◇皇后盃第44回都道府県対抗女子駅伝(1月11日/京都・たけびしスタジアム京都:9区間42.195km)
1月の京都を彩る都道府県女子駅伝が行われ、大阪が3年ぶり5度目の優勝を果たした。2位に大阪が続き、3位には初メダルの長野が入った。
その長野の4区を務めたのは細田あい(エディオン)。今季限りでの引退を表明して、最初のレースだった細田は、母校・長野東高の後輩たちが作った流れをそのまま受け取り、区間6位でトップを守って次につないだ。悲願の初優勝こそ届かなかったが、チーム過去最高の4位を上回り、初メダルとなった。
「本当に最後の駅伝。優勝が見えていただけに悔しいですが、初めての3位。連続入賞(前回5位)もなかなかできず(2回目)だったので良かった」と細田。「高校生と過ごすと頼もしいですし、これから強くなっていくんだろうなと感じました」と先輩らしいまなざしを向け、最後は中央で集合写真に収まった。
母校・長野東は全国高校駅伝で連覇を飾り、卒業生は大学・実業団で多く活躍している。男子も佐久長聖高を筆頭に、長野は長距離王国として全国に名を馳せている。
「駅伝に対する熱さがあって、相手のことを思ってちょっとでも削り出す。そういうことができる子が多いと思います」と胸を張り、長野の強さの秘密は「粘り強さ。あきらめないこと」と語る。
細田自身、それを体現するようなランナーだった。長野東高では全国高校駅伝に2、3年時と出場し、日体大でも活躍してきた。だが、都道府県女子駅伝には「中学、高校と選ばれても走れなかったんです」。卒業後はダイハツに入社、21年にエディオンに移籍。その間、マラソンに挑戦し、パリ五輪MGCでは3位となり、補欠に選出。五輪後に出場した2024年9月のベルリンで日本歴代7位の2時間20分31秒をマークした。東京世界選手権代表入りもかなわなかった。その結果について「想像以上に悔しさが湧き上がらなかったこと」が引退を決めた理由だった。
代表に届かず、決して“爆発力”で魅せるランナーではなかったが、地道に、一歩ずつ成長してきた。「都道府県女子駅伝もそうですし、ケガも多い競技人生。ここまで長く続けられるとも思っていなかった。辞めようと思ったこともありましたが、あきらめずにやってこられたのは良かったと思っています」。そう言うと、涙がこぼれた。
ラストランは3月の東京マラソン。「出るだけで終わりたくないので最大限の準備をして、悔いがないように全力で駆け抜け、やりきりたいなって思います」。最後まであきらめず、全力で。その走りを姿勢と、銅メダルを後輩たちの置き土産に、細田あいはタスキに別れを告げた。
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