2026.10.30
吉田選手のプロフィールをチェック!
◎よしだ・せい/2008年8月10日生まれ。北海道札幌市出身。上野幌中―東海大札幌高。中学校から陸上を始めると、2年生で全中1500mに出場を果たす。3年生では愛媛全中3000mを制した。鹿児島特別国体少年B3000mでは予選落ちだったが、翌年1月の全国都道府県対抗駅伝6区で区間賞を獲得。高校入学後は1年時から1500mと5000mでインターハイ出場。佐賀国民スポーツ大会少年B3000mを制し、前年の雪辱を果たした。2年生では7月中旬に5000mで13分35秒14の高2歴代2位をマーク。インターハイでは1500mで高2最高の3分42秒27で総合4位。5000mはインターハイこそ総合14位だったが、滋賀国スポ少年Aでは4位入賞を遂げている。全国都道府県対抗駅伝1区では6位で中継した。3年生となった今シーズンは5000mで日本選手権に出場。インターハイ1500mを制覇し、5000mで2位に入っている。自己ベストは1500m3分42秒27(25年/高校歴代7位、高2最高)、5000m13分35秒14(25年/高2歴代2位)
高校は「北海道に残って良かった」
――10月11日の北海道高校駅伝では、吉田選手が1区で区間賞(29分12秒)に輝き、チームは地区代表の2位(2時間8分05秒)で出場を決めました。 吉田 インターハイが終わってから全道駅伝(北海道高校駅伝)に向けてロード仕様の練習にシフトしました。これまでロードであまり良い思い出がなかったので、「ロードでもしっかり走れるんだぞ」というところを見せたいと、目標タイムは28分20秒に設定して臨みました。4kmぐらいから腹筋をつってしまい、耐える走りになりましたが、そのような状態でも29分12秒でまとめられたことは自信になりました。 チームとしては、2時間4分台を出せる想定で進めていたので、自分のアクシデントがチーム全体の流れに影響してしまった不甲斐なさがあります。でも、全国大会に向けて何がダメだったのかを見つめ直す良いきっかけになりました。――吉田選手は都大路で過去2回、1区を走っています。その経験を今年はどのように生かしたいですか。 吉田 コースの起伏や仕掛けどころは熟知しているつもりです。1、2年生の時の各校の先輩たちは、自分に自信を持ってレースを引っ張っていたので、自分もそういう走りをしたいです。万全なら区間賞は確実に取れると思っていますし、目標は28分35秒。3年間の高校駅伝に対する思いをぶつけて、世代最強というのを証明したいです。チームでは入賞を目指しています。――今季はトラックでも大活躍でした。自己評価はいかがですか。 吉田 春先はうまく走れず、一度練習内容を立て直しました。その後、レースを重ねるたびに課題が見つかっていき、それをつなげられたのがインターハイ路線です。ただ、「終わり良ければすべて良し」と言うように、これからの(11月に出場予定の)記録会でのトラックレースや駅伝がすべて終わらないと、1年間の点数をつけることはできません。――1500mで優勝し、5000mでも2位を占めた滋賀インターハイはインパクトがありました。 吉田 1500mは負けるつもりはなかったので、優勝したことに驚きや特別な感情はありません。むしろ、タイム(3分44秒31)があまり良くなかったので、「まだまだだな」と痛感させられました。インターハイでは、どちらかと言えば5000mの印象が強くて、ボイ・ビリス君(札幌山の手2)が先行してくれたおかげで、良いレースができました。やっぱり勝ちたかったですが、全力は出し切れました。――同じ北海道で、これまで何度も戦ってきたボイ・ビリス選手はどういう存在ですか。 吉田 自分は同じレースで走るからには、年齢も国籍もなく勝ちたいと思っています。だから身近な北海道に、自分より速いビリス君がいて、何度も勝負をさせてもらえる環境は本当に幸せだなと感じています。高校進学の際、北海道に残って良かったです。――練習の中で特に意識していることは。 吉田 がむしゃらにやり過ぎないで、計画的にやることです。試合前など落とす時は落とすことを心掛けています。他には、たとえばインターバルで10本やるなら、ラスト1本なら誰でも上げようと思いますが、自分はラスト2本からしっかり上げます。そこでメンタルも鍛えられます。また、「ちょっとだるいな、面倒だな」と思った時こそが成長のするタイミングと思って、気持ちを切り替え、身体を動かすようにしています。――顧問の大井貴博先生からの指導で印象に残って言葉を教えてください。 吉田 「いろいろなことを考えなさい」ということと、「謙虚でいなさい」ということです。人からやらされるだけでは強くなれないですし、謙虚な姿勢も自分の理想に近いので、そこは常に意識しています。――高校に入って「会心だった」と思えるレースは。 吉田 満足できた試合は少ないですが、今年のインターハイの5000mは、限界を迎えていたにもかかわらず、しっかりチャレンジできました。もう1つ挙げるとしたら、3000mで優勝した1年時の国民スポーツ大会です。前年は予選落ちという不甲斐ない結果で、その年も直前に体調不良になってしまいましたが、最後は勝ちたい思いを妥協せずにぶつけられた。一度も前を譲らずに走れたのもあり、100点に近い内容でした。――目標にしている選手やあこがれの選手は。 吉田 勝ちたい選手はたくさんいて、合宿でもよく一緒になった1学年上の増子陽太さん、本田桜二郎さん、新妻遼己さん(いずれも早大1年)は、大学でも活躍していてすごいですが、あこがれではなく、いつか勝ちたい選手です。――高校卒業後の目標は。 吉田 トラックで活躍してオリンピックに出たいです。大学に進めば強い方々との接点も増えていくと思うので、失敗してもいいのでチャレンジして、2028年ロサンゼルスオリンピックやその次の2032年ブリスベンオリンピックも狙っていきたいです。名前の由来は聖書から
