2023.06.20
◇インターハイ四国地区大会(6月17日~19日/香川・Pikaraスタジアム)3日目
夏の北海道インターハイを懸けた四国地区大会の最終日が行われ、女子4×400mリレーで四学香川西が従来の四国高校記録(3分47秒79)を1秒以上も上回る3分46秒57で優勝した。
オーダーは1走から前川虹羽(2年)、深田晴花(3年)、杉村実優(3年)、松井詩乃(1年)。顧問の青海知伸先生は、「ターゲットは3分51秒98の香川県高校記録でした」と話していたが、それを大きく上回るタイムに「まさか出るとは思わなかったです」と選手たちは口を揃えた。
「1、2走の流れは思った以上の出来」と青海先生がいうように、前半から流れに乗った。1走の前川は「後半にいつも足が回らなくなるんですけど、周りの人が応援してくれていたので、いつもより足が回りました」と声援を背に最後まで快調な走りを見せ、トップでバトンを渡す。
短距離ブロック長を務める2走の深田は「最初の200mを飛ばして、そこからまたギアを変えて、後半に追いつかれないように死ぬ気で走れました」と狙い通りにオープンレーンに入ったところで先頭を死守。その後もリードを広げて独走態勢を築いた。
3走の杉村は800mと1500mで活躍する中距離選手。だが、昨年は400mでインターハイに出場しており、4×400mリレーへの思い入れもあったことからリレーメンバーに選ばれた。「昨日の800mで大会新(2分09秒78)を出せて、その波に乗れました」と中距離2種目をこなした疲れを感じさせない力走でバトンをつなぐぐ。
1年生でアンカーを任された松井も「先輩たちが1位で帰ってきてくれたので、私もそのままゴールしようと思って走りました」と懸命の走りでフィニッシュ。記録が電光掲示板に表示されると、4人は抱き合って喜びを分かち合った。
「みんなが全力で、『絶対に1番!』という気持ちで走ってくれたので、出た記録だと思います。これより上を目指して、インターハイでは絶対に決勝に残りたいです」と深田。インターハイでは台風の目になりそうだ。
四国大会は19日で全日程が終了。総合争いは男子129点、女子126点を獲得した四学香川西が圧勝し、最優秀選手には男子棒高跳で優勝を飾った矢野真一(観音寺総合3香川)と、女子100m、走幅跳、三段跳の3種目を制した恒石望乃(高知3)が選ばれた。
全国インターハイは8月2日から6日に北海道・厚別公園競技場で開催。各地区大会上位6位までが出場する(※男女競歩は5位、女子棒高跳、女子三段跳、女子ハンマー投は4位まで、混成は3位+各地区4~6位の記録上位5名)。
文・写真/馬場遼
インターハイ四国地区大会の優勝者をチェック
●男子 100m マルティネス・ブランドン・ボイト(四学香川西2香川) 10秒61(+0.4) 200m マルティネス・ブランドン・ボイト(四学香川西2香川) 21秒20(+1.5) 400m 川上大智(観音寺総合2香川) 48秒75 800m 井上友輝(英明3香川) 1分54秒13 1500m 三宅 駿(四学香川西3香川) 3分52秒54 5000m 三宅 駿(四学香川西3香川) 14分27秒12=大会新 110mH 栁瀬宏志郎(高松3香川) 14秒66(+0.9) 400mH 川上大智(観音寺総合2香川) 52秒85 5000m競歩 黒川寛太(小豆島中央3香川) 22分50秒87 3000m障害 立花 晟(小豆島中央3香川) 9分19秒90 4×100mR 鳴門渦潮(徳島) 41秒37 4×400mR 四学香川西 3分14秒82 走高跳 難波康大(四学香川西2香川) 2m01 棒高跳 矢野真一(観音寺総合3香川) 5m00 走幅跳 大西晄正(四学香川西2香川) 7m35(+3.4) 三段跳 渡部京志(松山北2愛媛) 14m19(+3.1) 砲丸投 久門奨弥(今治明徳3愛媛) 15m16 円盤投 田窪一翔(今治明徳2愛媛) 45m31 ハンマー投 久門奨弥(今治明徳3愛媛) 56m58 やり投 久門奨弥(今治明徳3愛媛) 