2026.02.14
学生女子駅伝2大タイトルの全日本大学女子駅伝と富士山女子駅伝で、大東文化大学はまだ頂点に立ったことはない。しかし、初出場した2011年以降で2大会における準優勝は実に16回。今や毎回のように優勝候補に挙がる強豪校の地位を確立した。特有のトレーニングや選手たちのリカバリーに対する高い意識のほか、不定期ながら5年ほど前から導入している日本気圧バルク工業の高気圧酸素ルーム(O2Room®)の存在が安定したチーム力の維持を支えている。
2010年の発足以来、自主性を重んじた指導方針を継続
大東文化大学陸上競技部女子長距離ブロックは2010年に発足した。「陸上競技を通じて社会に役立つ人間力と競技力の育成」をチーム理念に掲げ、「感動と感謝」「大東文化大学から世界へ」をモットーに、選手は日々のトレーニングに励んでいる。
発足時からチームを指揮する外園隆監督は、「個人を尊重し、自主性を重んじる」という指導方針を持つ。
「選手が強くなるために大事なのは自主性です。だから私たちから何かを強制することはしません。大学生は高校生と違って、指導者や先輩の指示待ちではいけない。自主性を磨くには豊富な知識が成功の礎になりますから、選手には学び、吸収しなさいということを常日頃から言っています」
大学とは学びの場だ。だからこそ「すべてのものは師である」と考える外園監督も「私自身が学ぶことをやめたら教えることをやめる時」と学び続ける姿勢を崩さない。
チームでは座学も重視し、トレーニング理論や栄養学、ケアについてなど、折を見て勉強会が開催される。競技者として強くなるための知識を植えつけ、自ら考えて行動できるように仕向けているわけだ。そこにも「学生スポーツはやらされるのではなく、自主的にやれるようにならないといけない」という外園監督の理念が垣間見える。
「陸上競技の走る種目で、私はトラックは技術力、駅伝は人間力と考えています。そして、競技力が人間力を越えることはない。まず人間力があって、そこから競技力が上がっていく。特に駅伝でチーム力を上げるには、一人ひとりが人の立場に立って物事を考えられる競技者でなければいけないと思っています」

2010 年から16 年間チームを率いている外園隆監督は、「個人を尊重し、自主性を重んじる」という指導方針を持つ
「SAQトレーニング」で世界の舞台へ、長距離選手でも速い動きを反復
大東大のトレーニング面での大きな特徴は、「SAQトレーニング」というスピードにつながる動き作りやサーキットトレーニングを重視している点だろう。
1980年代後半にアメリカで開発されたSAQトレーニングは、スピード(Speed:重心移動の速さ)、アジリティ(Agility:運動時に身体をコントロールする能力)、クイックネス(Quickness:刺激に反応して速く動き出す能力)という3つの能力を高めることを目的とする。陸上競技の場合、一般的に短距離やフィールドの選手が行うトレーニングで、長距離チームが採用しているのは、やや異質と言えるかもしれない。
学生時代は陸上競技部の主務だった外園監督が大東大を卒業後、スポーツ医科学の先進国であるアメリカに渡って最先端の知識と技術を学び、そこで得たSAQトレーニングの理論を日本に持ち帰って広めた。今から30年以上前の話だ。
近年はレースにおける高速化が著しく、駅伝でも区間新記録や大会新記録が連発されている。外園監督は「そのバックグラウンドを探ると、トラックのスピードが絶対的に速いことがわかります。それがないと駅伝に生かせませんし、世界に行った時に通用しません」と話し、「ロードの強化では、ただ距離を走っているだけではダメ。どうやったら効率の良い動きや無駄のない走りができるか。トレーニングでそれが身につくと、身体も楽になって、より高みへ行けるようになります」と強調する。
そのような動き作りを経て、「大東文化大学から世界へ」を体現した選手も多い。3000m障害の吉村玲美は学生時代の2022年、オレゴン世界陸上に出場。卒業生であるマラソンの鈴木優花(現姓・赤﨑/クラフティア)は、2023年秋のMGC優勝を経て、24年夏にパリで行われた本番で6位入賞という快挙につなげた。
