2026.01.28

総合3位に食い込んだ順大を主将として牽引してきた石岡大侑
第102回箱根駅伝で力走した選手たちがいる。優勝を手にしたり、区間賞に輝いたりした選手以外にもそれぞれの思いを胸に、タスキをつないだ。最終学年として迎えた選手たちの“最後”の奮闘を紹介する。
「外さない走り」で存在感
順大の主将・石岡大侑(4年)は、最後の箱根路を前に、意気込みを語っていた。
「この4年間、たくさんの人に支えてもらってここまできました。感謝の気持ちを走りで表したいです」
まさにその思いをすべてぶつける気持ちが走りに表れていた。第102回大会で2年連続となる9区を任された石岡は、5位でタスキを受け取ると、序盤からはハイペースで飛び出す。
「(長門俊介駅伝)監督からは、『落ち着いて』と言われていましたが、気持ちが入りすぎていたのか、結構突っ込んで入ってしまいました」。入りの5kmを13分50秒前後で通過し、3.7㎞付近で前を行く早大・小平敦之(3年)に追いつく。6㎞過ぎに引き離して4位に浮上すると、その後も区間記録を上回るペースで推移していった。
ハイペースの代償もあり、中盤以降は我慢のレースとなる。横浜駅前(14.5km)で再び早大にかわされたものの、「苦しくなってからも粘り強く走ることができたと思いますし、設定タイムをクリアできたので良かったです」。まさに主将としての意地を見せ、前回大会のタイムを1分23秒も上回る1時間8分23秒(区間5位)の好走だった。
わずか7秒差でシード権を逃した前回。「競技人生であそこまで悔しい気持ちを持ったのは初めてでした」と振り返る。そして、主将として大学ラストシーズンを迎えた。
トラックでは5月の全日本大学駅伝関東地区選考会10000mで自己新(28分40秒78)をマークし、10月の箱根駅伝予選会、11月の全日本大学駅伝(6区5位)と、「外さない走り」で存在感を出し続けてきた。
その一方で、「気持ちが強すぎて、最初の頃は空回りしたり、思い詰めたりもした」と、チームをまとめる役割には、多くの葛藤を抱えながら戦い続けてきた。
総合3位に食い込んだ順大を主将として牽引してきた石岡大侑[/caption]
第102回箱根駅伝で力走した選手たちがいる。優勝を手にしたり、区間賞に輝いたりした選手以外にもそれぞれの思いを胸に、タスキをつないだ。最終学年として迎えた選手たちの“最後”の奮闘を紹介する。
「外さない走り」で存在感
順大の主将・石岡大侑(4年)は、最後の箱根路を前に、意気込みを語っていた。 「この4年間、たくさんの人に支えてもらってここまできました。感謝の気持ちを走りで表したいです」 まさにその思いをすべてぶつける気持ちが走りに表れていた。第102回大会で2年連続となる9区を任された石岡は、5位でタスキを受け取ると、序盤からはハイペースで飛び出す。 「(長門俊介駅伝)監督からは、『落ち着いて』と言われていましたが、気持ちが入りすぎていたのか、結構突っ込んで入ってしまいました」。入りの5kmを13分50秒前後で通過し、3.7㎞付近で前を行く早大・小平敦之(3年)に追いつく。6㎞過ぎに引き離して4位に浮上すると、その後も区間記録を上回るペースで推移していった。 ハイペースの代償もあり、中盤以降は我慢のレースとなる。横浜駅前(14.5km)で再び早大にかわされたものの、「苦しくなってからも粘り強く走ることができたと思いますし、設定タイムをクリアできたので良かったです」。まさに主将としての意地を見せ、前回大会のタイムを1分23秒も上回る1時間8分23秒(区間5位)の好走だった。 わずか7秒差でシード権を逃した前回。「競技人生であそこまで悔しい気持ちを持ったのは初めてでした」と振り返る。そして、主将として大学ラストシーズンを迎えた。 トラックでは5月の全日本大学駅伝関東地区選考会10000mで自己新(28分40秒78)をマークし、10月の箱根駅伝予選会、11月の全日本大学駅伝(6区5位)と、「外さない走り」で存在感を出し続けてきた。 その一方で、「気持ちが強すぎて、最初の頃は空回りしたり、思い詰めたりもした」と、チームをまとめる役割には、多くの葛藤を抱えながら戦い続けてきた。4年ぶりのトップ3入り
それでも、「前回の悔しさを晴らすために、今年はきつい練習や苦しいことに耐えてこられました」。チーム全体を見ても、選手の意識が変わり、駅伝シーズンにつながる夏合宿も充実の消化ぶりだった。 箱根予選会を2位で突破すると、全日本大学駅伝でも8位に入って3年ぶりにシード権を獲得。総合力が高まっている確かな手応えがあった。 「5強崩し」を掲げて挑んだ箱根駅伝。往路は順位変動が目まぐるしいなか、5人全員が区間ひとケタにまとめて6位で折り返すと、「往路のメンバーがすごく頑張ってくれたので、さらに攻めていこうと話しました」という復路で徐々に順位を上げていく。 最後は石岡からタスキを受けたアンカーの山本悠(2年)が早大、中大を逆転し、4年ぶりのトップ3入りで5強の牙城をこじ開けた。 フィニッシュした山本を迎えたのは、9区を走り終えたばかりの石岡。「すごくきつかったけど、(フィニッシュに)間に合うように急ぎました」と、笑顔で主将としての役割をまっとうした。 「5強崩しという言葉をずっと発言してきましたが、前評判では厳しく、それがすごく悔しかったです。だからこそ、最高の結果を出せたことがうれしいです」と充実感に浸りつつ、「今回走った選手はもちろんですが、それ以外の選手も含めて、チーム全員が1年間頑張ってきた結果だと思います。全員に感謝したいと思います」と主将としての思いがにじむ。 すべてが報われた最高の結末を迎えた石岡の次なるステージは実業団。卒業後はOBの今井正人コーチが現役時代に所属していたトヨタ自動車九州で競技を続ける。 「この4年間はうまくいったことも、いかなかったこともありましたが、失敗した経験も無駄ではなかったと思います。競技に対する向き合い方など次につなげていきたいと思っています」。4年間の経験を今後の糧にしていく。 [caption id="attachment_127554" align="alignnone" width="800"]
2年連続の9区で区間5位と力走した石岡[/caption]
石岡大侑(いしおか・ひろゆき:順大)/2003年12月11日生まれ。鹿児島県出水市出身。鹿児島・出水中央高卒。自己ベストは5000m13分58秒51、10000m28分40秒78、ハーフ1時間3分10秒。
文/田中 葵 RECOMMENDED おすすめの記事
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