HOME 国内、大学

2023.09.17

玉川大の山田桃愛が3000m障害V!白血病と向き合いながら日本一「支えてくださった方へ感謝したい」/日本IC
玉川大の山田桃愛が3000m障害V!白血病と向き合いながら日本一「支えてくださった方へ感謝したい」/日本IC

23年日本インカレ女子3000m障害で優勝した山田桃愛

◇第92回日本インカレ(9月14日~17日/埼玉・熊谷スポーツ文化公園陸上競技場)4日目

日本インカレ4日目に女子3000m障害が行われ、山田桃愛(玉川大)が10分06秒30で強さを見せて初優勝を飾った。玉川大のインカレ優勝は2001、02年と5000mを連覇した斎藤由貴以来21年ぶりとなる。

「気温が上がって心配でしたが、最後まで走り切れて良かったです」と笑顔の山田。教育実習との兼ね合いで練習が積めていなかったと言うが、「1000mまではリズムを合わせて、2000mから仕掛けようと思っていました」。前に出たいシーンでも「グッと最後まで耐えました」とプランを遂行した。

広告の下にコンテンツが続きます

昨年の日本インカレでは最後の水濠でバランスを崩して転倒。9位になったが、左足を着いた際に第五中足骨を骨折したままスパートして悪化したという。

「3、4ヵ月ほど走れなくて辞めようかと思った時期もありました」。しかし、今季は復調すると関東インカレで10分19秒78の2位。日本選手権にも初めて出場して6位に食い込み、「もっと上の舞台で走りたい」とモチベーションを高めて夏を越えた。

地元・埼玉の市川口高出身。小学校2年から陸上を始めた山田だが、小6の9月に慢性の骨髄性白血病を発症。それまで走るのが大好きだった少女が、4ヵ月ほど車椅子生活に。身体を戻しては痩せてまた戻して、を繰り返す日々。中学ではバスケットボール部に入ったものの「駅伝の時期しか走れなかった」という。

広告の下にコンテンツが続きます

その間もずっと治療は続けながら競技を続けてきた。高校で再び陸上部へ。大学1年目の夏に寛解状態になったが、今でも2ヵ月に一度は検査し、薬も飲み続けている。

それでも走り続けるのはなぜか。

「自分が走れなかった時期に支えてくださったみなさんに感謝したいというのもありますし、病気のつらさも少しわかっているつもりなので、少しでも病気でつらい方に元気を届けたいと思っています」

この日は両親も駆けつけて声援を送った。卒業後のことは何も決めていない。秋の駅伝シーズンを含め、これまでのように目の前のレースに全身全霊を懸けて挑んでいく。

大会の模様はあすリートチャンネルのYouTubeでライブ配信されている。
あすリートチャンネル特設ページ

◇第92回日本インカレ(9月14日~17日/埼玉・熊谷スポーツ文化公園陸上競技場)4日目 日本インカレ4日目に女子3000m障害が行われ、山田桃愛(玉川大)が10分06秒30で強さを見せて初優勝を飾った。玉川大のインカレ優勝は2001、02年と5000mを連覇した斎藤由貴以来21年ぶりとなる。 「気温が上がって心配でしたが、最後まで走り切れて良かったです」と笑顔の山田。教育実習との兼ね合いで練習が積めていなかったと言うが、「1000mまではリズムを合わせて、2000mから仕掛けようと思っていました」。前に出たいシーンでも「グッと最後まで耐えました」とプランを遂行した。 昨年の日本インカレでは最後の水濠でバランスを崩して転倒。9位になったが、左足を着いた際に第五中足骨を骨折したままスパートして悪化したという。 「3、4ヵ月ほど走れなくて辞めようかと思った時期もありました」。しかし、今季は復調すると関東インカレで10分19秒78の2位。日本選手権にも初めて出場して6位に食い込み、「もっと上の舞台で走りたい」とモチベーションを高めて夏を越えた。 地元・埼玉の市川口高出身。小学校2年から陸上を始めた山田だが、小6の9月に慢性の骨髄性白血病を発症。それまで走るのが大好きだった少女が、4ヵ月ほど車椅子生活に。身体を戻しては痩せてまた戻して、を繰り返す日々。中学ではバスケットボール部に入ったものの「駅伝の時期しか走れなかった」という。 その間もずっと治療は続けながら競技を続けてきた。高校で再び陸上部へ。大学1年目の夏に寛解状態になったが、今でも2ヵ月に一度は検査し、薬も飲み続けている。 それでも走り続けるのはなぜか。 「自分が走れなかった時期に支えてくださったみなさんに感謝したいというのもありますし、病気のつらさも少しわかっているつもりなので、少しでも病気でつらい方に元気を届けたいと思っています」 この日は両親も駆けつけて声援を送った。卒業後のことは何も決めていない。秋の駅伝シーズンを含め、これまでのように目の前のレースに全身全霊を懸けて挑んでいく。 大会の模様はあすリートチャンネルのYouTubeでライブ配信されている。 あすリートチャンネル特設ページ

