HOME 高校

2024.12.22

王者・佐久長聖が堂々たるV!「連覇を目指す」強き思いで大牟田、仙台育英突き放す/全国高校駅伝
王者・佐久長聖が堂々たるV!「連覇を目指す」強き思いで大牟田、仙台育英突き放す/全国高校駅伝

24年全国高校駅伝男子優勝の長野・佐久長聖(7区石川 浩輝)

◇全国高校駅伝・男子(12月22日/京都・京都市たけびしスタジアム京都発着:7区間42.195km)

全国高校駅伝の男子が行われ、佐久長聖(長野)が2時間1分33秒で2年連続4回目の優勝を飾った。

広告の下にコンテンツが続きます

チーム初の連覇は苦しく、だが王者の底力を大いに示す継走でつかみ取った。

1区はエース・濵口大和(3年)。U20世界選手権に出場した世代を代表するランナーだが、八千代松陰(千葉)の鈴木琉胤(3年)に39秒差をつけられる4位と、思わぬ出足となる。

それでも、5000m13分台ランナーの2区・松山優太(3年)で2位に押し上げると、佐久長聖もう1人のエース・佐々木哲(3年)が流れを引き寄せる。

前回は5区で51年ぶり区間新。今季はインターハイ3000m障害優勝、U20世界選手権出場など力をつけた佐々木は、八千代松陰との36秒差を徐々に追い上げ、残り1kmで逆転。さらに10秒のリードを奪う区間日本人歴代9位タイの23分38秒で駆け抜けた。

広告の下にコンテンツが続きます

ただ、連覇への道はここからも簡単ではなかった。4区の篠和真(3年)が仙台育英(宮城)、大牟田(福岡)の猛追を受け、中継では仙台育英にトップの座を譲る。

5区の酒井崇史(2年)は区間2位、6区の岸端悠友(3年)は区間賞と力走しながらも、中継手前で大牟田に競り負ける展開が続いた。

だが、王者は揺るがなかった。2秒差でタスキを受けたアンカー・石川浩輝(3年)がすぐさま大牟田に追いつくと、1km過ぎからは前に出る。そして、3.5kmで勝負を決定づけるスパートを放つと、そのままリードを広げてVテープに飛び込んだ。

見守った高見澤勝監督は、勝因に「連覇」への強い想いを挙げる。選手たちは気持ちを前面に出した走りで粘り、中継で前を譲っても常に僅差でとどめる力走をこう称えた。

「今年は接戦と事前に話していて、とにかく『競り勝てるように』と伝えてきました。最後の競り合いで頑張れたことが一番。子供たちの連覇への想いが強かったからこそ」

前回、2時間1分00秒の高校最高記録、大会新記録を打ち立てて3度目の優勝を飾るなど、名実ともに高校長距離界の頂点に立った。

新チームを立ち上げに際して、主将に就任した濵口が「連覇を目指そう」と目標を掲げたという。そこからの1年は、「うまくいかないこともあった」と石川は振り返るが、濵口は「周りの人から声をかけてくれて、プレッシャーにはなったけど、それに応えたい気持ちが日に日に強くなりました」。周囲の支えとともに、チームは少しずつ力をつけていった。

