HOME 高校

2025.06.15

NEWS
八種・宮下輝一が雨の中で6272点の高校新「気持ちを強く持っていた」女子100mは對馬、400mHはガードナV/IH南関東
八種・宮下輝一が雨の中で6272点の高校新「気持ちを強く持っていた」女子100mは對馬、400mHはガードナV/IH南関東

宮下輝一(25年IH南関東大会)

◇インターハイ南関東地区大会(6月13~16日/カンセキスタジアムとちぎ、栃木県総合運動公園多目的広場投てき場)

広島インターハイ出場を懸けた南関東地区大会の2日目が行われ、男子八種競技の宮下輝一(市船橋3千葉)が6272点の高校新記録で3連覇を果たした。県大会でマークした自己記録を285点更新し、高橋諒(桐朋3東京/現・慶大)が2023年11月に樹立した6264点の高校記録を8点上回った。

広告の下にコンテンツが続きます

2日間の激闘を終えた後、宮下は「高校新記録をインターハイ前までに出したいと思っていましたし、2日目は雨という条件で達成できたので、すごくうれしいです」と素直に喜んだ。

「自信を持って臨んだ」という初日、100mをサードベストの11秒07(+0.4/845点)で好スタート。2種目めの走幅跳で自己ベストの7m11(-0.6/840点)を跳び、勢いに乗った。「1年生の時以来となる7mを跳べて、『これ、(好記録が)来るかもな』と思っていたら、砲丸投もまさかの13mオーバー(13m28/684点)で自己ベスト。より強く『来るかも』と思えました」。

400mを48秒95(864点)で走り、初日の4種目終了時点で3233点。後半に向けて、宮下は「110mハードルさえうまくいけば、あとは勢いで持っていけるだろう」と考えていた。

2日目はあいにくの降雨で、雨脚が強まる時間帯もあったが、「天候に左右されているようでは(記録は)出ないと思ったので、そこはしっかり気持ちを強く持っていました」と自分の競技に集中した。

広告の下にコンテンツが続きます

ポイントだった110mハードルも県大会でマークした自己記録(15秒98)を大きく上回る15秒56(±0/783点)。得意のやり投は「入りは悪かったけれど、自分は3投目に絶対強い」ときっちり63m32(788点)を投げ、いよいよ大記録達成が現実味を帯びてくる。

ただ、宮下は種目ごとに得点を確認してはいなかったという。「1種目1種目見ていると変に力んでしまうので、今年に入ってからは先の種目は見ないで、一つひとつ丁寧にやって、その結果がどうなるかという気持ちでやっています」。

走高跳も自己ベストの1m88(696点)をマークし、最終種目の1500mを前に初めて得点を確認。4分27秒00を切れば、高校新達成と把握した。その上で「怖いな」と思いながらスタートラインに立ったが、「気持ちは折れませんでした」。最後まで力強く脚を運び、4分25秒80(772点)でフィニッシュ。充実感と達成感にあふれた表情で右腕を高々と突き上げた。

しかし、宮下にはもう1つ大きな目標が残っている。「いったん記録を出せたので、インターハイでは優勝だけを目指してがんばります」。1年時は7位、2年時は3位だったインターハイで頂点に立ったとき、宮下はようやく100%の満足を得られるのかもしれない。

この日はほかに、男子では5000mでフェリックス・ムティアニ(山梨学院3)が13分48秒50で昨年、鈴木琉胤(八千代松陰・千葉/現・早大)が出した大会記録(13分52秒28)を更新。昨日の1500mと合わせて2冠を達成した。

400mハードルは栃木匠吾(市立柏3千葉)が51秒09の好タイムで初V。2位の織田大輔(日大櫻丘3東京)も51秒47と高水準だった。なお、隣のレーン侵害で途中棄権した昨年のU18大会300mハードル覇者・齋藤悠仁(八千代3千葉)は1人での再レースの末、53秒07で3位に入った。

4×100mリレーは100m優勝の片山瑛太(市船橋2千葉)をアンカーに据えた市船橋が40秒08で2連覇。砲丸投はただ1人、16m台(16m20)をプットした福宮佳潤(東京2東京)が初のインターハイ行きを決めている。

女子は、100mの對馬マリアム(荏田3神奈川)が11秒98(+0.1)で、4位まで0.09秒差の接戦を競り勝ち、400mハードルのガードナ・レイチェル麻由(法政二3神奈川)は59秒98で快勝。2位の多田藍璃(市船橋3千葉)も60秒81で続いた。

4×100mリレーは下級生中心のオーダーで臨んだ市船橋(千葉)が46秒23。2位の東海大相模(神奈川)を0.07秒差で抑えて2年ぶりの優勝をつかんだ。円盤投は村山ジョイ希望(東京1)が41m19を投げて1年生Vを果たしている。