現役生でもチームの主軸を担う留学生のサラ・ワンジルや野田真理耶(ともに3年)が昨年7月にドイツで開催されたワールドユニバーシティゲームズに出場。野田がハーフマラソンで銅メダル、ワンジルが10000mで銀メダルを獲得している。

長距離選手でもSAQトレーニングやサーキットトレーニングを頻繁に取り入れ、スピードを出せる動き作りや基礎体力を養うのが大東スタイル
「疲労はその日のうちに回復」コンディショニングは入念に
パフォーマンス向上のために、「トレーニング・栄養・休養」の重要性はよく知られている。大東大の選手たちの栄養や休養、いわゆるリカバリーに対する意識が高いのも、外園監督の考えが深く浸透しているからに他ならない。
「どんなに質の良いトレーニングをやっても、その疲労が何日も残るようだったら意味がありません。強くなるには、今日やったトレーニングの疲労が翌日に残らないことが重要です」
疲労が蓄積すればオーバートレーニングやケガを招き、レベルアップに不可欠な「練習の継続」が途切れてしまう。そこで心拍数などのデータを数値化し、選手個々の状態に合わせた適切な負荷を管理することで、過度な練習による疲労の蓄積を未然に防いでいる。
ケアの面でも「空気圧のマッサージ機やマッサージガン、フォームローラーなどを使い、自分でマッサージしています」(野田)、「寮に大きいバケツがあるので、そこに水を溜めて交代浴をやっています」(相場茉奈/3年)と、選手はそれぞれのやり方でボディメンテナンスを日常化。2人部屋の特性を活かしたルームメイト同士のペアマッサージは毎日の習慣だ。
また、栄養に関しては、公認スポーツ栄養士の橋本彩花さんが練習のスケジュールに合わせた献立表を作成し、その日の疲労度や体調、選手の好みを考慮したメニューを提供。外園監督は「寮に帰ってきて箸も持てないほど疲労困憊な状態ではダメ。きっちりやったトレーニングの後に『お腹空いた、ご飯がおいしい』と楽しく食べられる」ことを疲労回復のバロメーターにしている。
エネルギーが不足すれば疲労回復そのものが滞る。そのため、「走るためにも回復するためにもエネルギーが必要」と説き、安易な減量を求めない。そういう意味で、食事は単なるエネルギー補給ではなく、「リカバリーのための重要なプロセス」として位置づけられている。
疲労回復やケガの治癒を促進する高気圧酸素に注目
外園監督には「ケガをせずに練習を継続できれば、ある程度のレベルまでは行ける」という経験則がある。ただ、学生トップや日本代表として世界大会で戦うといったレベルを目指すと、「より強度の高いトレーニングをやらないといけない。でも、それをやるとケガをするリスクが高くなる」のも事実だった。
どうしたらトレーニングを継続できるか。海外の文献などからも情報を収集し、突き詰めてたどり着いたのが、高気圧酸素の活用だったという。
実際、高気圧酸素は肉体疲労の回復、ケガや傷の治癒促進、代謝改善、肥満防止、アンチエイジング、免疫改善、集中力向上や睡眠の質の改善といった効果が期待され、アスリートの間でもその有効性が注目されていた。
大東大は4年ほど前の長野・菅平合宿の際、大学のセミナーハウス近くにあるスポーツハイム初音館で、日本気圧バルク工業の酸素ルーム『O2Room®』を利用した。また、元箱根ランナーで大東大OBの石井俊久院長が長野・富士見高原に開業した石井整骨院で、同じく日本気圧バルク工業の『O2Room®』を何度か利用しており、効果はてきめんだった。
「ウチのトレーニングは長距離選手にしては速い動きをするので、毛細血管が切れたりして筋肉痛が起きます。合宿では負荷の高いトレーニングをしますから疲労も溜まりやすい。そういう時にマッサージ以外に、高気圧酸素ルームに入って60分とか90分間寝るだけで、スッキリした表情で出てきます。食欲も落ちないですし、夜の良質な睡眠につながります」(外園監督)

大東大女子長距離ブロックでは日本気圧バルク工業から『O2Room®』体験カーを頻繁にレンタルしている