次ページ:

       

RECOMMENDED おすすめの記事

    

Ranking 人気記事ランキング 人気記事ランキング

Latest articles 最新の記事

2025.10.22

高校駅伝都道府県大会が第2週目突入!明日23日の福島から9県で開催 宮城、千葉らハイレベルの熱戦

10月に入って全国高校駅伝(12月21日/京都)出場を懸けた高校駅伝都道府県大会が行われている。 今週は週末にかけて、東北、関東を中心に9県で開催される。 23日には福島県大会が行われ、学法石川を中心にハイレベルの争いと […]

NEWS 関西実業団対抗駅伝に住友電工・遠藤日向、SGホールディングス・近藤幸太郎、NTT西日本・服部弾馬らがエントリー!

2025.10.22

関西実業団対抗駅伝に住友電工・遠藤日向、SGホールディングス・近藤幸太郎、NTT西日本・服部弾馬らがエントリー!

来年元日に行われる全日本実業団対抗駅伝(ニューイヤー駅伝)の予選を兼ねた第68回関西実業団対抗駅伝(11月9日/和歌山)のエントリーが、10月22日に関西実業団連盟から発表された。 前回と同じ13チームがエントリー。各チ […]

NEWS 米国陸連が国内ツアーを創設 無秩序な競技会開催を抑制し、スポンサー拡大を目指す

2025.10.22

米国陸連が国内ツアーを創設 無秩序な競技会開催を抑制し、スポンサー拡大を目指す

米国陸連(USATF)は10月20日、米国陸連主催のUSATFツアーを新設することを発表した。 ツアーは2026年から実施予定で、現在は既存大会および新設大会を対象に参入申請を受け付けている。陸連はツアー化によって大会日 […]

NEWS 【プレゼント】保温性に優れたZAMSTの「アームスリーブWARM EDITION」/11月号

2025.10.21

【プレゼント】保温性に優れたZAMSTの「アームスリーブWARM EDITION」/11月号

世界と戦うトップアスリートも愛用するサポート・ケア製品ブランド「ZAMST(ザムスト)」を展開する日本シグマックス株式会社。 同社から発売中の寒い時期でも快適にスポーツを行うことができるよう保温性に優れ、手首から上腕にか […]

NEWS 東京世界陸上サブトラックからの選手輸送「遅延ゼロ」分単位で計画「円滑に進められた」

2025.10.21

東京世界陸上サブトラックからの選手輸送「遅延ゼロ」分単位で計画「円滑に進められた」

公益財団法人東京2025世界陸上財団は10月21日、第31回理事会を開き、大会の開催結果について報告したあと、報道陣への記者ブリーフィングを開いた。 9月13日から21日まで、東京・国立競技場をメイン会場に開かれた世界選 […]

SNS

Latest Issue 最新号 最新号

2025年11月号 (10月14日発売)

2025年11月号 (10月14日発売)

東京世界選手権 総特集
箱根駅伝予選会&全日本大学駅伝展望

page top