HOME 駅伝

2023.10.30

苦難、重圧乗り越えつかんだ7連覇!女王・名城大「この優勝がまた強くしてくれる」/全日本大学女子駅伝
苦難、重圧乗り越えつかんだ7連覇!女王・名城大「この優勝がまた強くしてくれる」/全日本大学女子駅伝

23年全日本大学女子駅伝で7連覇を達成した名城大

女王・名城大 7連覇メンバーの成績をチェック

1区(6.6km) 米澤奈々香(2年) 21.24(区間2位)
2区(4.0km) 力丸 楓(1年) 12.58(区間2位)
3区(5.8km) 石松愛朱加(2年) 18.52(区間1位)
4区(4.8km) 薮谷奈瑠(1年) 16.11(区間4位)
5区(9.2km) 原田紗希(2年) 30.18(区間4位)
6区(7.6km) 谷本七星(3年) 24.46(区間1位)

◇第41回全日本大学女子駅伝(10月29日/宮城・6区間38.0km) 第41回全日本大学女子駅伝が行われ、フィニッシュは前回までとは違う弘進ゴムアスリートパークに変更されたが、最も速くゴールテープを切ったのは、今年もエンジのユニフォームだった。3区で首位に立った女王・名城大が2時間4分29秒で7連覇。通算8回目の優勝を飾った。 1区の米澤奈々香(2年)が、区間賞で全日本デビューを果たした前回同様、スターターを務めた。今季は故障が相次ぎ、6月以来となる実戦レースに、「夏に練習を積めなかったので、不安や焦りがあった」と明かす。だが、終始、集団の前方でレースを進め、最後まで立命大・村松灯(3年)と区間賞争いをする粘りを見せた。 2位でタスキを受けた力丸楓(1年)は、地元の仙台一高出身。高校3年生だった1年前は、沿道で名城大の強さを目の当たりにし、「こんなに強いチームで自分は来年からやっていけるんだろうか」と感じていたという。それでも、3km過ぎに首位を奪った後、「ラスト1kmぐらいから進まなかった」と立命大に再逆転を許したが、「高校の後輩や支えてくださった方の声援を力に変えて、持てる力を出し切れた」と2位をキープする。 前回2区で区間賞を獲得した3区の石松愛朱加(2年)は、シーズンを通して故障者が多かったチームの中で、離脱することなくチームを引っ張ってきた数少ない選手の1人。チームメイトに伝えていたのは、「どの順位で来ても、私が何とかするから大丈夫」という力強い言葉。それを表現するかのように、6秒前に走り始めた立命大を1km過ぎに捕らえると、3.2kmで一気に引き離し、逆に31秒のリードを奪った。 名城大の米田勝朗監督が描いたプランが、「3区の石松のところで先頭に立ってほしい」。この日、20歳の誕生日を迎えた石松が区間賞の快走でそれに応え、チームを勢いづけた。 「名城大にすごくあこがれがあった」と今春入学した薮谷奈瑠(1年)は、「そのぶん、今までにないぐらい緊張してしまった」と、立命大に13秒差に追い上げられた。 「5区には強い選手が集まってくる。もし自分が抜かれて7連覇を途絶えさせてしまったらどうしようと不安だった」と話す原田紗希(2年)も、2位に浮上していた大東大のサラ・ワンジル(1年)に少しずつ差を詰められていた。 薮谷と原田はいずれも区間4位。米田監督は5区終了時点で追いかける展開も想定していたが、全日本初出場の2人が首位を明け渡すことはなかった。そのあたりにも女王のプライド、名城大の強さが垣間見える。 2年連続4区区間賞の谷本七星(3年)が今回は最終区を任されたのは、アンカー勝負を見据えてのことだった。それだけ米田監督やチームメイトから絶対的な信頼を寄せられていた。 原田からトップでタスキを受けた時は、2位・大東大とは15秒の貯金しかなかったが、谷本は「気持ち良くスタートできた」と言う。走りながら頭に浮かんでいたのは、「今まで一緒にがんばってきたメンバーの顔」だった。「早くみんなが待つゴールへ」という思いが、激しい2位争いを繰り広げる立命大と大東大を大きく引き離す原動力になったのかもしれない。 故障や不調、連覇を続けてきたゆえの重圧もあっただろう。苦しんで苦しんで、ようやくつかんだ栄冠だった。レース後の米澤の言葉が印象的だ。 「去年以上に厳しい状況だったからこそ、チームとして優勝できたのは本当にうれしくて、終わった後は安堵の涙が出ました」 米田監督は「選手たちが想定以上にがんばってくれました。みんなの気持ちが一つになって、この結果を残すことができました」と奮闘した選手を称えた。そして、「この優勝が来年度以降、彼女たちをまたさらに強くしてくれる」とも語る。 その言葉には、これでもなお、「ここが終着点ではない」という決意のような思いが感じられた。 文/小野哲史