体験カーに収納されているものと同じブラッドA・タイプLの『O2Room®』。幅1.5m、高さ1.9m、奥行き2.55mのサイズで、7~8名が一緒に利用できる
〝安心・安全〟から得られる信頼が『O2Room®』の最大の魅力
日本気圧バルク工業は酸素ルームのパイオニアだが、酸素カプセルを含め、今では数多くのメーカーが酸素市場に参入している。そんな中で大東大が日本気圧バルク工業の製品を選ぶのには理由がある。
「天野英紀社長の人柄の良さや高橋尚子さんがアンバサダーを務めているというのもありますが、何より〝安心・安全〟を謳っているのが一番。私たちは基本的に高気圧酸素しか使っていませんが、扉を閉め切った状態で事故が起きてはいけない。日本気圧バルク工業さんは酸素に関わる事業でこれまで事故や大きなトラブルが一度もないと聞いています。その点に絶対的な信頼を寄せています」(外園監督)

エアコンもあり、広くて快適な日本気圧バルク工業の『O2Room®』は〝安心・安全〟が持ち味の健康器具。簡単な操作で疲労回復やケガの治癒促進が期待でき、ハードなトレーニングをするアスリートには心強い味方だ
コーチ陣も酸素ルームを利用するようになった以前と現在とで考え方の変化を実感している。原田隆弘コーチは「私たちがトレーニングメニューを組む時、酸素ルームがないと、『このメニューをやったら明日、疲労が残ってしまうかな』などと悩むことがよくあります。でも、酸素ルームがあると自信を持ってそのメニューを入れられます。また、選手たちのリカバリーに対する意識も高くなったように感じます」と確かな手応えをつかんだようだ。

『O2Room®』の中でペアマッサージをすることもあるワンジルと野田
〝酸素の力〟も取り入れて悲願の駅伝日本一へ
チームでは現状、予算や寮のスペースなどの面から酸素ルームを購入、あるいは常設することが難しい。しかし、合宿地での利用や、日本気圧バルク工業の厚意から『O2Room®』体験カーを何度かレンタルしたことで、選手は酸素の恩恵にあずかってきた。
福島・学法石川高時代も学校にある酸素ルームを利用していたという平尾暁絵(3年)は、「練習後に中で90分ぐらい寝るだけで、疲労度や睡眠の質の違いを感じます」と話す。
ワンジルも「スピード練習の後に酸素ルームに入ることが多いです。コンプレッションブーツを履いて寝ると、ルームから出た時に身体が軽いし、疲労が取れた感じがします」と、今では酸素ルームをすっかり気に入っている。
相場は「きつい練習の後や距離走の後に積極的に入るようにしています。入らない時と違って疲労感が残りません。また、駅伝シーズンになると練習の質が高くなり、あと何をやるかと言えば疲労を取ること。酸素ルームに入るまでをやり切れば、『これだけやってきたから大丈夫』と前向きな気持ちでスタートラインに立てていた気がします」と、メンタル面での効果も感じていた。
昨年10月の全日本大学女子駅伝後、12月の富士山女子駅伝に向けて約2ヵ月間、通算4度目となるレンタルをしたのは、ケガをしていた野田の早期回復を期待してのことだった。結果的に野田は大事を取って富士山を回避したものの、松尾順菜コーチは「2ヵ月間で、野田以外に大きなケガが出なかったのは、酸素ルームを継続的に使えたからだと思います」と話す。チームとしてはレンタル期間を延長し、『O2Room®』を2月いっぱい借りられることになったのを喜んでいる。

『O2Room®』があることでトレーニングの幅が広がり、故障者も減ったと話す松尾順菜コーチ(左)と原田隆弘コーチ
最強世代と言われ、大きな期待を背負って3年前に入学してきた野田、平尾、相場、ワンジルらは4月に最終学年を迎える。それぞれに個人目標はあるが、チームとしての目標はただ1つ、駅伝での日本一だ。
野田と相場が「2026年は大学ラストシーズン。優勝を全員でしっかりつかみ取りたい」と口を揃えれば、平尾は「先輩方の悔しい思いを背負って私たちの代で必ず優勝して、大東大の歴史を変えたいです」と力を込める。
全日本や富士山で常に上位にいながら、悲願の頂点にあと一歩届いていない大東大。〝酸素の力〟も取り入れながら勝負をかける2026年シーズンが始まった。

