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2025.10.25

前回2位の大東大・外園監督「11回目のシルバーはもういらない」 名城大は「過去最強」/全日本大学女子駅伝
前回2位の大東大・外園監督「11回目のシルバーはもういらない」 名城大は「過去最強」/全日本大学女子駅伝

前回2位で悲願の優勝を狙う大東大。4区・蔦野萌々香(左)からサラ・ワンジルへのタスキリレー

◇第43回全日本大学女子駅伝(10月26日/宮城・弘進ゴムアスリートパーク仙台発着6区間38.0km)

第43回全日本大学女子駅伝を翌日に控えた10月25日、開会式と前日会見が行われた。

会見に参加したのは、前回1~8位を占めた立命大の杉村憲一監督、大東大の外園隆監督、城西大の赤羽周平監督、名城大の米田勝朗監督、東北福祉大の冠木雅守監督、大阪学大の弘潤一監督、拓大の五十嵐利治監督、筑波大の榎本靖士監督の8名。それぞれ大会に懸ける意気込みや目標などを述べた。

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大東大は、外園監督が「シルバーコレクターと言われてからもう長いんです」と自嘲気味に話すように、前回大会を含め、過去14回の出場で準優勝10回。選手たちも「11回目のシルバーはもういらない。ここで勝たないとこの先どうなるんだ」という危機感を持ち、日々のトレーニングに励んできたという。

それが激しいチーム内競争を生み、秋竹凛音や成瀬結菜(ともに1年)といった新戦力がチームに厚みをもたらした。終盤の長距離区間には、エースのサラ・ワンジルと野田真理耶(ともに3年)を配置。外園監督は「2人で優勝を決定づける走りをしたい。これが大東のケンカ走法です」と、悲願の初優勝に向けて意気込んだ。

前回、2004年以来のトップスリーとなる3位入賞を果たした城西大も、学生たち自身で「優勝」を目標に掲げた。赤羽監督にとっては「大学で指導を始めて8年目で初めてのこと」だったが、それが決して不可能とは感じないほどに今季の戦力は充実している。

「本学の最高戦力は1年生の本間香。100点では少し足らないので、1区の本間で最高の流れを作り、全員が105点ぐらい出せれば優勝が近づくと思います」というのがレースプラン。アンカーに入った主将の金子陽向(4年)は、2000年以来、25年ぶりとなる優勝のフィニッシュテープを切れるだろうか。

前回4位で8連覇を逃した名城大は、2年ぶりの王座奪還に燃えている。米田監督は「最後のメンバー争いで14人がほぼ同じレベルになり、選手層は私が指導してきた中で過去最強」と話す。

「明日走るメンバーは5000mの自己ベストが全員15分台。シーズンベストでも6番目の選手が16分ちょうどですから、1番レベルの高い6人を選ぶことができました」と充実の表情を浮かべた。

1区と5区に起用された細見芽生と橋本和叶のルーキーコンビも注目だが、米田監督は2~4区を担う大河原萌花、主将の米澤奈々香、石松愛朱加の「4年生3人がカギ」と明言。黄金時代を知る最上級生を軸に前回の雪辱を果たす。

地元の東北福祉大は、前々回8位で初めてシード権を獲得し、前回は下級生だけのオーダーで5位と躍進した。その5位を冠木監督は「ラッキーだった」と捉え、今年度は自力で「5位を取りに行く」ことをテーマに取り組んできた。オーダーは1~4区の配置こそ入れ替えたものの、前回と全く同じ6人だ。

ただ、それぞれにレベルアップを遂げ、なかでも3区に入った佐々木菜月(3年)には、「昨年の村松灯さん(立命大/現・ダイハツ)が作った18分45秒の区間記録に近い記録を出せる」(冠木監督)と自信を持つ。「3区をリスタートと考え、うまく流れを作れれば」、前回以上の快走もあるかもしれない。

2014年から11年連続でシード権を獲得中の大阪学大は、昨年度の強力な4年生3人が春に卒業。弘監督は「今年は弱くなったんじゃないかという声が周りから聞こえていましたが、選手たちは逆にそこから奮起して力をつけ、1つまとまってきた。昨年以上の力を発揮する可能性もあります」と手応えを口にする。

経験者の主将・山下彩菜(4年)や千葉妃華(3年)らが良い流れを作り、アンカーの古澤由奈(1年)へとつなげられるか。弘監督は「まずは5位以内にしっかり入り、強豪校の仲間入りをしたい」と力を込めた。

前回7位の拓大は、大エースだった不破聖衣来(現・三井住友海上)が抜け、今回は1年生3人、2年生2人、3年生1人というフレッシュなオーダーで挑む。五十嵐監督はミーティングで、「今年を乗り切れば、来年は同じ戦力に新たな戦力をプラスして戦える。だから今年をしっかり乗り切ろう」と選手に伝えたという。

1区の岩崎麻知子(3年)と5区の三宅 優姫(2年)以外は初の大舞台になるが、目標はシード権獲得。五十嵐監督は「まずは今出せる自分の力を十分に発揮すること。それができれば最終的に順位はついてくる」と考えている。

昨年度は白川朝陽や鈴木美海(ともに2年)ら、強い新入生がチームに勢いをもたらし、前回大会で12年ぶりにシード権を獲得。今回も2~6区の5人は下級生が担う。

それでも榎本監督は「今年はキャプテン・小松(夕夏、4年)のチーム」と信頼し、「彼女が1区に行くと言ってくれたので、何とか良い位置で持ってきてもらい、後輩たちがそれを報いるような走りをしてほしい」と話す。

