HOME 海外

2024.02.16

81日で4種目の世界記録を樹立した伝説的ランナー ヘンリー・ロノ氏が72歳で死去
81日で4種目の世界記録を樹立した伝説的ランナー ヘンリー・ロノ氏が72歳で死去

72歳で亡くなったロノ氏

2月15日、男子長距離のヘンリー・ロノ氏(ケニア)が亡くなった。2月12日に72歳の誕生日を迎えたばかりだった。

ロノ氏は1952年生まれ。ケニア・キプタラゴンで生まれ、73年にケニア陸軍に入隊してから本格的に走りはじめ、76年のモントリオール五輪の3000m障害と5000mで代表に選ばれたものの、大会直前にアフリカ諸国の五輪ボイコット運動に巻き込まれて出場を果たせなかった。

広告の下にコンテンツが続きます

しかし、その後、米国・ワシントン州立大のジョン・チャプリン・コーチの紹介で奨学生として渡米。以後は米国を拠点として活動を続けた。

その名が轟いたのは78年。4月8日に5000mで13分08秒4の世界記録を樹立すると、5月8日には3000m障害で8分05秒4と再び世界記録を更新。いずれも独走のなかで誕生した記録で、当時の常識を覆すものだった。

さらに6月11日には10000mで27分22秒4と、人類史上初めて27分30秒切りを達成。2週間後の27日には3000mでも7分32秒1と世界記録を上回り、わずか81日で長距離4種目の世界記録を塗り替える偉業を成し遂げ、3000m障害と3000mの記録はその後10年以上破られなかった。

ロノ氏は78年に屋外レースで31連勝を記録。全アフリカ大会、英連邦大会などを制した。5000mでは81年にも13分06秒20と世界記録を更新したが、五輪は80年のモスクワ大会もケニアがボイコットしたため、縁が無かった。

広告の下にコンテンツが続きます

92年に引退した後は教員の資格を取得し、コーチとして働いていた。

2月15日、男子長距離のヘンリー・ロノ氏(ケニア)が亡くなった。2月12日に72歳の誕生日を迎えたばかりだった。 ロノ氏は1952年生まれ。ケニア・キプタラゴンで生まれ、73年にケニア陸軍に入隊してから本格的に走りはじめ、76年のモントリオール五輪の3000m障害と5000mで代表に選ばれたものの、大会直前にアフリカ諸国の五輪ボイコット運動に巻き込まれて出場を果たせなかった。 しかし、その後、米国・ワシントン州立大のジョン・チャプリン・コーチの紹介で奨学生として渡米。以後は米国を拠点として活動を続けた。 その名が轟いたのは78年。4月8日に5000mで13分08秒4の世界記録を樹立すると、5月8日には3000m障害で8分05秒4と再び世界記録を更新。いずれも独走のなかで誕生した記録で、当時の常識を覆すものだった。 さらに6月11日には10000mで27分22秒4と、人類史上初めて27分30秒切りを達成。2週間後の27日には3000mでも7分32秒1と世界記録を上回り、わずか81日で長距離4種目の世界記録を塗り替える偉業を成し遂げ、3000m障害と3000mの記録はその後10年以上破られなかった。 ロノ氏は78年に屋外レースで31連勝を記録。全アフリカ大会、英連邦大会などを制した。5000mでは81年にも13分06秒20と世界記録を更新したが、五輪は80年のモスクワ大会もケニアがボイコットしたため、縁が無かった。 92年に引退した後は教員の資格を取得し、コーチとして働いていた。

次ページ:

       

RECOMMENDED おすすめの記事

    

Ranking 人気記事ランキング 人気記事ランキング

Latest articles 最新の記事

2024.05.15

日本陸連 パリ五輪代表選考要項を訂正 参加資格得られる参加標準記録に誤り

日本陸連は5月15日、今夏のパリ五輪の代表選考要項の一部を訂正したと発表した。 昨年9月20日に発表されたパリ五輪の「トラック&フィールド種目日本代表選考要項」の中にある各種目の出場資格獲得の条件となる「参加標準記録」を […]

NEWS ダイヤモンドリーグ・ユージン110mHに泉谷駿介エントリー 世界選手権トップ5集結しハイレベルな争いの予感

2024.05.15

ダイヤモンドリーグ・ユージン110mHに泉谷駿介エントリー 世界選手権トップ5集結しハイレベルな争いの予感

陸上の最高峰・ダイヤモンドリーグ(DL)の主催者はこのほど、ユージン大会(米国、5月25日)での一部種目のエントリー選手を発表し、男子110mハードルに23年世界選手権5位の泉谷駿介(住友電工)が登録された。 泉谷の他に […]

NEWS 富士山の銘水のポール・オニエゴが退部 21年箱根駅伝で4区区間賞を獲得

2024.05.15

富士山の銘水のポール・オニエゴが退部 21年箱根駅伝で4区区間賞を獲得

富士山の銘水は5月15日、所属するポール・オニエゴが4月30日付で退社、帰国したこと明らかにした。 オニエゴはケニア南西部のキシイ出身。18歳で来日し、山梨学大に入学した。大学2年までは目立った活躍はなかったものの、20 […]

NEWS セイコーGGP 佐藤圭汰がコンディション不良で5000m欠場 男子110mHでパリ標準突破の野本周成が欠場、ブダペスト代表・横地が追加出場

2024.05.15

セイコーGGP 佐藤圭汰がコンディション不良で5000m欠場 男子110mHでパリ標準突破の野本周成が欠場、ブダペスト代表・横地が追加出場

日本陸連は5月15日、セイコーゴールデングランプリ陸上2024東京(5月19日/東京・国立競技場)の欠場選手と追加登録選手を発表した。 男子5000mでは室内(1周200m)で日本歴代2位の13分09秒45をマークした佐 […]

NEWS ダイヤモンドリーグ・マラケシュのエントリー発表! 3000m障害三浦龍司が王者エル・バッカリやキビウォトと対決 円盤投世界記録保持者アレクナが参戦

2024.05.15

ダイヤモンドリーグ・マラケシュのエントリー発表! 3000m障害三浦龍司が王者エル・バッカリやキビウォトと対決 円盤投世界記録保持者アレクナが参戦

世界最高峰のリーグ戦・ダイヤモンドリーグ(DL)の主催者は、5月19日にモロッコで行われるマラケシュ大会のエントリーを発表した。 日本からは男子3000m障害の三浦龍司(SUBARU)がただ1人参戦。10日のDLドーハで […]

SNS

Latest Issue 最新号 最新号

2024年6月号 (5月14日発売)

2024年6月号 (5月14日発売)

別冊付録学生駅伝ガイド

page top