HOME 学生長距離

2025.02.16

最後の箱根路/地道な努力でつかんだ青学大・白石光星 感謝のラストラン「走れて光栄でした」
最後の箱根路/地道な努力でつかんだ青学大・白石光星 感謝のラストラン「走れて光栄でした」

最後で出走のチャンスをつかんだ青学大・白石光星

第101回箱根駅伝で力走した選手たちがいる。勝利の栄光で日の目を見た選手以外にもそれぞれの思いを胸に秘め、必死でタスキをつないだ。毎年行われる箱根路でも「第101回」は一度のみ。そんな“最後”の舞台を駆け抜けた選手たちの奮闘を紹介する。

初の三大駅伝で訪れた試練

2015年の初優勝以降、青学大は毎年のように優勝候補に挙がる強力なチームを作り続けてきた。その中で、最終学年にして、初めての箱根出走となる選手も決して少なくはない。

広告の下にコンテンツが続きます

今回、同じようにラストチャンスをものにし、箱根路を駆け抜けたのが7区を走った白石光星(4年)だった。

宮城・東北高から青学大に進学した白石。1年目の5月に、5000mで14分03秒59の自己新を出すと、11月には10000mで、初レースながら28分49秒65をマーク。三大駅伝メンバーには絡めなかったが、着々と力をつけていく。

そして、2年目の全日本大学駅伝。三大駅伝初出走を果たす。だが、2区16位と失速し、2位から13位まで順位を落とす悔しい駅伝デビューとなった。

「あの時は本当に落ち込んで、もうこれで競技人生を終わりにしようかなとも考えました」

そんなどん底を味わった白石を、当時主将だった宮坂大器(現・ヤクルト)やエース格の岸本大紀(現・GMOインターネットグループ)ら4年生が支えてくれた。

さらに、「同期からも、『まだやれる』とずっと言ってくれて立ち直れた」。その1週間後には、本来は全日本の出走メンバー外の選手にとって重要な選考会となる宮古サーモンハーフマラソンに異例の出場。1時間4分02秒でチーム内5番手に入る力走で再出発を切った。

第101回箱根駅伝で力走した選手たちがいる。勝利の栄光で日の目を見た選手以外にもそれぞれの思いを胸に秘め、必死でタスキをつないだ。毎年行われる箱根路でも「第101回」は一度のみ。そんな“最後”の舞台を駆け抜けた選手たちの奮闘を紹介する。

初の三大駅伝で訪れた試練

2015年の初優勝以降、青学大は毎年のように優勝候補に挙がる強力なチームを作り続けてきた。その中で、最終学年にして、初めての箱根出走となる選手も決して少なくはない。 今回、同じようにラストチャンスをものにし、箱根路を駆け抜けたのが7区を走った白石光星(4年)だった。 宮城・東北高から青学大に進学した白石。1年目の5月に、5000mで14分03秒59の自己新を出すと、11月には10000mで、初レースながら28分49秒65をマーク。三大駅伝メンバーには絡めなかったが、着々と力をつけていく。 そして、2年目の全日本大学駅伝。三大駅伝初出走を果たす。だが、2区16位と失速し、2位から13位まで順位を落とす悔しい駅伝デビューとなった。 「あの時は本当に落ち込んで、もうこれで競技人生を終わりにしようかなとも考えました」 そんなどん底を味わった白石を、当時主将だった宮坂大器(現・ヤクルト)やエース格の岸本大紀(現・GMOインターネットグループ)ら4年生が支えてくれた。 さらに、「同期からも、『まだやれる』とずっと言ってくれて立ち直れた」。その1週間後には、本来は全日本の出走メンバー外の選手にとって重要な選考会となる宮古サーモンハーフマラソンに異例の出場。1時間4分02秒でチーム内5番手に入る力走で再出発を切った。