60m29 八種競技 大西晄正(四学香川西2香川) 5086点 ●女子 100m 恒石望乃(高知3高知) 11秒80(+0.7)=大会新 200m 長町碧泉(鳴門2徳島) 24秒53(+1.2)=大会新 400m 長町碧泉(鳴門2徳島) 55秒98 800m 杉村実優(四学香川西3香川) 2分09秒78=大会新 1500m 穂岐山芽衣(山田2高知) 4分31秒97 3000m 穂岐山芽衣(山田2高知) 9分34秒46 100mH 居村咲希(富岡東3徳島) 13秒96(+0.5) 400mH 武田海愛(済美3愛媛) 62秒87 5000m競歩 岡田佳乃(川之石2愛媛) 25分08秒63 4×100mR 済美(愛媛) 47秒55 4×400mR 四学香川西 3分46秒57=四国高校新 走高跳 越智心音(今治西3愛媛) 1m62 棒高跳 豊田ひなた(観音寺一3香川) 3m70 走幅跳 恒石望乃(高知3高知) 6m27(+2.4) 三段跳 恒石望乃(高知3高知) 12m35(+1.4) 砲丸投 山口嘉夢(生光学園2徳島) 12m39 円盤投 八木美都(四学香川西2香川) 37m09 ハンマー投 須惠樹杏良(四学香川西3香川)45m33 やり投 早野仁美(今治明徳3愛媛) 41m60 七種競技 中村紫里(四学香川西3香川) 3951点
|
|
RECOMMENDED おすすめの記事
Ranking
人気記事ランキング
2025.05.01
坂井隆一郎、中島佑気ジョセフ、水久保漱至らがケガのため欠場/セイコーGGP
-
2025.05.01
-
2025.05.01
-
2025.05.01
-
2025.04.30
2025.04.29
100mH田中佑美が予選トップ通過も決勝棄権「故障ではない」昨年の結婚も明かす/織田記念
-
2025.04.28
-
2025.04.26
2025.04.12
3位の吉居大和は涙「想像していなかったくらい悔しい」/日本選手権10000m
-
2025.04.12
-
2025.04.12
2022.04.14
【フォト】U18・16陸上大会
2021.11.06
【フォト】全国高校総体(福井インターハイ)
-
2022.05.18
-
2022.12.20
-
2023.04.01
-
2023.06.17
-
2022.12.27
-
2021.12.28
Latest articles 最新の記事
2025.05.01
KIPRUNが環境に優しい新たなシューズを発表 接着剤不使用の「KIPX」はリサイクル可能な次世代アイテム
KIPRUNは4月上旬、フランス・パリで発表会を行い、新たなブランドロゴを発表するとともに、今後日本国内でも発売を予定している新モデルシューズを発表した。 競歩世界チャンピオンも愛用したシューズ 2021年にブランド初の […]
2025.05.01
セイコーGGPトラック種目の海外選手を発表! 100mにパリ五輪4継金メダルブレーク、110mHに同7位ベネットら
日本陸連は5月1日、セイコーゴールデングランプリ2025(5月18日/東京・国立競技場)の出場選手第10弾としてトラック種目の海外選手を発表した。 男子100mには昨年のパリ五輪男子4×100mリレーで金メダルのジェロー […]
2025.05.01
東京メトロに伊東明日香が入部 「競技が続けられる環境があることに感謝」
東京メトロは5月1日、伊東明日香が入部したと発表した。今年3月31日に埼玉医科大グループを退部していた。 伊東は東京・順天高時代から全国高校駅伝に出場。東洋大進学後は全日本女子大学駅伝や富士山女子駅伝など全国大会に出走し […]
Latest Issue
最新号

2025年4月号 (3月14日発売)
東京世界選手権シーズン開幕特集
Re:Tokyo25―東京世界陸上への道―
北口榛花(JAL)
三浦龍司(SUBARU)
赤松諒一×真野友博
豊田 兼(トヨタ自動車)×高野大樹コーチ
Revenge
泉谷駿介(住友電工)