目指すのは3位以内。「競り合いの中で、わくわくドキドキするようなレース展開をしたいです」と、明日の大一番を心待ちにしていた。

レースは10月26日12時10分スタートで、26チームが出場。日本テレビ系列で12時00分から生中継され、TVerによるライブ配信も行われる。

文/小野哲史

◇第43回全日本大学女子駅伝(10月26日/宮城・弘進ゴムアスリートパーク仙台発着6区間38.0km) 第43回全日本大学女子駅伝を翌日に控えた10月25日、開会式と前日会見が行われた。 会見に参加したのは、前回1~8位を占めた立命大の杉村憲一監督、大東大の外園隆監督、城西大の赤羽周平監督、名城大の米田勝朗監督、東北福祉大の冠木雅守監督、大阪学大の弘潤一監督、拓大の五十嵐利治監督、筑波大の榎本靖士監督の8名。それぞれ大会に懸ける意気込みや目標などを述べた。 大東大は、外園監督が「シルバーコレクターと言われてからもう長いんです」と自嘲気味に話すように、前回大会を含め、過去14回の出場で準優勝10回。選手たちも「11回目のシルバーはもういらない。ここで勝たないとこの先どうなるんだ」という危機感を持ち、日々のトレーニングに励んできたという。 それが激しいチーム内競争を生み、秋竹凛音や成瀬結菜(ともに1年)といった新戦力がチームに厚みをもたらした。終盤の長距離区間には、エースのサラ・ワンジルと野田真理耶(ともに3年)を配置。外園監督は「2人で優勝を決定づける走りをしたい。これが大東のケンカ走法です」と、悲願の初優勝に向けて意気込んだ。 前回、2004年以来のトップスリーとなる3位入賞を果たした城西大も、学生たち自身で「優勝」を目標に掲げた。赤羽監督にとっては「大学で指導を始めて8年目で初めてのこと」だったが、それが決して不可能とは感じないほどに今季の戦力は充実している。 「本学の最高戦力は1年生の本間香。100点では少し足らないので、1区の本間で最高の流れを作り、全員が105点ぐらい出せれば優勝が近づくと思います」というのがレースプラン。アンカーに入った主将の金子陽向(4年)は、2000年以来、25年ぶりとなる優勝のフィニッシュテープを切れるだろうか。 前回4位で8連覇を逃した名城大は、2年ぶりの王座奪還に燃えている。米田監督は「最後のメンバー争いで14人がほぼ同じレベルになり、選手層は私が指導してきた中で過去最強」と話す。 「明日走るメンバーは5000mの自己ベストが全員15分台。シーズンベストでも6番目の選手が16分ちょうどですから、1番レベルの高い6人を選ぶことができました」と充実の表情を浮かべた。 1区と5区に起用された細見芽生と橋本和叶のルーキーコンビも注目だが、米田監督は2~4区を担う大河原萌花、主将の米澤奈々香、石松愛朱加の「4年生3人がカギ」と明言。黄金時代を知る最上級生を軸に前回の雪辱を果たす。 地元の東北福祉大は、前々回8位で初めてシード権を獲得し、前回は下級生だけのオーダーで5位と躍進した。その5位を冠木監督は「ラッキーだった」と捉え、今年度は自力で「5位を取りに行く」ことをテーマに取り組んできた。オーダーは1~4区の配置こそ入れ替えたものの、前回と全く同じ6人だ。 ただ、それぞれにレベルアップを遂げ、なかでも3区に入った佐々木菜月(3年)には、「昨年の村松灯さん(立命大/現・ダイハツ)が作った18分45秒の区間記録に近い記録を出せる」(冠木監督)と自信を持つ。「3区をリスタートと考え、うまく流れを作れれば」、前回以上の快走もあるかもしれない。 2014年から11年連続でシード権を獲得中の大阪学大は、昨年度の強力な4年生3人が春に卒業。弘監督は「今年は弱くなったんじゃないかという声が周りから聞こえていましたが、選手たちは逆にそこから奮起して力をつけ、1つまとまってきた。昨年以上の力を発揮する可能性もあります」と手応えを口にする。 経験者の主将・山下彩菜(4年)や千葉妃華(3年)らが良い流れを作り、アンカーの古澤由奈(1年)へとつなげられるか。弘監督は「まずは5位以内にしっかり入り、強豪校の仲間入りをしたい」と力を込めた。 前回7位の拓大は、大エースだった不破聖衣来(現・三井住友海上)が抜け、今回は1年生3人、2年生2人、3年生1人というフレッシュなオーダーで挑む。五十嵐監督はミーティングで、「今年を乗り切れば、来年は同じ戦力に新たな戦力をプラスして戦える。だから今年をしっかり乗り切ろう」と選手に伝えたという。 1区の岩崎麻知子(3年)と5区の三宅 優姫(2年)以外は初の大舞台になるが、目標はシード権獲得。五十嵐監督は「まずは今出せる自分の力を十分に発揮すること。それができれば最終的に順位はついてくる」と考えている。 昨年度は白川朝陽や鈴木美海(ともに2年)ら、強い新入生がチームに勢いをもたらし、前回大会で12年ぶりにシード権を獲得。今回も2~6区の5人は下級生が担う。 それでも榎本監督は「今年はキャプテン・小松(夕夏、4年)のチーム」と信頼し、「彼女が1区に行くと言ってくれたので、何とか良い位置で持ってきてもらい、後輩たちがそれを報いるような走りをしてほしい」と話す。 目指すのは3位以内。「競り合いの中で、わくわくドキドキするようなレース展開をしたいです」と、明日の大一番を心待ちにしていた。 レースは10月26日12時10分スタートで、26チームが出場。日本テレビ系列で12時00分から生中継され、TVerによるライブ配信も行われる。 文/小野哲史

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