史上10校目、チーム初となる偉業を成し遂げた選手たちに「素晴らしい走りをしてくれました」と高見澤監督は最大級の賛辞を送った。

午前中の女子は長野東が2年ぶりに制し、長野勢として初の男女も達成。雪混じる都大路は、歴史を刻む1日となった。

◇全国高校駅伝・男子(12月22日/京都・京都市たけびしスタジアム京都発着:7区間42.195km) 全国高校駅伝の男子が行われ、佐久長聖(長野)が2時間1分33秒で2年連続4回目の優勝を飾った。 チーム初の連覇は苦しく、だが王者の底力を大いに示す継走でつかみ取った。 1区はエース・濵口大和(3年)。U20世界選手権に出場した世代を代表するランナーだが、八千代松陰(千葉)の鈴木琉胤(3年)に39秒差をつけられる4位と、思わぬ出足となる。 それでも、5000m13分台ランナーの2区・松山優太(3年)で2位に押し上げると、佐久長聖もう1人のエース・佐々木哲(3年)が流れを引き寄せる。 前回は5区で51年ぶり区間新。今季はインターハイ3000m障害優勝、U20世界選手権出場など力をつけた佐々木は、八千代松陰との36秒差を徐々に追い上げ、残り1kmで逆転。さらに10秒のリードを奪う区間日本人歴代9位タイの23分38秒で駆け抜けた。 ただ、連覇への道はここからも簡単ではなかった。4区の篠和真(3年)が仙台育英(宮城)、大牟田(福岡)の猛追を受け、中継では仙台育英にトップの座を譲る。 5区の酒井崇史(2年)は区間2位、6区の岸端悠友(3年)は区間賞と力走しながらも、中継手前で大牟田に競り負ける展開が続いた。 だが、王者は揺るがなかった。2秒差でタスキを受けたアンカー・石川浩輝(3年)がすぐさま大牟田に追いつくと、1km過ぎからは前に出る。そして、3.5kmで勝負を決定づけるスパートを放つと、そのままリードを広げてVテープに飛び込んだ。 見守った高見澤勝監督は、勝因に「連覇」への強い想いを挙げる。選手たちは気持ちを前面に出した走りで粘り、中継で前を譲っても常に僅差でとどめる力走をこう称えた。 「今年は接戦と事前に話していて、とにかく『競り勝てるように』と伝えてきました。最後の競り合いで頑張れたことが一番。子供たちの連覇への想いが強かったからこそ」 前回、2時間1分00秒の高校最高記録、大会新記録を打ち立てて3度目の優勝を飾るなど、名実ともに高校長距離界の頂点に立った。 新チームを立ち上げに際して、主将に就任した濵口が「連覇を目指そう」と目標を掲げたという。そこからの1年は、「うまくいかないこともあった」と石川は振り返るが、濵口は「周りの人から声をかけてくれて、プレッシャーにはなったけど、それに応えたい気持ちが日に日に強くなりました」。周囲の支えとともに、チームは少しずつ力をつけていった。 史上10校目、チーム初となる偉業を成し遂げた選手たちに「素晴らしい走りをしてくれました」と高見澤監督は最大級の賛辞を送った。 午前中の女子は長野東が2年ぶりに制し、長野勢として初の男女も達成。雪混じる都大路は、歴史を刻む1日となった。

次ページ:

       

RECOMMENDED おすすめの記事

    

Ranking 人気記事ランキング 人気記事ランキング

Latest articles 最新の記事

2025.12.22

佐久長聖1年の橋本蒼平が5000m14分30秒50でトップ/SGH文スポ チャレンジ

12月23日、滋賀県守山市のSGホールディングスグループ陸上競技場で令和7年度SGH文スポ チャレンジ競技会が開催された。 同大会は主に前日の全国高校駅伝(男子)に出場した学校のうち、出走できなかった選手たちを中心に参加 […]

NEWS 箱根駅伝Stories/継続中最長シード・東洋大 激動のシーズンに高まる結束力 2年生世代が台頭

2025.12.22

箱根駅伝Stories/継続中最長シード・東洋大 激動のシーズンに高まる結束力 2年生世代が台頭

新春の風物詩・第102回箱根駅伝に挑む選手やチームを取り上げる「箱根駅伝Stories」。学生三大駅伝最終決戦に向かうそれぞれの歩みや思いを紹介する。 「チームのために走る」 20年連続で箱根駅伝のシード権を守り続けてい […]

NEWS 箱根駅伝Stories/悔しさを味わってきた東農大・原田洋輔 「がっつり爪痕を残したい」 地元・戸塚で貢献を

2025.12.22

箱根駅伝Stories/悔しさを味わってきた東農大・原田洋輔 「がっつり爪痕を残したい」 地元・戸塚で貢献を

新春の風物詩・第102回箱根駅伝に挑む選手やチームを取り上げる「箱根駅伝Stories」。学生三大駅伝最終決戦に向かうそれぞれの歩みや思いを紹介する。 身近にあった箱根駅伝 10月の箱根駅伝予選会で東農大は6位を占め、2 […]

NEWS 箱根駅伝Stories/ハーフで強さ示してきた帝京大・島田晃希 「エース区間を走りたい」期待の“大器”最後の舞台へ

2025.12.22

箱根駅伝Stories/ハーフで強さ示してきた帝京大・島田晃希 「エース区間を走りたい」期待の“大器”最後の舞台へ

新春の風物詩・第102回箱根駅伝に挑む選手やチームを取り上げる「箱根駅伝Stories」。学生三大駅伝最終決戦に向かうそれぞれの歩みや思いを紹介する。 身近にあった箱根駅伝 この1年で帝京大の長距離種目の歴代記録がガラリ […]

NEWS 大学対校男女混合駅伝のアンバサダーに堀未央奈が就任!来年2月15日開催、22チーム出場

2025.12.22

大学対校男女混合駅伝のアンバサダーに堀未央奈が就任!来年2月15日開催、22チーム出場

第6回全国大学対校男女混合駅伝の大会要項が公開され、大会アンバサダーに元乃木坂46の堀未央奈さんが選ばれた。 堀さんは乃木坂46の2期生として加入し、『バレッタ』でセンターを務めるなど人気メンバーとして活躍。21年3月に […]

SNS

Latest Issue 最新号 最新号

2026年1月号 (12月12日発売)

2026年1月号 (12月12日発売)

箱根駅伝観戦ガイド&全国高校駅伝総展望
大迫傑がマラソン日本新
箱根駅伝「5強」主将インタビュー
クイーンズ駅伝/福岡国際マラソン
〔新旧男子100m高校記録保持者〕桐生祥秀×清水空跳

page top