセント選手までにどのくらいのタイム差がほしいか?」という質問があった。

まず回答したのは駒大の大八木監督。「勝負はやってみないとわかりませんけども、ウチは1、2年生主体の若いチームですから、うまく勢いに乗っていったら、おもしろいかなと思っています。最終区のヴィンセント選手とは、そうですね……田澤のところで、1分ぐらい(リードが)あれば面白いかなと思います」。

青学大の原監督は「駒澤大学が日本人トップ選手の田澤君をもって1分ですから、それはそりゃあ、2分は欲しいところかなと思います」と、大八木監督の回答に返すかたちでおどけてみせた。

一方で、東京国際大の大志田監督へは「(5区終了時点で)どのくらいのビハインドなら許容範囲か?」という質問があった。

「いくらヴィンセントでも、差はできるだけ少なければいいなと思っています。駒澤さんが田澤君ですので……。今のヴィンセントでも1分リードされていたら、逃げられるんじゃないかなと思っております。45秒以内で収めてくれれば、我々にも(優勝が)見えてくるのかなと思いますけど。ただ、今日のオーダーを見ると、非常に厳しい状況ではあると感じています」(大志田監督)

前回はアンカーで逆転した國學院大が初優勝を飾ったが、1分程度の差であれば、今回も大逆転劇もありうると、各校の指揮官は踏んでいるようだ。2年ぶり開催の出雲駅伝は、最後の最後まで目が離せないレースとなりそうだ。

文/福本ケイヤ



月刊陸上競技最新号

WordPress Theme NATURAL PRESS by WEB-JOZU.com