2023.12.25
第100回大会を迎える箱根駅伝を前に、特別な思いを持つ著名人の方々にインタビューした。NGT48に所属していた頃に“駅伝好きアイドル”として、陸上界でも知られるようになった西村菜那子さん。グループ卒業後も舞台でも活躍する一方、駅伝関連の仕事も多数こなす。駅伝を好きになったきっかけと、100回大会の見どころを聞いた。
印象に残る柏原竜二、服部翔大
――何度もお話されていると思いますが、箱根駅伝を見るようになったきっかけを改めて教えてください。
西村 元々、両親が好きでいつもテレビで流れていました。中学1年の時に箱根駅伝をちゃんと見たのですが、東洋大の柏原竜二さんが走られていて、こんなに山をスイスイと走る人がいんだって衝撃を受けました。
その時は往路だけを見たのですが、翌日、ニュースを見たら映っていたのは早稲田大。あんなに速い選手がいるのに順位が変わるんだなって。そこでおもしろさを感じたんです。都道府県対抗駅伝ではライバルだった選手がチームメイトになったり、その逆もあったり。
翌年は往路・復路を見て、いつの間に出雲駅伝、全日本大学駅伝も見て、気づいたら高校生、実業団、記録会にも手を出していました(笑)。
――やはり思い出の選手というのは柏原さん?
西村 きっかけを与えてくださったのは柏原さんです。当時はSNSをやっている選手も少ないなか、柏原さんのツイートを見たくてアカウントを作ったくらい。箱根駅伝に引き込んでくれた人です。
今は伝える側になられていますが、質問の仕方などすごく勉強させていただいています。お仕事でご一緒することもありますし、人生相談にも乗ってくださいます。ありがたい存在です。
好きになるきっかけが柏原さんなら、駅伝ファンになってから一番印象に残っているのは日体大の服部翔大さんです。第88回(2012年)で19位となってシード落ちした後、服部さんが3年生でキャプテンをされたんです。箱根駅伝予選会をトップ通過して、本大会でも5区を走って30年ぶりの総合優勝。この流れが本当にすごいです! その翌年にはお父様を亡くされて、それでも仲間を鼓舞したり…。

印象に残るシーンに挙げる2013年5区の服部翔大(日体大)
調べれば調べるほど、選手それぞれに物語があるのも魅力の一つです。高校の時は全国区でなかった選手が活躍したり、羽生拓矢選手のように苦しんだ後に活躍したり。選手の人生の一部をのぞけるのも興味深いです。
――印象に残っているシーンはありますか。
西村 たくさんあって絞れないですが……。2019年(第95回)のフィニッシュシーンです。5連覇が懸かった青学大が東海大に負けて2位だったんですが、青学大の鈴木塁人選手が笑顔でフィニッシュしていて、待っている選手もみんな笑顔。負けても笑顔なのが青学大らしさ、学生駅伝らしさだなって。素敵でした。
これも同じ大会ですが、5区で國學院大の浦野雄平選手と駒大の伊東颯汰選手が競り合っている時に、当時・駒大の大八木弘明監督がライバル校の浦野選手に声をかけるシーンはおもしろかったです。「浦野! 人の後ろにばっかりいたらダメなんだ!お前が引っ張れ!」って(笑)。大八木監督と國學院大の前田康弘監督も師弟という関係があるのもおもしろいですよね。
印象に残る柏原竜二、服部翔大
――何度もお話されていると思いますが、箱根駅伝を見るようになったきっかけを改めて教えてください。 西村 元々、両親が好きでいつもテレビで流れていました。中学1年の時に箱根駅伝をちゃんと見たのですが、東洋大の柏原竜二さんが走られていて、こんなに山をスイスイと走る人がいんだって衝撃を受けました。 その時は往路だけを見たのですが、翌日、ニュースを見たら映っていたのは早稲田大。あんなに速い選手がいるのに順位が変わるんだなって。そこでおもしろさを感じたんです。都道府県対抗駅伝ではライバルだった選手がチームメイトになったり、その逆もあったり。 翌年は往路・復路を見て、いつの間に出雲駅伝、全日本大学駅伝も見て、気づいたら高校生、実業団、記録会にも手を出していました(笑)。 ――やはり思い出の選手というのは柏原さん? 西村 きっかけを与えてくださったのは柏原さんです。当時はSNSをやっている選手も少ないなか、柏原さんのツイートを見たくてアカウントを作ったくらい。箱根駅伝に引き込んでくれた人です。 今は伝える側になられていますが、質問の仕方などすごく勉強させていただいています。お仕事でご一緒することもありますし、人生相談にも乗ってくださいます。ありがたい存在です。 好きになるきっかけが柏原さんなら、駅伝ファンになってから一番印象に残っているのは日体大の服部翔大さんです。第88回(2012年)で19位となってシード落ちした後、服部さんが3年生でキャプテンをされたんです。箱根駅伝予選会をトップ通過して、本大会でも5区を走って30年ぶりの総合優勝。この流れが本当にすごいです! その翌年にはお父様を亡くされて、それでも仲間を鼓舞したり…。 [caption id="attachment_124514" align="alignnone" width="800"]