全国インターハイは7月25日から29日に広島・ほっとスタッフフィールド広島(広島広域公園陸上競技場)で開催。各地区大会上位6位までが出場する(※男女競歩は5位、女子棒高跳、女子三段跳、女子ハンマー投は4位まで、混成は3位+各地区4~6位の記録上位5名)。

文/小野哲史

◇インターハイ南関東地区大会(6月13~16日/カンセキスタジアムとちぎ、栃木県総合運動公園多目的広場投てき場) 広島インターハイ出場を懸けた南関東地区大会の2日目が行われ、男子八種競技の宮下輝一(市船橋3千葉)が6272点の高校新記録で3連覇を果たした。県大会でマークした自己記録を285点更新し、高橋諒(桐朋3東京/現・慶大)が2023年11月に樹立した6264点の高校記録を8点上回った。 2日間の激闘を終えた後、宮下は「高校新記録をインターハイ前までに出したいと思っていましたし、2日目は雨という条件で達成できたので、すごくうれしいです」と素直に喜んだ。 「自信を持って臨んだ」という初日、100mをサードベストの11秒07(+0.4/845点)で好スタート。2種目めの走幅跳で自己ベストの7m11(-0.6/840点)を跳び、勢いに乗った。「1年生の時以来となる7mを跳べて、『これ、(好記録が)来るかもな』と思っていたら、砲丸投もまさかの13mオーバー(13m28/684点)で自己ベスト。より強く『来るかも』と思えました」。 400mを48秒95(864点)で走り、初日の4種目終了時点で3233点。後半に向けて、宮下は「110mハードルさえうまくいけば、あとは勢いで持っていけるだろう」と考えていた。 2日目はあいにくの降雨で、雨脚が強まる時間帯もあったが、「天候に左右されているようでは(記録は)出ないと思ったので、そこはしっかり気持ちを強く持っていました」と自分の競技に集中した。 ポイントだった110mハードルも県大会でマークした自己記録(15秒98)を大きく上回る15秒56(±0/783点)。得意のやり投は「入りは悪かったけれど、自分は3投目に絶対強い」ときっちり63m32(788点)を投げ、いよいよ大記録達成が現実味を帯びてくる。 ただ、宮下は種目ごとに得点を確認してはいなかったという。「1種目1種目見ていると変に力んでしまうので、今年に入ってからは先の種目は見ないで、一つひとつ丁寧にやって、その結果がどうなるかという気持ちでやっています」。 走高跳も自己ベストの1m88(696点)をマークし、最終種目の1500mを前に初めて得点を確認。4分27秒00を切れば、高校新達成と把握した。その上で「怖いな」と思いながらスタートラインに立ったが、「気持ちは折れませんでした」。最後まで力強く脚を運び、4分25秒80(772点)でフィニッシュ。充実感と達成感にあふれた表情で右腕を高々と突き上げた。 しかし、宮下にはもう1つ大きな目標が残っている。「いったん記録を出せたので、インターハイでは優勝だけを目指してがんばります」。1年時は7位、2年時は3位だったインターハイで頂点に立ったとき、宮下はようやく100%の満足を得られるのかもしれない。 この日はほかに、男子では5000mでフェリックス・ムティアニ(山梨学院3)が13分48秒50で昨年、鈴木琉胤(八千代松陰・千葉/現・早大)が出した大会記録(13分52秒28)を更新。昨日の1500mと合わせて2冠を達成した。 400mハードルは栃木匠吾(市立柏3千葉)が51秒09の好タイムで初V。2位の織田大輔(日大櫻丘3東京)も51秒47と高水準だった。なお、隣のレーン侵害で途中棄権した昨年のU18大会300mハードル覇者・齋藤悠仁(八千代3千葉)は1人での再レースの末、53秒07で3位に入った。 4×100mリレーは100m優勝の片山瑛太(市船橋2千葉)をアンカーに据えた市船橋が40秒08で2連覇。砲丸投はただ1人、16m台(16m20)をプットした福宮佳潤(東京2東京)が初のインターハイ行きを決めている。 女子は、100mの對馬マリアム(荏田3神奈川)が11秒98(+0.1)で、4位まで0.09秒差の接戦を競り勝ち、400mハードルのガードナ・レイチェル麻由(法政二3神奈川)は59秒98で快勝。2位の多田藍璃(市船橋3千葉)も60秒81で続いた。 4×100mリレーは下級生中心のオーダーで臨んだ市船橋(千葉)が46秒23。2位の東海大相模(神奈川)を0.07秒差で抑えて2年ぶりの優勝をつかんだ。円盤投は村山ジョイ希望(東京1)が41m19を投げて1年生Vを果たしている。 全国インターハイは7月25日から29日に広島・ほっとスタッフフィールド広島(広島広域公園陸上競技場)で開催。各地区大会上位6位までが出場する(※男女競歩は5位、女子棒高跳、女子三段跳、女子ハンマー投は4位まで、混成は3位+各地区4~6位の記録上位5名)。 文/小野哲史

インターハイ南関東大会の優勝者一覧をチェック!