大東大女子長距離ブロックを牽引する3年生の主力メンバーは「私たちの代で必ず優勝したい」と口を揃え、悲願の駅伝日本一に挑む
文/小野哲史、撮影/樋口俊秀
※この記事は『月刊陸上競技』2026年3月号に掲載しています
2010 年から16 年間チームを率いている外園隆監督は、「個人を尊重し、自主性を重んじる」という指導方針を持つ[/caption]
「SAQトレーニング」で世界の舞台へ、長距離選手でも速い動きを反復
大東大のトレーニング面での大きな特徴は、「SAQトレーニング」というスピードにつながる動き作りやサーキットトレーニングを重視している点だろう。
1980年代後半にアメリカで開発されたSAQトレーニングは、スピード(Speed:重心移動の速さ)、アジリティ(Agility:運動時に身体をコントロールする能力)、クイックネス(Quickness:刺激に反応して速く動き出す能力)という3つの能力を高めることを目的とする。陸上競技の場合、一般的に短距離やフィールドの選手が行うトレーニングで、長距離チームが採用しているのは、やや異質と言えるかもしれない。
学生時代は陸上競技部の主務だった外園監督が大東大を卒業後、スポーツ医科学の先進国であるアメリカに渡って最先端の知識と技術を学び、そこで得たSAQトレーニングの理論を日本に持ち帰って広めた。今から30年以上前の話だ。
近年はレースにおける高速化が著しく、駅伝でも区間新記録や大会新記録が連発されている。外園監督は「そのバックグラウンドを探ると、トラックのスピードが絶対的に速いことがわかります。それがないと駅伝に生かせませんし、世界に行った時に通用しません」と話し、「ロードの強化では、ただ距離を走っているだけではダメ。どうやったら効率の良い動きや無駄のない走りができるか。トレーニングでそれが身につくと、身体も楽になって、より高みへ行けるようになります」と強調する。
そのような動き作りを経て、「大東文化大学から世界へ」を体現した選手も多い。3000m障害の吉村玲美は学生時代の2022年、オレゴン世界陸上に出場。卒業生であるマラソンの鈴木優花(現姓・赤﨑/クラフティア)は、2023年秋のMGC優勝を経て、24年夏にパリで行われた本番で6位入賞という快挙につなげた。
現役生でもチームの主軸を担う留学生のサラ・ワンジルや野田真理耶(ともに3年)が昨年7月にドイツで開催されたワールドユニバーシティゲームズに出場。野田がハーフマラソンで銅メダル、ワンジルが10000mで銀メダルを獲得している。
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長距離選手でもSAQトレーニングやサーキットトレーニングを頻繁に取り入れ、スピードを出せる動き作りや基礎体力を養うのが大東スタイル[/caption]
「疲労はその日のうちに回復」コンディショニングは入念に
パフォーマンス向上のために、「トレーニング・栄養・休養」の重要性はよく知られている。大東大の選手たちの栄養や休養、いわゆるリカバリーに対する意識が高いのも、外園監督の考えが深く浸透しているからに他ならない。
「どんなに質の良いトレーニングをやっても、その疲労が何日も残るようだったら意味がありません。強くなるには、今日やったトレーニングの疲労が翌日に残らないことが重要です」
疲労が蓄積すればオーバートレーニングやケガを招き、レベルアップに不可欠な「練習の継続」が途切れてしまう。そこで心拍数などのデータを数値化し、選手個々の状態に合わせた適切な負荷を管理することで、過度な練習による疲労の蓄積を未然に防いでいる。
ケアの面でも「空気圧のマッサージ機やマッサージガン、フォームローラーなどを使い、自分でマッサージしています」(野田)、「寮に大きいバケツがあるので、そこに水を溜めて交代浴をやっています」(相場茉奈/3年)と、選手はそれぞれのやり方でボディメンテナンスを日常化。2人部屋の特性を活かしたルームメイト同士のペアマッサージは毎日の習慣だ。
