HOME 学生長距離

2023.12.05

【Playback箱根駅伝】第10回/記念すべき最初の“節目”壮絶な明大・早大の優勝争いは8区の大逆転で明大がV2
【Playback箱根駅伝】第10回/記念すべき最初の“節目”壮絶な明大・早大の優勝争いは8区の大逆転で明大がV2

第10回箱根駅伝を制した明大

2024年に箱根駅伝は第100回大会を迎える。記念すべき100回に向けて、これまでの歴史を改めて振り返る『Playback箱根駅伝』を企画。第1回大会から第99回大会まで、大会の様子を刻んでいく。(所属などは当時のもの)

第10回(1929年/昭和4年)
熾烈な明大・早大の争いは復路で大逆転劇

最初の“節目”となる10回目は、前回出場校のうち、関大を除いた9校が出場した。1区では東京高師の横川隆範が区間記録を2分27秒上回る区間賞。2位の中大に2分11秒差をつける独走劇だった。

2区以降は連覇を狙う明大と2年ぶりの優勝を目指す早大が激しく争う。1区を5位で終えた早大は窪田正克が区間2位と好走して先頭に立ち、明大も4位から2位に順位を上げた。

広告の下にコンテンツが続きます

3区では明大の光田博が区間2位ながら従来の区間記録を更新する走りで早大を逆転。4区の小島道雄も区間賞を獲得してリードを1分6秒から1分54秒に広げた。5区では早大の藤木勲が力走。中距離選手ながらも箱根の山を力強く駆け上って明大を交わすと、トップで箱根郵便局前にフィニッシュ。前回9区区間賞の藤木が2年連続区間賞で2位の明大に3分13秒差をつけた。

早大は6区でも鈴木憲雄が区間新。明大との差を5分17秒に広げる。しかし、7区の角谷保次が区間6位と苦戦。それでも3分41秒のリードを保っていた。ところが8区で大逆転劇が起こる。明大の北角昌利が早大の久山猛を猛追。北角は遊行寺の坂で久山を追い詰めると、戸塚の松並木で引き離す。区間新記録をマークして早大に2分58秒差をつけた。

明大は9区の村上讃、10区の権泰夏も堅実な走りを見せて2年連続5回目の総合優勝を達成。総合記録は13時間32分50秒で、前年樹立した大会記録を22分以上も更新した。早大は2分26秒差で2年連続の2位。日本歯科医専は2年連続の最下位に終わったが、10区の鈴木喜政が1時間15分01秒の区間新記録をマークして意地を見せた。

参考文献:箱根駅伝90回記念誌(関東学生連盟)

2024年に箱根駅伝は第100回大会を迎える。記念すべき100回に向けて、これまでの歴史を改めて振り返る『Playback箱根駅伝』を企画。第1回大会から第99回大会まで、大会の様子を刻んでいく。(所属などは当時のもの)

第10回(1929年/昭和4年) 熾烈な明大・早大の争いは復路で大逆転劇

最初の“節目”となる10回目は、前回出場校のうち、関大を除いた9校が出場した。1区では東京高師の横川隆範が区間記録を2分27秒上回る区間賞。2位の中大に2分11秒差をつける独走劇だった。 2区以降は連覇を狙う明大と2年ぶりの優勝を目指す早大が激しく争う。1区を5位で終えた早大は窪田正克が区間2位と好走して先頭に立ち、明大も4位から2位に順位を上げた。 3区では明大の光田博が区間2位ながら従来の区間記録を更新する走りで早大を逆転。4区の小島道雄も区間賞を獲得してリードを1分6秒から1分54秒に広げた。5区では早大の藤木勲が力走。中距離選手ながらも箱根の山を力強く駆け上って明大を交わすと、トップで箱根郵便局前にフィニッシュ。前回9区区間賞の藤木が2年連続区間賞で2位の明大に3分13秒差をつけた。 早大は6区でも鈴木憲雄が区間新。明大との差を5分17秒に広げる。しかし、7区の角谷保次が区間6位と苦戦。それでも3分41秒のリードを保っていた。ところが8区で大逆転劇が起こる。明大の北角昌利が早大の久山猛を猛追。北角は遊行寺の坂で久山を追い詰めると、戸塚の松並木で引き離す。区間新記録をマークして早大に2分58秒差をつけた。 明大は9区の村上讃、10区の権泰夏も堅実な走りを見せて2年連続5回目の総合優勝を達成。総合記録は13時間32分50秒で、前年樹立した大会記録を22分以上も更新した。早大は2分26秒差で2年連続の2位。日本歯科医専は2年連続の最下位に終わったが、10区の鈴木喜政が1時間15分01秒の区間新記録をマークして意地を見せた。 参考文献:箱根駅伝90回記念誌(関東学生連盟)