こだわり続けたジョグの量と質

その後は、駅伝出走は叶わなかったが、個人の自己記録は着々と更新。特に「チーム1」とも言われる練習量にはこだわりを持って、泥臭く取り組んできた。 「同期はどちらかというと天才型で、レースで走れてしまう。僕は凡人なので、長距離の基本であるジョグの量と質を極めてきました」 その努力が花開き、4月に5000mで13分44秒25をマーク。駅伝シーズンでは、因縁の全日本で2年ぶりに出走を果たし、6区2位。その後、10000mで28分21秒57の自己新を出し、悲願の箱根出走を勝ち取った。 迎えた最初の最後の箱根路では、卒業後も同じ実業団(住友電工)に進む6区・野村昭夢(4年)のスーパー区間新に触発され、「スタートから気持ちが最高潮になってしまった」。 序盤は区間新ペースで快調な走りを見せたが、ややペースを落とし、1時間3分10秒で区間9位の走りとなった。 「序盤は抑えて、15㎞からペースアップを考えていましたけど、2分50秒を切るペースで突っ込んでしまい、真逆のレースになってしまいました。終盤はとにかく我慢、我慢でしたが、(原晋)監督から、『練習はお前は一番してきた。自信を持って行け』と言われていたので、最後まで粘ることができました」 同区では、1時間0分43秒の区間新をマークした駒大・佐藤圭汰(3年)の猛追を受けるかたちとなったが、首位を堅持した。 「悔いも残る走りでしたが、最後に走ることができて光栄でした。苦しい時にチームメイト一人ひとりの顔を思い出して、感謝を噛みしめながら走りきれたと思います。優勝できたので、最後はオールオッケーですね」。 努力が結果に結びつかない時があっても、仲間を信じ、自分を信じて貫いてきた力が結実した瞬間。原監督が常々語る、「最後は4年生の力。泥臭く継続していけば、最後は花が開くのが青学大の強さ」という言葉を、改めて実感させられるラストランだ。 すべてをやりきった白石のその表情は実に晴れやかなものだった。 [caption id="attachment_127554" align="alignnone" width="800"] レース前から笑顔を浮かべていた白石[/caption] 白石光星(しらいし・こうせい:青学大)/2002年6月23日生まれ。宮城県仙台市出身。東北高卒。自己ベストは5000m13分44秒25、10000m28分21秒57、ハーフ1時間2分52秒。 文/田中 葵

次ページ:

ページ: 1 2

       

RECOMMENDED おすすめの記事

    

Ranking 人気記事ランキング 人気記事ランキング

         

Latest articles 最新の記事

2026.02.06

パリ五輪女子棒高跳銅のニューマンが居場所義務違反で資格停止 本人はSNSで反論

世界陸連(WA)の独立不正調査機関「アスレティックス・インテグリティ・ユニット(AIU)」は2月4日、女子棒高跳でパリ五輪銅メダルを獲得したA.ニューマン(カナダ)に対し、居場所情報関連義務違反により暫定資格停止処分を科 […]

NEWS 男子砲丸投世界記録保持者・クラウザー ロス五輪開催の2028年に引退の意向

2026.02.06

男子砲丸投世界記録保持者・クラウザー ロス五輪開催の2028年に引退の意向

男子砲丸投世界記録保持者のライアン・クラウザー(米国)が、ロサンゼルス五輪が開催される2028年シーズンをもって現役を引退する意向であることが、現地メディアで報じられた。 現在33歳のクラウザーは、2021年に当時の世界 […]

NEWS アジア室内選手権が6日から開幕! 秋のアジア大会見据え桐生祥秀、田中希実らが参戦 中国勢も精鋭が出場予定

2026.02.06

アジア室内選手権が6日から開幕! 秋のアジア大会見据え桐生祥秀、田中希実らが参戦 中国勢も精鋭が出場予定

◇第12回アジア室内選手権(中国・天津/2月6日~8日) アジア室内選手権が2月6日から3日間の日程で、中国・天津で行われる。トラック&フィールド種目では、昨年9月の東京世界選手権以来となる国際選手権大会であり、今大会に […]

NEWS 安川電機の助川拓海、笠原大輔が現役引退 IH5000m2連覇のモゲニも

2026.02.06

安川電機の助川拓海、笠原大輔が現役引退 IH5000m2連覇のモゲニも

安川電機は2月5日、所属する助川拓海、笠原大輔、マゴマ・ベルエヌ・モゲニの3選手が現役を退くことを発表した。 3人はともに23年に入社。茨城県出身の助川は、水城高でインターハイ5000mや全国高校駅伝、都道府県対抗駅伝に […]

NEWS 【大会結果】第12回アジア室内選手権(2026年2月6日~8日)

2026.02.05

【大会結果】第12回アジア室内選手権(2026年2月6日~8日)

【大会結果】第12回アジア室内選手権(2026年2月6日~8日/中国・天津) 男子 60m 金 銀 銅 [日本代表] 桐生祥秀(日本生命) 守祐陽(大東大) 400m 金 銀 銅 [日本代表] 佐藤風雅(ミズノ) 800 […]

SNS

Latest Issue 最新号 最新号

2026年2月号 (1月14日発売)

2026年2月号 (1月14日発売)

EKIDEN Review
第102回箱根駅伝
ニューイヤー駅伝
全国高校駅伝
全国中学校駅伝
富士山女子駅伝

page top