女王・名城大 7連覇メンバーの成績をチェック

1区(6.6km) 米澤奈々香(2年) 21.24(区間2位) 2区(4.0km) 力丸 楓(1年) 12.58(区間2位) 3区(5.8km) 石松愛朱加(2年) 18.52(区間1位) 4区(4.8km) 薮谷奈瑠(1年) 16.11(区間4位) 5区(9.2km) 原田紗希(2年) 30.18(区間4位) 6区(7.6km) 谷本七星(3年) 24.46(区間1位)

次ページ:

ページ: 1 2

       

RECOMMENDED おすすめの記事

    

Ranking 人気記事ランキング 人気記事ランキング

         

Latest articles 最新の記事

2026.05.01

ドラマ「俺たちの箱根駅伝」 主演・大泉洋さんも撮影スタート 「“理想の上司ランキング”上位を狙います」

人気作家・池井戸潤氏の小説を原作とした日本テレビ系ドラマ「俺たちの箱根駅伝」(2026年10月放送開始予定)の撮影が進んでおり、このほど主演の大泉洋さんがクランクインを迎えた。 作品では、箱根駅伝に2年連続で出場を逃した […]

NEWS 日本陸連 今年のインターハイ主催決定 7日間開催で調整、全中なども主催決める

2026.04.30

日本陸連 今年のインターハイ主催決定 7日間開催で調整、全中なども主催決める

日本陸連の臨時理事会が4月30日に開かれ、暑熱下での実施が予想される7、8月の競技会の主催について議論し、中高生の全国大会となる今年のインターハイ、全中、全国高校定通制陸上について主催することを決めた。 日本陸連はこれま […]

NEWS 木南記念のクラウドファンディングを実施「世界から大阪へ!大阪から世界へ!」 リターンにはフィニッシュライン特別観覧席も

2026.04.30

木南記念のクラウドファンディングを実施「世界から大阪へ!大阪から世界へ!」 リターンにはフィニッシュライン特別観覧席も

5月10日に大阪・ヤンマースタジアム長居で開催される第13回木南記念に向けて、主催の大阪陸協がクラウドファンディングを実施している。 木南記念は日本グランプリシリーズのほか、世界陸連(WA)のコンチネンタルツアー・ブロン […]

NEWS 【学生長距離Close-upインタビュー】関東インカレ1部3位の東海大・中野純平 得意のロード力で「ガンガン攻める走りを」

2026.04.30

【学生長距離Close-upインタビュー】関東インカレ1部3位の東海大・中野純平 得意のロード力で「ガンガン攻める走りを」

「チームを引っ張る存在になりたい」 その根源は大学入学前にあった。中学、高校時代は大きな実績を残すことはできなかったが、陸上選手としての土台を積み上げてきた時期。特に長崎・清峰高時代には、「恩師」と語る米田れい子先生の指 […]

NEWS 富士通・中村風馬が現役引退 帝京大時代に箱根2区出走 「マラソンを走って競技を終えることができて幸せ」

2026.04.30

富士通・中村風馬が現役引退 帝京大時代に箱根2区出走 「マラソンを走って競技を終えることができて幸せ」

富士通は4月30日、同日付で男子長距離の中村風馬が現役を引退することを発表した。 中村は滋賀県出身の26歳。中学時代から近畿大会に出場するなど活躍し、草津東高を経て18年に帝京大に進学する。大学2年目の関東インカレ(2部 […]

SNS

Latest Issue 最新号 最新号

2026年5月号 (4月14日発売)

2026年5月号 (4月14日発売)

2026シーズン展望
中距離特集ほか

page top