◇パリ五輪・陸上競技(8月1日~11日/フランス・パリ)7日目
パリ五輪・陸上競技の7日目のイブニングセッションに男子3000m障害決勝が行われ、三浦龍司(SUBARU)が2大会連続入賞となる8位に食い込んだ。
「入賞はうれしいですし、ラストの競り合いでも辛抱強く粘ることができました。手応えはあったので悪いレースではなかったと思っています」。淡々と振り返るが、その表情は充実感で満ちあふれていた。
序盤から一気にレースが動くなか、「ワンテンポ遅らせて先頭集団にいったのは良い判断だったと思います」。そのまま前の争いを見据えつつ入賞ラインで推移する。毎回、水濠前にはグッとペースが上がり、またスローになるなど駆け引きがたっぷり。集団が固まった場面でも「リズムを崩すことなく進められました」と言う。
途中、前を行くランナーの転倒がありヒヤリとしたが何とか避けた。メダル争いの「分かれ目だった」残り500mでこぼれたが、ラスト300mでギアチェンジ。苦しくなった前のランナーをしっかり拾い上げ、8位に押し上げた。
ラストは後ろから迫られ、フィニッシュ直前にかわされた昨年のブダペスト世界選手権(6位)が「フラッシュバックした」が、「最後まで駆け抜けました」。難易度もこれまでにないほど高い展開に「サンショーの面白さ、難しさが詰まったレース。走っていて楽しかったです」と笑顔がこぼれた。
東京五輪より1つ順位は下がったが、満足度や充実感は「今回が一番ある」。それでも目指していたのはメダルで「やっぱり順位での悔しさはあります」とさらなる高みを見据えている。
これまで数々の金字塔を打ち立ててきた三浦。トラック個人種目の五輪2大会連続入賞は初の快挙だ。これまでの活躍で大好きな“サンショー”の知名度は間違いなく上がっている。来年は東京で世界選手権が控え、さらに魅力を伝える絶好のチャンスとなるだろう。
「自国開催の国際大会がまた巡ってくる。大きなチャンスと捉えています。もっと上の順位での入賞やさらに上で勝負できる選手になっていきたい」
小学生の頃から「将来は3000m障害で」と島根の関係者が期待を寄せられ、三浦もまた、サンショーに魅了された。
「この種目を究めたい」「世界一になりたい」
まだ22歳。静かな表情の内に秘める情熱で、世界の頂に立つまで挑戦を続けていく。
【動画】男子3000m障害8位入賞!三浦龍司の走りをcheck!
RECOMMENDED おすすめの記事
Ranking
人気記事ランキング
-
2025.11.16
2025.11.10
日本テレビ菅谷大介アナウンサーが死去 53歳 箱根駅伝のスタート、フィニッシュ実況も担当
-
2025.11.10
-
2025.11.14
-
2025.11.13
2025.10.18
【大会結果】第102回箱根駅伝予選会/個人成績(2025年10月18日)
2025.11.02
青学大が苦戦の中で3位確保!作戦不発も「力がないチームではない」/全日本大学駅伝
-
2025.10.18
2022.04.14
【フォト】U18・16陸上大会
2021.11.06
【フォト】全国高校総体(福井インターハイ)
-
2022.05.18
-
2023.04.01
-
2022.12.20
-
2023.06.17
-
2022.12.27
-
2021.12.28
Latest articles 最新の記事
2025.11.16
鳥取城北2時間3分41秒の大会新 女子は倉敷4年ぶりV 地区代表は広島国際学院11年ぶり&世羅20年連続/中国高校駅伝
全国高校駅伝の地区代表出場権を懸けた中国高校駅伝は11月16日、広島県三次市のみよし運動公園陸上競技場を発着点するコースで行われ、男子(7区間42.195km)は鳥取城北(鳥取)が2時間3分41秒の大会新で制した。女子( […]
2025.11.16
熊橋弘将が2時間11分45秒で日本勢最高 女子は初マラソンの酒井心希が3位 MGC出場権獲得ならず/神戸マラソン
神戸マラソン2025が11月16日、兵庫・神戸市役所前をスタートし、明石市大蔵海岸付近を折り返して、神戸ハーバーランド(神戸ガス燈通り)をフィニッシュとする42.195kmで行われ、男子はエリシャ・ロティッチ(ケニア)が […]
2025.11.16
國學院大のルーキー・野田顕臣がU20日本最高1時間1分29秒!「自分ができるところまでアピールを」/上尾ハーフ
第38回上尾シティハーフマラソンは11月16日、埼玉県上尾市内で行われ、大学生男子の部は青木瑠郁(國學院大)が1時間0分45秒の日本人学生歴代10位タイの好記録で優勝した。國學院大のルーキー・野田顕臣がU20日本最高記録 […]
2025.11.16
駒大・桑田駿介は積極レースで2位 伊勢路出走なく「箱根ではチームの役に立つ走りを」/上尾ハーフ
第38回上尾シティハーフマラソンは11月16日、埼玉県上尾市内で行われ、大学生男子の部は青木瑠郁(國學院大)が1時間0分45秒の日本人学生歴代10位タイの好記録で優勝した。桑田駿介(駒大)が3秒差の2位に入った。 強い覚 […]
2025.11.16
國學院大・青木瑠郁が1時間0分45秒で競り勝つ! 流れを戻すために「勝てたことが大きかった」/上尾ハーフ
第38回上尾シティハーフマラソンは11月16日、埼玉県上尾市内で行われ、大学生男子の部は青木瑠郁(國學院大)が1時間0分45秒の日本人学生歴代10位タイの好記録で優勝した。 風がなく、気温が上がり切る前にスタートしたレー […]
Latest Issue
最新号
2025年12月号 (11月14日発売)
EKIDEN REVIEW
全日本大学駅伝
箱根駅伝予選会
高校駅伝&実業団駅伝予選
Follow-up Tokyo 2025