HOME ニュース、国内

2020.09.07

【走幅跳・100mH】ヘンプヒルが走幅跳V 100mHで4年ぶり自己新/富士北麓
【走幅跳・100mH】ヘンプヒルが走幅跳V 100mHで4年ぶり自己新/富士北麓


富士北麓ワールドトライアルで100mH2位、走幅跳優勝のヘンプヒル
 9月6日、富士北麓ワールドトライアル(山梨県・富士北麓公園)が行われ、女子走幅跳でヘンプヒル恵(アトレ)が6m18(+2.7)で優勝。公認記録で6m11(+1.5)を跳んで日本選手権の参加標準記録を突破した。また、得意の100mハードルでも13秒37(+1.3)で2位だった。

 女王が強くなって戻ってきた。女子七種競技で日本歴代2位となる5907点を持つヘンプヒルが、走幅跳と100mハードルの2種目に出場。先に行われた走幅跳では、1回目に5m99(+1.1)と跳ぶと、2、3回目ファウルのあと、4回目に6m09(-0.9)をマークした。

広告の下にコンテンツが続きます

 1週間前の福井で競技会に出場したあと、「日本選手権の参加標準記録を跳びたい」と連戦を志願。その記録にあと1㎝届かず悔しがる。続く5回目は6m18の大ジャンプで手をグッと握る。だが、今度は2.7mの追い風参考。ラストチャンスの6回目も、力強い踏み切りで6mを超えて着地した。告げられた記録は、6m11。風は……1.5m。宣言通り、日本選手権参加標準記録を突破した。

 そのまま、急ぎ足で100mハードルのアップに。中学時代から混成と単独種目の複数をこなしてきたヘンプヒルにとって、当たり前の光景。100mハードルは、上下動のない動きで13秒37(+1.3)をマークした。優勝した藤原未来(住友電工)に0.01秒届かなかったが、大学2年だった2016年に出した13秒38のベストを4年ぶりに更新。「自己記録より負けたのが悔しい」と話すのもいつも通りで、しばらく経ってから、「あ、なんか時間が経ってうれしくなってきたかも」とおどけるのもいつも通り。

 だが、やっぱり「長かった」というのが本音だろう。

 16年にハードルでベスト。翌17年には七種競技で日本歴代2位まで来た。しかし、その年の夏に膝の靱帯を断裂する重傷。18年シーズンは競技に復帰したものの、なかなか思うようなパフォーマンスを発揮できず苦しんだ。

 昨年は、中大を卒業してアトレに入社。新しい生活、新しい練習環境、そして自ら求めてしまう動きと成績、日本一を走り続ける重圧、そのすべてが噛み合わず、心が壊れかけた。日本選手権混成も欠場し、一時は競技を離れることもよぎったという。

 その間、自分と向き合うことが増え、再びトラックに戻ってきた。

 今季は好調で、東京選手権の七種競技に出場すると砲丸投で自己新。これまで一度も超えられなかった12mを連発した。

 この日は、「ハードルは感覚が良くなくて、“頑張って”走った感じ。これで13秒37か、と。うれしいけど、出し切った感じがないんです」。

 まだトレーニングも多めに積んでいる段階で、「キレもありません」。それはつまり、地力が上がっている証拠にほかならない。自らも感じているようで、「記録が出ていた16、17年は出ちゃった。今は自分で考えながら、なぜ出たのか、なぜ出なかったかわかるようになってきました」と話す。

 今年の最大の目標は、ただ一つ。この2年タイトルを取れていない日本選手権・混成(9月26・27日/長野)だけ。

「あとはまとめていくだけなので。ちゃんと一つずつ積み重ねていけば、6000点に行くんじゃないかなって」

 2年前まで口にしていた「6000点」とは、何かが違う。日本記録は04年に中田有紀(日本保育サービス)が樹立した5962点。日本初の6000点超えへ――いよいよ、歴史を動かす時が来た。

