
富士北麓ワールドトライアルで100mH2位、走幅跳優勝のヘンプヒル
9月6日、富士北麓ワールドトライアル(山梨県・富士北麓公園)が行われ、女子走幅跳でヘンプヒル恵(アトレ)が6m18(+2.7)で優勝。公認記録で6m11(+1.5)を跳んで日本選手権の参加標準記録を突破した。また、得意の100mハードルでも13秒37(+1.3)で2位だった。
女王が強くなって戻ってきた。女子七種競技で日本歴代2位となる5907点を持つヘンプヒルが、走幅跳と100mハードルの2種目に出場。先に行われた走幅跳では、1回目に5m99(+1.1)と跳ぶと、2、3回目ファウルのあと、4回目に6m09(-0.9)をマークした。
1週間前の福井で競技会に出場したあと、「日本選手権の参加標準記録を跳びたい」と連戦を志願。その記録にあと1㎝届かず悔しがる。続く5回目は6m18の大ジャンプで手をグッと握る。だが、今度は2.7mの追い風参考。ラストチャンスの6回目も、力強い踏み切りで6mを超えて着地した。告げられた記録は、6m11。風は……1.5m。宣言通り、日本選手権参加標準記録を突破した。
そのまま、急ぎ足で100mハードルのアップに。中学時代から混成と単独種目の複数をこなしてきたヘンプヒルにとって、当たり前の光景。100mハードルは、上下動のない動きで13秒37(+1.3)をマークした。優勝した藤原未来(住友電工)に0.01秒届かなかったが、大学2年だった2016年に出した13秒38のベストを4年ぶりに更新。「自己記録より負けたのが悔しい」と話すのもいつも通りで、しばらく経ってから、「あ、なんか時間が経ってうれしくなってきたかも」とおどけるのもいつも通り。
だが、やっぱり「長かった」というのが本音だろう。
16年にハードルでベスト。翌17年には七種競技で日本歴代2位まで来た。しかし、その年の夏に膝の靱帯を断裂する重傷。18年シーズンは競技に復帰したものの、なかなか思うようなパフォーマンスを発揮できず苦しんだ。
昨年は、中大を卒業してアトレに入社。新しい生活、新しい練習環境、そして自ら求めてしまう動きと成績、日本一を走り続ける重圧、そのすべてが噛み合わず、心が壊れかけた。日本選手権混成も欠場し、一時は競技を離れることもよぎったという。
その間、自分と向き合うことが増え、再びトラックに戻ってきた。
今季は好調で、東京選手権の七種競技に出場すると砲丸投で自己新。これまで一度も超えられなかった12mを連発した。
この日は、「ハードルは感覚が良くなくて、“頑張って”走った感じ。これで13秒37か、と。うれしいけど、出し切った感じがないんです」。
まだトレーニングも多めに積んでいる段階で、「キレもありません」。それはつまり、地力が上がっている証拠にほかならない。自らも感じているようで、「記録が出ていた16、17年は出ちゃった。今は自分で考えながら、なぜ出たのか、なぜ出なかったかわかるようになってきました」と話す。
今年の最大の目標は、ただ一つ。この2年タイトルを取れていない日本選手権・混成(9月26・27日/長野)だけ。
「あとはまとめていくだけなので。ちゃんと一つずつ積み重ねていけば、6000点に行くんじゃないかなって」
2年前まで口にしていた「6000点」とは、何かが違う。日本記録は04年に中田有紀(日本保育サービス)が樹立した5962点。日本初の6000点超えへ――いよいよ、歴史を動かす時が来た。
文/向永拓史
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富士北麓ワールドトライアル リザルト
富士北麓ワールドトライアルで100mH2位、走幅跳優勝のヘンプヒル
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女王が強くなって戻ってきた。女子七種競技で日本歴代2位となる5907点を持つヘンプヒルが、走幅跳と100mハードルの2種目に出場。先に行われた走幅跳では、1回目に5m99(+1.1)と跳ぶと、2、3回目ファウルのあと、4回目に6m09(-0.9)をマークした。
1週間前の福井で競技会に出場したあと、「日本選手権の参加標準記録を跳びたい」と連戦を志願。その記録にあと1㎝届かず悔しがる。続く5回目は6m18の大ジャンプで手をグッと握る。だが、今度は2.7mの追い風参考。ラストチャンスの6回目も、力強い踏み切りで6mを超えて着地した。告げられた記録は、6m11。風は……1.5m。宣言通り、日本選手権参加標準記録を突破した。
そのまま、急ぎ足で100mハードルのアップに。中学時代から混成と単独種目の複数をこなしてきたヘンプヒルにとって、当たり前の光景。100mハードルは、上下動のない動きで13秒37(+1.3)をマークした。優勝した藤原未来(住友電工)に0.01秒届かなかったが、大学2年だった2016年に出した13秒38のベストを4年ぶりに更新。「自己記録より負けたのが悔しい」と話すのもいつも通りで、しばらく経ってから、「あ、なんか時間が経ってうれしくなってきたかも」とおどけるのもいつも通り。
だが、やっぱり「長かった」というのが本音だろう。
16年にハードルでベスト。翌17年には七種競技で日本歴代2位まで来た。しかし、その年の夏に膝の靱帯を断裂する重傷。18年シーズンは競技に復帰したものの、なかなか思うようなパフォーマンスを発揮できず苦しんだ。
昨年は、中大を卒業してアトレに入社。新しい生活、新しい練習環境、そして自ら求めてしまう動きと成績、日本一を走り続ける重圧、そのすべてが噛み合わず、心が壊れかけた。日本選手権混成も欠場し、一時は競技を離れることもよぎったという。
その間、自分と向き合うことが増え、再びトラックに戻ってきた。
今季は好調で、東京選手権の七種競技に出場すると砲丸投で自己新。これまで一度も超えられなかった12mを連発した。
この日は、「ハードルは感覚が良くなくて、“頑張って”走った感じ。これで13秒37か、と。うれしいけど、出し切った感じがないんです」。
まだトレーニングも多めに積んでいる段階で、「キレもありません」。それはつまり、地力が上がっている証拠にほかならない。自らも感じているようで、「記録が出ていた16、17年は出ちゃった。今は自分で考えながら、なぜ出たのか、なぜ出なかったかわかるようになってきました」と話す。
今年の最大の目標は、ただ一つ。この2年タイトルを取れていない日本選手権・混成(9月26・27日/長野)だけ。
「あとはまとめていくだけなので。ちゃんと一つずつ積み重ねていけば、6000点に行くんじゃないかなって」
2年前まで口にしていた「6000点」とは、何かが違う。日本記録は04年に中田有紀(日本保育サービス)が樹立した5962点。日本初の6000点超えへ――いよいよ、歴史を動かす時が来た。
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