印象に残るシーンに挙げる2013年5区の服部翔大(日体大)[/caption]
調べれば調べるほど、選手それぞれに物語があるのも魅力の一つです。高校の時は全国区でなかった選手が活躍したり、羽生拓矢選手のように苦しんだ後に活躍したり。選手の人生の一部をのぞけるのも興味深いです。
――印象に残っているシーンはありますか。
西村 たくさんあって絞れないですが……。2019年(第95回)のフィニッシュシーンです。5連覇が懸かった青学大が東海大に負けて2位だったんですが、青学大の鈴木塁人選手が笑顔でフィニッシュしていて、待っている選手もみんな笑顔。負けても笑顔なのが青学大らしさ、学生駅伝らしさだなって。素敵でした。
これも同じ大会ですが、5区で國學院大の浦野雄平選手と駒大の伊東颯汰選手が競り合っている時に、当時・駒大の大八木弘明監督がライバル校の浦野選手に声をかけるシーンはおもしろかったです。「浦野! 人の後ろにばっかりいたらダメなんだ!お前が引っ張れ!」って(笑)。大八木監督と國學院大の前田康弘監督も師弟という関係があるのもおもしろいですよね。
記念すべき100回目「選手以外も見てほしい」
――箱根駅伝は100回目を迎えます。“100”を感じることはありますか。 西村 今年はお仕事で予選会に行かせていただいたのですが、今回は関東学連以外のチームも出場しました。そういった大学が参加したり、応援が来たりしているのを見て、100回目だなぁって。 予選会に行くと、こんなに多くの大学が箱根駅伝を目指しているんだなって目の当たりにします。シード10校を除いてもこれだけいる。箱根駅伝は20数チームじゃないんだなって。そう考えると、チームとして出場するのも難しいし、その中で10人に入るのは本当に大変なこと。簡単にブレーキだ、とか、失速、なんて言えないですよね。 ――100回記念大会の戦力図はどうでしょう。 西村 トラックシーズン、2つの駅伝含めて、駒大が強すぎます!! 前回5区の山川拓馬選手、6区の伊藤蒼唯選手を平地に回せそうなくらい力をつけてきましたよね。注目は庭瀬俊輝選手! これまでほとんど同じ選手層でエントリーしてきた中で、上尾ハーフマラソン2位と調子を上げて食い込みました。赤星雄斗選手も応援しています。テレビの収録で寮におじゃましたときに、同部屋の山川選手が「こんなに優しい人は見たことがない」と言っていたくらいの性格で控えめなんです。 2位争いはシンプルに、青学大、中大、國學院大が抜けていて、青学大が少し優位だと思います。ただ、往路優勝争いなら話が違ってきます。往路は駒大、城西大、創価大だと予想します。城西大と創価大には留学生と強い5区がいます。創価大の吉田響選手は“山の神”になると思います! ここに全日本の序盤で健闘した早大も争いに加わると思います。大東大も少し前の青学大のような雰囲気で、自己ベスト連発で勢いがありますよね。18年連続シードの東洋大は19年連続なるか。勢力図の変動が激しい中でここまでシード権を続けていること自体がすごいことですよね。 [caption id="attachment_124513" align="alignnone" width="800"]
今年の注目チーム・選手なども細かくノートにメモする[/caption]
――箱根駅伝の「こういうところを見てほしい!」というポイントはありますか。
西村 走路補助員をしている選手のことを見てほしいなって思います。箱根駅伝を走れなかった大学の選手たちが補助員をしているのですが、私の母が沿道で観戦した時に、コースに背を向けて涙を流していたそうなんです。きっと走りたかったんだろうなって。母は名前も何も聞かなかったですが一緒に写真を撮ったそうで、「一生懸命、これから頑張ります」と言ってくれたそうです。
走る選手がメインなのはもちろんですが、給水をする選手やサポートに回る選手、補助員など、そういった方々にも注目していただけたら駅伝ファンとしてうれしいです!
――最後に選手へメッセージをお願いします。
西村 100回目の箱根駅伝を走るみなさんは、生まれ持った才能、そして「運がいい」という才能を持っている方々だと思います。だからこそ、素晴らしい箱根駅伝を作り上げるのは間違いないと思います。走るだけですごいこと。自信を持っていただきたいです。応援しています!
にしむら・ななこ/1997年8月11日生まれ、O型。長野県出身。特技はクラシックバレエ、歴代の箱根駅伝の優勝校を言える。趣味は陸上観戦、サッカー観戦。2015年にNGT48第1期生オーディションに合格。両親の影響で幼い頃から駅伝を好きになる。22年9月にグループを卒業し、ソロとして活躍中。自らのメディア『西村駅伝』を立ち上げて選手たちを取材。来年3月に初のソロ写真集『ひと息ついて』を発売する。
文/向永拓史 RECOMMENDED おすすめの記事
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