◇天皇賜盃第94回日本学生対校選手権(6月5日~8日/岡山・JFE晴れの国スタジアム)4日目
学生日本一を決める日本インカレの4日目が行われ、男子200mは史上初の同着2名チャンピオンが誕生した。
コーナーを抜けた時にピッチを生かして大橋明翔(環太平洋大)がトップに立つと、佐々木清翔(岩手大)が得意のコーナリングで並びかける。ほぼ並んだところでフィニッシュ。佐々木は勢い余って転倒した。
大型モニターになかなか結果が表示されない。しばらくすると、佐々木の名が出て、大橋が続いた。着順はともに「1」。20秒90(-0.3)の同着優勝に会場がどよめいた。中国地区、東北地区の優勝は初めてとなる。
大橋は「1番を目指していたので、2番目に表示された時は悔しかったです。1着になって、本当に一杯いっぱいでしたがしっかり戦えて良かったです」と笑顔を見せる。
一方の佐々木は「資格記録はトップでしたが、経験で劣るので優勝できると思っていませんでした」と自身も驚きの優勝だった。
大橋は2年時にの日本インカレでは200mの前の4×100mリレーで腰を痛め、分離症を発症。「10ヵ月走れなくて辞めようと思ったこともありますが、支えてくれるチームメイトや監督、親がいたので頑張れました」。地元の大声援に「いつも以上に力が入ったので、自分も力が入りました」と笑顔を見せる。決勝については「コーナーを抜けてからは自分が一番だという自信がありました」と堂々と駆け抜けた。
佐々木は「最後に勝ちきれなかったのは自分の弱さ。良くを言えば1人で1位が良かった」と話す。後半に抜け出した後は「いろんな選手が(横目に)見えて力んでしまった」と振り返る。
ともに日本選手権に出場予定。「準決勝、決勝と進みたい」と口をそろえ、さらなる飛躍を誓った。
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