また、栄養に関しては、公認スポーツ栄養士の橋本彩花さんが練習のスケジュールに合わせた献立表を作成し、その日の疲労度や体調、選手の好みを考慮したメニューを提供。外園監督は「寮に帰ってきて箸も持てないほど疲労困憊な状態ではダメ。きっちりやったトレーニングの後に『お腹空いた、ご飯がおいしい』と楽しく食べられる」ことを疲労回復のバロメーターにしている。
エネルギーが不足すれば疲労回復そのものが滞る。そのため、「走るためにも回復するためにもエネルギーが必要」と説き、安易な減量を求めない。そういう意味で、食事は単なるエネルギー補給ではなく、「リカバリーのための重要なプロセス」として位置づけられている。
疲労回復やケガの治癒を促進する高気圧酸素に注目
外園監督には「ケガをせずに練習を継続できれば、ある程度のレベルまでは行ける」という経験則がある。ただ、学生トップや日本代表として世界大会で戦うといったレベルを目指すと、「より強度の高いトレーニングをやらないといけない。でも、それをやるとケガをするリスクが高くなる」のも事実だった。
どうしたらトレーニングを継続できるか。海外の文献などからも情報を収集し、突き詰めてたどり着いたのが、高気圧酸素の活用だったという。
実際、高気圧酸素は肉体疲労の回復、ケガや傷の治癒促進、代謝改善、肥満防止、アンチエイジング、免疫改善、集中力向上や睡眠の質の改善といった効果が期待され、アスリートの間でもその有効性が注目されていた。
大東大は4年ほど前の長野・菅平合宿の際、大学のセミナーハウス近くにあるスポーツハイム初音館で、日本気圧バルク工業の酸素ルーム『O2Room®』を利用した。また、元箱根ランナーで大東大OBの石井俊久院長が長野・富士見高原に開業した石井整骨院で、同じく日本気圧バルク工業の『O2Room®』を何度か利用しており、効果はてきめんだった。
「ウチのトレーニングは長距離選手にしては速い動きをするので、毛細血管が切れたりして筋肉痛が起きます。合宿では負荷の高いトレーニングをしますから疲労も溜まりやすい。そういう時にマッサージ以外に、高気圧酸素ルームに入って60分とか90分間寝るだけで、スッキリした表情で出てきます。食欲も落ちないですし、夜の良質な睡眠につながります」(外園監督)
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大東大女子長距離ブロックでは日本気圧バルク工業から『O2Room®』体験カーを頻繁にレンタルしている[/caption]
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体験カーに収納されているものと同じブラッドA・タイプLの『O2Room®』。幅1.5m、高さ1.9m、奥行き2.55mのサイズで、7~8名が一緒に利用できる[/caption]
〝安心・安全〟から得られる信頼が『O2Room®』の最大の魅力
日本気圧バルク工業は酸素ルームのパイオニアだが、酸素カプセルを含め、今では数多くのメーカーが酸素市場に参入している。そんな中で大東大が日本気圧バルク工業の製品を選ぶのには理由がある。
「天野英紀社長の人柄の良さや高橋尚子さんがアンバサダーを務めているというのもありますが、何より〝安心・安全〟を謳っているのが一番。私たちは基本的に高気圧酸素しか使っていませんが、扉を閉め切った状態で事故が起きてはいけない。日本気圧バルク工業さんは酸素に関わる事業でこれまで事故や大きなトラブルが一度もないと聞いています。その点に絶対的な信頼を寄せています」(外園監督)
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エアコンもあり、広くて快適な日本気圧バルク工業の『O2Room®』は〝安心・安全〟が持ち味の健康器具。簡単な操作で疲労回復やケガの治癒促進が期待でき、ハードなトレーニングをするアスリートには心強い味方だ[/caption]