●男子 100m 片山瑛太(市船橋2千葉) 10秒62(-1.7) 400m 小澤耀平(城西3東京) 46秒60=大会新 1500m フェリックス・ムティアニ(山梨学院3山梨) 3分45秒36 5000m フェリックス・ムティアニ(山梨学院3山梨) 13分48秒50=大会新 4×100mR 市船橋(千葉) 40秒08 棒高跳 加藤佑弥(横浜清風3神奈川) 4m70 走幅跳 岡野陸(松戸六実3千葉) 7m57(+0.8) 砲丸投 福宮佳潤(東京2東京) 16m20 八種競技 宮下輝一(市船橋3千葉) 6272点=高校新、大会新 [adinserter block="4"] ●女子 100m 對馬マリアム(荏田3神奈川) 11秒98(+0.1) 400m バログン・ハル(市川2千葉) 53秒73 1500m アカイ・メアリー(白鵬女2神奈川) 4分20秒13 400mH ガードナ・レイチェル麻由(法政二3神奈川) 59秒98 5000m競歩 藤田歩波(鶴嶺2神奈川) 25分06秒68 4×100mR 市船橋(千葉) 46秒23 走高跳 倉田心夏(八千代松陰3千葉) 1m73 棒高跳 宮崎芳花(川崎橘3神奈川) 3m70 ハンマー投 鈴木瑠華(木更津総合3千葉) 47m90 円盤投 村山ジョイ希望(東京1東京) 41m19 やり投 岩達結希乃(磯辺3千葉) 48m63

次ページ:

ページ: 1 2

       

RECOMMENDED おすすめの記事

    

Ranking 人気記事ランキング 人気記事ランキング

Latest articles 最新の記事

2025.06.16

競歩・山西利和が愛知県スポーツ功労賞を受賞!20km競歩世界記録樹立が評価

愛知県スポーツ顕彰授与式が6月16日に行われ、男子競歩の山西利和(愛知製鋼)がスポーツ功労賞を受賞した。 同賞は愛知県出身、もしくは県内を拠点としている選手に贈られるもので、2月の日本選手権20km競歩で1時間16分10 […]

NEWS 砲丸投・大垣尊良ビッグショットなるか 女子短距離は山崎心愛に注目 男子中長距離は吉田星が軸/IH北海道

2025.06.16

砲丸投・大垣尊良ビッグショットなるか 女子短距離は山崎心愛に注目 男子中長距離は吉田星が軸/IH北海道

広島インターハイ(7月25日~29日)を懸けた地区大会が6月に各地で開催される。 インターハイ北海道地区大会は6月17日から20日まで、旭川花咲スポーツ公園陸上競技場で行われる。 広告の下にコンテンツが続きます 昨年、男 […]

NEWS 古賀ジェレミーが110mH13秒45の高校新記録! 「もう少し上げられる自信がついた」/IH南関東

2025.06.16

古賀ジェレミーが110mH13秒45の高校新記録! 「もう少し上げられる自信がついた」/IH南関東

◇インターハイ南関東地区大会(6月13~16日/カンセキスタジアムとちぎ、栃木県総合運動公園多目的広場投てき場)最終日 広島インターハイ出場を懸けた南関東地区大会の最終日の4日目が行われ、男子110mハードル決勝で古賀ジ […]

NEWS 100mH・石原南菜が13秒33!地元で高校歴代2位・U18日本新・高2歴代最高の激走/IH北関東

2025.06.16

100mH・石原南菜が13秒33!地元で高校歴代2位・U18日本新・高2歴代最高の激走/IH北関東

◇インターハイ北関東地区大会(6月13~16日/カンセキスタジアムとちぎ、栃木県総合運動公園多目的広場投てき場)最終日 広島インターハイ出場を懸けた北関東地区大会の最終日の4日目が行われ、女子100mハードルで石原南菜( […]

NEWS 110mH・古賀ジェレミーが特大高校新13秒45!!準決勝の記録をさらに0.13秒更新/IH南関東

2025.06.16

110mH・古賀ジェレミーが特大高校新13秒45!!準決勝の記録をさらに0.13秒更新/IH南関東

◇インターハイ南関東地区大会(6月13~16日/カンセキスタジアムとちぎ、栃木県総合運動公園多目的広場投てき場)最終日 広島インターハイ出場を懸けた南関東地区大会の最終日の4日目が行われ、男子110mハードル決勝で古賀ジ […]

SNS

Latest Issue 最新号 最新号

2025年7月号 (6月13日発売)

2025年7月号 (6月13日発売)

詳報!アジア選手権
日本インカレ
IH都府県大会

page top