◇第20回アジア大会・陸上競技(9月23~29日/愛知県名古屋市・パロマ瑞穂スタジアム)3日目
名古屋アジア大会の3日目の午後セッションに女子七種競技が行われ、田中友梨(スズキ)がパフォーマンス日本歴代5位の5920点で今大会の日本勢最初の金メダルに輝いた。
愛知県名古屋市名東区出身。至学館高、至学館大を卒業し、クラブチーム所属を1年挟んで25年に入社したスズキでは、パロマ瑞穂スタジアムにほど近い場所で勤務する。
地元中の地元で迎えた大会で、アジアの頂点に立ち、「アジア大会というだけではなく自分の中で特別な大会。そこで金メダルが取れて本当にうれしいです」と感慨深げに語る。
初日は3282点。日本女子初の6000点超え(6050点)を果たした6月の日本選手権の初日折り返し(3391点)には及ばず、5位で2日目を迎えた。
だが、「私は2日目に追い上げるタイプ」。残り3種目で一気に浮上する。
最初の走幅跳で自己新の5m80(+1.0)をジャンプすると、やり投でも55m39の混成内自己ベストをスローし、5036点に積み上げてトップに踊り出た。「走幅跳、やり投で記録を出せたことが大きかった」と梶木。初日首位だったF.モヒティザデ(イラン)がやり投を終えた時点で、5種目めの走幅跳で規定外シューズを着用していたことが判明して失格に。この時点で2位となった梶木菜々香(ノジマ)には182点差がついており、金メダルに“王手”をかけた。
大歓声の中で走り抜けた最後の800mは、2分15秒61のトップでフィニッシュ。同種目の日本勢では初、五種競技時代を含めると1966年バンコク大会の岡本道子、74年テヘラン大会の清水鏡子以来、52年ぶり3人目のアジア制覇を果たした。日本陸上女子では2010年広州大会100m、200mの福島千里、やり投の海老原有希以来、16年ぶりのアジア大会金メダル獲得となる。
2位には梶木菜々香(ノジマ)がセカンドベストの5673点で続き、金、銀メダルを独占した。
9月19日の開会式では男子走高跳の赤松諒一(SEIBU PRINCE)とともに選手宣誓の大役を務め、「スポーツマンシップの精神に則り、大会の規則を尊重遵守し、栄光と名誉のためにこの競技大会に参加することを約束します」と力強く宣誓した。それを、自らのパフォーマンスで体現した。
記録とともに、女子七種競技の歴史を切り拓いた田中。「まだまだ知名度が低い種目だけど、たくさんの方々に観ていただける絶好のチャンスだと思っていた。そこでこうやって大歓声の中で競技ができて、すごくうれいしいです」。特別な場所で行われた特別な大会。そこで手にした特別な結果に、万感の思いがあふれた。
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