――陸上を始めたきっかけは。 吉田 小学生の頃はサッカーをやっていて、ウォーミングアップの5分間走や10分間走ではいつも断トツのトップで走れていました。中学校に上がる際、サッカーのクラブチームのセレクションを受けたのですが、2次選考で落ちてしまいました。そこで父(牧人さん)が高校の陸上部顧問をやっていたこともあり、楽しさも知っていた陸上の長距離をやろうと。ただ、中学には陸上部がなかったので、父が勤務する学校で高校生と一緒に練習させてもらっていました。――中学生のチームメイトがおらず、寂しくなかったですか。 吉田 長距離は自分との戦いなので、1人で練習することも多かったですが、孤独感はありませんでした。サッカーのようなチーム競技をやっていた身からすると、むしろ自由でした。――中学時代は3000mで全中優勝、都道府県駅伝6区区間賞と中学では世代トップランナー。多くの強豪校から声がかかったと思いますが、東海大札幌に進んだ理由は。 吉田 進学先で考えたのは、たまに練習に参加させてもらっていた東海大札幌で強くなるか、道外に出るかの二択でした。でも、全中で(北海道の学校にいて)日本一を取れたので、北海道を出る必要はないんじゃないかなと。また、東海大札幌は大学(東海大北海道)の施設とも併設されていて、練習環境が充実していますし、母も自分のために栄養管理士の資格を取りました。それに何より大井貴博先生のそばで続けたいという思いが強かったからです。――高校に入学した当初の目標は。 吉田 5000mの当時の北海道高校記録(13分59秒82)更新でした。ただ、1年生でそれを塗り替えて(13分54秒79)からは、「記録に縛られ過ぎるのも良くない」と思い、今はどんな試合でも全力を出しきることが第一と考えています。――毎日の練習時間はどれくらいですか。 吉田 学校がある日は、朝練が1時間、午後は1時間半ぐらいで、午後のメニューは監督が考えてくださるので、それをもとに朝練は自分で考えてやることが多いです。学校がない日は2部練になることもあります。――今でもお父さんから指導を受けているのですか。 吉田 フィジカルトレーニングをたまに教えてもらうことはありますが、お互いにあまり時間が合わないので、一緒に走ることは今はほとんどないですね。 [caption id="attachment_220747" align="alignnone" width="2560"]
1500mを優勝する吉田選手(26年インターハイ)[/caption]
――部活動以外での学校生活は充実していますか。
吉田 おもしろい話をしてくれる先生も多いですし、クラスメイトも人に恵まれているので、楽しく学校生活を過ごしています。――得意な教科や好きな教科は。
吉田 生物は身体のこととか、暗記だけで終わらないのが楽しいです。あと、家庭科は筆記も実技も得意です。――部活動が休みの日は、どんなふうに過ごしていますか。
吉田 陸上部のチームメイトや他の友達と、ご飯を食べに行ったり、温泉に行ってリフレッシュしたりしています。――お母さんがいろいろと気を使って料理をしてくれるそうですが、好きな食べ物は。
吉田 お母さんが作ってくれる料理はどれも好きですが、強いて挙げるならハンバーグと餃子です。――陸上以外で今、夢中になっているものは。
吉田 ずっと続けているのは読書です。自己啓発本とか東野圭吾さんや朝井リョウさんの長編小説をよく読んでいます。本から学べることは多いです。最近は自分の影響からか、クラスでも読書ブームになっていて、すごく楽しいです。――ご自身の性格を自己分析すると、どんなタイプだと思いますか。
吉田 周りの人からはよく「真面目だね」と言われますが、陸上部のチームメイトからは「変わっている」と言われます(笑)。ジョギングのペースが1人だけ速かったり、熱量がありすぎるのかもしれません。――お名前の「星」がかっこいいですね。
吉田 聖書の「ベツレヘムの星」に由来していて、自分も「その星のように人を導けるような人になるように」と両親がつけてくれました。自分の名前は気に入っています。――最後に、陸上にかかわらず将来の夢はありますか。
吉田 将来は、人に夢を与えられるような人間になることと、未来の自分を見て「かっこいいな」と思えるような人間になりたいです。今は陸上をがんばって、その後のキャリアは未来に任せたいと思っています。構成/小野哲史吉田選手のプロフィールをチェック!
◎よしだ・せい/2008年8月10日生まれ。北海道札幌市出身。上野幌中―東海大札幌高。中学校から陸上を始めると、2年生で全中1500mに出場を果たす。3年生では愛媛全中3000mを制した。鹿児島特別国体少年B3000mでは予選落ちだったが、翌年1月の全国都道府県対抗駅伝6区で区間賞を獲得。高校入学後は1年時から1500mと5000mでインターハイ出場。佐賀国民スポーツ大会少年B3000mを制し、前年の雪辱を果たした。2年生では7月中旬に5000mで13分35秒14の高2歴代2位をマーク。インターハイでは1500mで高2最高の3分42秒27で総合4位。5000mはインターハイこそ総合14位だったが、滋賀国スポ少年Aでは4位入賞を遂げている。全国都道府県対抗駅伝1区では6位で中継した。3年生となった今シーズンは5000mで日本選手権に出場。インターハイ1500mを制覇し、5000mで2位に入っている。自己ベストは1500m3分42秒27(25年/高校歴代7位、高2最高)、5000m13分35秒14(25年/高2歴代2位) [caption id="attachment_220749" align="alignnone" width="2560"]
26年インターハイ5000m後の吉田選手[/caption]RECOMMENDED おすすめの記事
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