日本気圧バルク工業の『O2Room®』は、身体に過度な負担をかけない軽度高気圧酸素を導入。平地の環境が1気圧、酸素濃度20.9%なのに対し、日本気圧バルク工業の高気圧酸素は人体に安全な1.25~1.3気圧、酸素濃度35~40%の設定になっている。また、一般家電と同じ100ボルトの電源で使用できる手軽さや操作が簡単なのも魅力と言える。
コーチ陣も酸素ルームを利用するようになった以前と現在とで考え方の変化を実感している。原田隆弘コーチは「私たちがトレーニングメニューを組む時、酸素ルームがないと、『このメニューをやったら明日、疲労が残ってしまうかな』などと悩むことがよくあります。でも、酸素ルームがあると自信を持ってそのメニューを入れられます。また、選手たちのリカバリーに対する意識も高くなったように感じます」と確かな手応えをつかんだようだ。
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『O2Room®』の中でペアマッサージをすることもあるワンジルと野田[/caption]
〝酸素の力〟も取り入れて悲願の駅伝日本一へ
チームでは現状、予算や寮のスペースなどの面から酸素ルームを購入、あるいは常設することが難しい。しかし、合宿地での利用や、日本気圧バルク工業の厚意から『O2Room®』体験カーを何度かレンタルしたことで、選手は酸素の恩恵にあずかってきた。
福島・学法石川高時代も学校にある酸素ルームを利用していたという平尾暁絵(3年)は、「練習後に中で90分ぐらい寝るだけで、疲労度や睡眠の質の違いを感じます」と話す。
ワンジルも「スピード練習の後に酸素ルームに入ることが多いです。コンプレッションブーツを履いて寝ると、ルームから出た時に身体が軽いし、疲労が取れた感じがします」と、今では酸素ルームをすっかり気に入っている。
相場は「きつい練習の後や距離走の後に積極的に入るようにしています。入らない時と違って疲労感が残りません。また、駅伝シーズンになると練習の質が高くなり、あと何をやるかと言えば疲労を取ること。酸素ルームに入るまでをやり切れば、『これだけやってきたから大丈夫』と前向きな気持ちでスタートラインに立てていた気がします」と、メンタル面での効果も感じていた。
昨年10月の全日本大学女子駅伝後、12月の富士山女子駅伝に向けて約2ヵ月間、通算4度目となるレンタルをしたのは、ケガをしていた野田の早期回復を期待してのことだった。結果的に野田は大事を取って富士山を回避したものの、松尾順菜コーチは「2ヵ月間で、野田以外に大きなケガが出なかったのは、酸素ルームを継続的に使えたからだと思います」と話す。チームとしてはレンタル期間を延長し、『O2Room®』を2月いっぱい借りられることになったのを喜んでいる。
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『O2Room®』があることでトレーニングの幅が広がり、故障者も減ったと話す松尾順菜コーチ(左)と原田隆弘コーチ[/caption]
最強世代と言われ、大きな期待を背負って3年前に入学してきた野田、平尾、相場、ワンジルらは4月に最終学年を迎える。それぞれに個人目標はあるが、チームとしての目標はただ1つ、駅伝での日本一だ。
野田と相場が「2026年は大学ラストシーズン。優勝を全員でしっかりつかみ取りたい」と口を揃えれば、平尾は「先輩方の悔しい思いを背負って私たちの代で必ず優勝して、大東大の歴史を変えたいです」と力を込める。
全日本や富士山で常に上位にいながら、悲願の頂点にあと一歩届いていない大東大。〝酸素の力〟も取り入れながら勝負をかける2026年シーズンが始まった。
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大東大女子長距離ブロックを牽引する3年生の主力メンバーは「私たちの代で必ず優勝したい」と口を揃え、悲願の駅伝日本一に挑む[/caption]
文/小野哲史、撮影/樋口俊秀
※この記事は『月刊陸上競技』2026年3月号に掲載しています
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