広島で行われているインターハイの男子100mで、高校2年生の清水空跳(星稜・石川)が桐生祥秀(洛南高、現・日本生命)の高校記録を0.01秒塗り替える10秒00(+1.7)をマークして優勝した。
18歳未満の世界歴代最高という衝撃の記録は、今年9月の東京世界選手権の参加標準記録をちょうどクリアするものだった。
これにより、16歳(早生まれ)にして日本代表候補に名乗りを上げた清水。8月24日までが有効期間となる代表争いはどうなるか。
世界選手権の代表は各種目最大3枠。参加標準記録突破か、ワールドランキングでターゲットナンバー(出場枠48)に入った選手から選考される。
日本陸連が定めた内定条件の、「日本選手権終了までに参加標準記録突破+日本選手権3位以内」をクリアした選手はおらず、現在内定者はいない。
昨年のパリ五輪で9秒96を出しているサニブラウン・アブデル・ハキーム(東レ)に加え、清水が新たに標準突破。次にターゲットナンバーに入っているのは栁田大輝(東洋大)だ。
ただ、先日の海外競技会で10秒0台を連発した桐生がポイントを上積みしてターゲットナンバーに入る見込みとなる。
このまま行けば、サニブラウン、清水、桐生が出場資格を得て代表入りに近づく。ただし、代表選考要項の優先順では日本選手権の成績も大事になる。日本選手権入賞者が①参加標準記録を突破、②ターゲットナンバー入りの順で選考される見込みだ。なお、日本選手権ではサニブラウンはケガのため予選敗退、栁田は不正スタート(フライング)で失格している。
また、日本選手権入賞者以外であれば、参加標準記録突破者から優先され、複数いる場合はワールドランキング(Road to Tokyo)の順位が優先される。このあと、仮に栁田が参加標準記録を突破した場合は、清水よりも栁田が優先されるという選考基準になっている。
12年前に桐生が10秒01を出してから日本短距離が大きく動いたように、高校生の快走にシニアも黙ってはいないはず。8月24日の有効期間終了まで、激しい代表争いとなりそうだ。
東京世界選手権の代表選考基準
※日本陸連発表のものを一部抜粋(丸数字は優先順位) 5)日本選手権8位以内の成績を収めた競技者で、参加標準記録有効期間内に参加標準記録を満たした競技者。 ① 日本選手権の成績 ② 参加標準記録有効期間内の記録 6)日本選手権8位以内の成績を収めた競技者で、「Road to Tokyo」により本大会の参加資格を得た競技者。 ① 日本選手権の成績 ② 「Road to Tokyo」の順位 ③ 参加標準記録有効期間内の記録 7)参加標準記録有効期間内に参加標準記録を満たした競技者。 ① 「Road to Tokyo」の順位 ② 参加標準記録有効期間内の記録 8)「Road to Tokyo」により本大会の参加資格を得た競技者。 ① 「Road to Tokyo」の順位 ② 参加標準記録有効期間内の記録RECOMMENDED おすすめの記事
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