第10回箱根駅伝総合成績をチェック

●総合成績 1位 明大 13時間32分50秒 2位 早大 13時間35分16秒 3位 日大 13時間55分00秒 4位 東農大 13時間55分41秒 5位 法大 14時間01分08秒 6位 東京高師 14時間09分31秒 7位 中大 14時間23分37秒 8位 慶大 14時間38分12秒 9位 日本歯科医専 14時間46分14秒 ●区間賞 1区 横川隆範(東京高師) 1時間19分05秒 2区 間島信貞(法大) 1時間13分39秒 3区 曽根茂(日大) 1時間17分22秒 4区 小島道雄(明大) 1時間17分26秒 5区 藤木勲(早大) 1時間42分38秒 6区 鈴木憲雄(早大) 1時間25分11秒 7区 森豊彦(法大) 1時間15分33秒 8区 北角昌利(明大) 1時間15分02秒 9区 早瀬道雄(日大) 1時間12分55秒 10区 鈴木喜政(日本歯科) 1時間15分01秒

次ページ:

ページ: 1 2

       

RECOMMENDED おすすめの記事

    

Ranking 人気記事ランキング 人気記事ランキング

Latest articles 最新の記事

2025.12.09

中大が来春の新入生を発表!長距離は栗村凌、簡子傑ら U20東アジア選手権代表・後藤大輔も進学

中大男子陸上部は12月9日、来春入学となるスポーツ推薦試験の合格者20人を発表した。 長距離ブロックでは広島インターハイ5000m3位で、高校歴代歴代8位の13分34秒38を持つ栗村凌(学法石川高・福島)が合格。栗村は昨 […]

NEWS 富士山女子駅伝のエントリー発表! 2冠目指す城西大は兼子心晴、金子陽向らが登録 大東大は野田真理耶がメンバー外

2025.12.09

富士山女子駅伝のエントリー発表! 2冠目指す城西大は兼子心晴、金子陽向らが登録 大東大は野田真理耶がメンバー外

全日本大学女子選抜駅伝(富士山女子駅伝)の主催者は、12月30日に行われる大会のエントリー選手を発表した。 10月の全日本で25年ぶりの優勝を果たした城西大は、区間賞を獲得した兼子心晴(4年)、金子陽向(4年)、本間香( […]

NEWS 鹿児島銀行・宇都ひなたと坂口日菜子が退部 「応援のお陰で苦しいときも乗り越えられた」

2025.12.09

鹿児島銀行・宇都ひなたと坂口日菜子が退部 「応援のお陰で苦しいときも乗り越えられた」

鹿児島銀行は12月8日、宇都ひなたと坂口日菜子が10月末に退部したことを発表した。 宇都は鹿児島・伊敷中から鹿児島高に進学し、3年時には1500mでインターハイに出場。卒業後はワコールに進み、1年目からクイーンズ駅伝に出 […]

NEWS ユニクロ女子陸上競技部が選手公募「日本一、そして世界へ羽ばたくランナーを募集」

2025.12.09

ユニクロ女子陸上競技部が選手公募「日本一、そして世界へ羽ばたくランナーを募集」

ユニクロ女子陸上競技部が、選手の一般公募を12月5日に開始した。 同社女子陸上競技部は1997年に創部。全日本実業団対抗女子駅伝(クイーンズ駅伝)には2003年に初出場。14年には7位に入った。 その後は浮き沈みを繰り返 […]

NEWS パロマ瑞穂スタジアムが2026年4月22日供用開始 6月には日本選手権開催、秋は名古屋アジア大会の会場

2025.12.09

パロマ瑞穂スタジアムが2026年4月22日供用開始 6月には日本選手権開催、秋は名古屋アジア大会の会場

愛知県名古屋市の瑞穂公園を管理する株式会社瑞穂LOOP-PFIは12月9日、建て替えを進めていたパロマ瑞穂スタジアム(瑞穂公園陸上競技場)が2026年4月22日に一般供用を開始すると発表した。 発表によると、約30000 […]

SNS

Latest Issue 最新号 最新号

2025年12月号 (11月14日発売)

2025年12月号 (11月14日発売)

EKIDEN REVIEW
全日本大学駅伝
箱根駅伝予選会
高校駅伝&実業団駅伝予選

Follow-up Tokyo 2025

page top