文/向永拓史

【関連ページ】
富士北麓ワールドトライアル リザルト

富士北麓ワールドトライアルで100mH2位、走幅跳優勝のヘンプヒル  9月6日、富士北麓ワールドトライアル(山梨県・富士北麓公園)が行われ、女子走幅跳でヘンプヒル恵(アトレ)が6m18(+2.7)で優勝。公認記録で6m11(+1.5)を跳んで日本選手権の参加標準記録を突破した。また、得意の100mハードルでも13秒37(+1.3)で2位だった。  女王が強くなって戻ってきた。女子七種競技で日本歴代2位となる5907点を持つヘンプヒルが、走幅跳と100mハードルの2種目に出場。先に行われた走幅跳では、1回目に5m99(+1.1)と跳ぶと、2、3回目ファウルのあと、4回目に6m09(-0.9)をマークした。  1週間前の福井で競技会に出場したあと、「日本選手権の参加標準記録を跳びたい」と連戦を志願。その記録にあと1㎝届かず悔しがる。続く5回目は6m18の大ジャンプで手をグッと握る。だが、今度は2.7mの追い風参考。ラストチャンスの6回目も、力強い踏み切りで6mを超えて着地した。告げられた記録は、6m11。風は……1.5m。宣言通り、日本選手権参加標準記録を突破した。  そのまま、急ぎ足で100mハードルのアップに。中学時代から混成と単独種目の複数をこなしてきたヘンプヒルにとって、当たり前の光景。100mハードルは、上下動のない動きで13秒37(+1.3)をマークした。優勝した藤原未来(住友電工)に0.01秒届かなかったが、大学2年だった2016年に出した13秒38のベストを4年ぶりに更新。「自己記録より負けたのが悔しい」と話すのもいつも通りで、しばらく経ってから、「あ、なんか時間が経ってうれしくなってきたかも」とおどけるのもいつも通り。  だが、やっぱり「長かった」というのが本音だろう。  16年にハードルでベスト。翌17年には七種競技で日本歴代2位まで来た。しかし、その年の夏に膝の靱帯を断裂する重傷。18年シーズンは競技に復帰したものの、なかなか思うようなパフォーマンスを発揮できず苦しんだ。  昨年は、中大を卒業してアトレに入社。新しい生活、新しい練習環境、そして自ら求めてしまう動きと成績、日本一を走り続ける重圧、そのすべてが噛み合わず、心が壊れかけた。日本選手権混成も欠場し、一時は競技を離れることもよぎったという。  その間、自分と向き合うことが増え、再びトラックに戻ってきた。  今季は好調で、東京選手権の七種競技に出場すると砲丸投で自己新。これまで一度も超えられなかった12mを連発した。  この日は、「ハードルは感覚が良くなくて、“頑張って”走った感じ。これで13秒37か、と。うれしいけど、出し切った感じがないんです」。  まだトレーニングも多めに積んでいる段階で、「キレもありません」。それはつまり、地力が上がっている証拠にほかならない。自らも感じているようで、「記録が出ていた16、17年は出ちゃった。今は自分で考えながら、なぜ出たのか、なぜ出なかったかわかるようになってきました」と話す。  今年の最大の目標は、ただ一つ。この2年タイトルを取れていない日本選手権・混成(9月26・27日/長野)だけ。 「あとはまとめていくだけなので。ちゃんと一つずつ積み重ねていけば、6000点に行くんじゃないかなって」  2年前まで口にしていた「6000点」とは、何かが違う。日本記録は04年に中田有紀(日本保育サービス)が樹立した5962点。日本初の6000点超えへ――いよいよ、歴史を動かす時が来た。 文/向永拓史 【関連ページ】 富士北麓ワールドトライアル リザルト

次ページ:

       

RECOMMENDED おすすめの記事

    

Ranking 人気記事ランキング 人気記事ランキング

         

Latest articles 最新の記事

2026.02.07

塩尻和也が3000m独走金!田中希実は2種目メダル、60mH野本も力走/アジア室内

◇第12回アジア室内選手権(中国・天津/2月6日~8日)2日目 第12回アジア室内選手権の2日目が行われ、日本は男子3000mの塩尻和也(富士通)が金メダルを手にした。 広告の下にコンテンツが続きます 塩尻はスタートから […]

NEWS 男子・市山翼が連覇に挑む 細谷恭平らも有力 女子は樺沢和佳奈がマラソン前の試金石 不破が初ハーフへ/全日本実業団ハーフ

2026.02.07

男子・市山翼が連覇に挑む 細谷恭平らも有力 女子は樺沢和佳奈がマラソン前の試金石 不破が初ハーフへ/全日本実業団ハーフ

◇第54回全日本実業団ハーフマラソン(2月8日/山口・維新百年記念公園陸上競技場発着) 今後のマラソンや10000mを見据えるうえで重要な一戦となる全日本実業団ハーフマラソンが2月8日に行われる。 広告の下にコンテンツが […]

NEWS 青学大・原晋監督「宮古ブルー大作戦」を発令! 國學院大・前田康弘監督「王者・青学大に挑みたい」/宮古島大学駅伝

2026.02.07

青学大・原晋監督「宮古ブルー大作戦」を発令! 國學院大・前田康弘監督「王者・青学大に挑みたい」/宮古島大学駅伝

◇宮古島大学駅伝ワイドー・ズミ2026(2月8日/沖縄県宮古島市・宮古島市陸上競技競技場発着6区間:82km) 「宮古島大学駅伝ワイドー・ズミ2026」の記者会見が行われ、参加するチームの監督らが出席した。 広告の下にコ […]

NEWS 青学大は箱根6区区間3位の石川浩輝、黒田然を起用! 國學院大は1区・尾熊迅斗、順大、東洋大は主力も/宮古島大学駅伝

2026.02.07

青学大は箱根6区区間3位の石川浩輝、黒田然を起用! 國學院大は1区・尾熊迅斗、順大、東洋大は主力も/宮古島大学駅伝

◇宮古島大学駅伝ワイドー・ズミ2026(2月8日/沖縄県宮古島市・宮古島市陸上競技競技場発着6区間:82km) 「宮古島大学駅伝ワイドー・ズミ2026」の各校・チームの区間登録選手が2月7日、発表された。体調不良による交 […]

NEWS 8日のかながわ駅伝、みさとシティハーフマラソンが降雪予報のため中止 他大会も当日までに開催可否判断

2026.02.07

8日のかながわ駅伝、みさとシティハーフマラソンが降雪予報のため中止 他大会も当日までに開催可否判断

気象庁は7日、大雪に関する気象情報を発表し、同日から8日にかけて広い地域で大雪警報を発令する可能性があるとした。 この影響を受けて、8日に各地で開催予定だった大会の中止または、中止の検討などが発表されている。 広告の下に […]

SNS

Latest Issue 最新号 最新号

2026年2月号 (1月14日発売)

2026年2月号 (1月14日発売)

EKIDEN Review
第102回箱根駅伝
ニューイヤー駅伝
全国高校駅伝
全国中学校駅伝
富士山女子駅伝

page top