2026.09.21
◇第20回アジア大会・陸上競技(9月23~29日/愛知県名古屋市・パロマ瑞穂スタジアム)
1994年広島大会以来、32年ぶりに自国開催となるアジア大会の陸上競技が23日に幕を開ける。4年に一度開催される“アジア版五輪”と言われる総合スポーツ大会。陸上は過去最多85名の選手団でアジアの強敵を迎え撃つ。男子の注目選手をチェックしよう。
最注目は110mハードルだろう。12秒92の日本記録を持つ村竹ラシッド(JAL)と13秒00の泉谷駿介(住友電工)の2人がアジアのタイトルに照準を定める。ともに直前に実施された世界アルティメット選手権に出場。村竹は6位、泉谷は準決勝で13秒85を要したものの、世界の強豪たちとのレースは大きな糧になるはずだ。
村竹は24年パリ五輪と昨年の東京世界選手権でともに5位。今季はシーズン途中からやや苦しんだが、万全であれば頂点への距離は最も近い。23年のブダペスト世界選手権で5位の泉谷は今季3年ぶりに自己記録をマークするなど地力の高さを示している。日本人同士の12秒台決戦となれば、史上初のこととなる。
400mでも昨年の東京世界選手権6位入賞の中島佑気ジョセフ(富士通)が44秒62で今季のアジアリストトップに立つ。今季は日本選手権を制し、世界アルティメット選手権では決勝進出はならなかったものの45秒00。優勝すれば高野進以来40年ぶりの快挙だ。
3000m障害には、五輪と世界選手権でそれぞれ2度入賞している三浦龍司(SUBARU)が登場する。今季のダイヤモンドリーグ(DL)では上位争いを繰り広げ、DLファイナルでも8位。8分10秒30は今季のアジアリストではやや抜けており、青木涼真(Honda)とともにメダルが近い位置にある。
地元・愛知の顔となるのは、ハーフマラソン競歩の山西利和(愛知製鋼)だ。2月の日本選手権で1時間20分34秒の世界新記録をマーク。中国勢は世界陸連(WA)競歩ツアー・ゴールドのラコルーニャ国際グランプリで1、2位を占めた若手2人が強力だが、悲願のタイトルに挑む。
この他の競歩勢では、昨年の東京世界選手権20kmで7位入賞の吉川絢斗(富士通)が健在。マラソン競歩では昨年の東京世界選手権35kmで銅メダルの勝木隼人(自衛隊体育学校)が、18年ジャカルタ大会以来の頂点を見据え、諏訪元郁(愛知製鋼)は“地元”の声援も力に変えて戦う。
十種競技で今季日本記録を塗り替える8321点を叩き出した丸山優真(住友電工)が、リストトップで名古屋に乗り込む。今季は110mハードルと棒高跳で自己新をマークするなど上り調子で、前回の銅メダルを上回る金メダルをつかみにいく。
走高跳で24年パリ五輪5位、世界選手権でも2大会連続入賞の赤松諒一(SEIBU PRINCE)は、2度の手術を経て8月に跳躍練習を再開したばかり。ウ・サンヒョク(韓国)らライバルは強力だが、地元・岐阜に近くその声援も力に変えたいところだ。
800mには自身の日本記録を今季2度塗り替えるなど、大学2年目でブレイクスルーした落合晃(駒大)が登場。今季のリストトップに立つが、昨年のアジア選手権、今年2月のアジア室内選手権ともラスト勝負を課題に感じていただけに、充実の夏合宿を経てどこまで仕上げてこられているか。
400mハードルには高校2年生ながら日本選手権を制し、U20世界選手権で銀メダルに輝いた後藤大樹(洛南高・京都)が登場。経験豊富な黒川和樹(住友電工)とともに47秒台を持つカタール勢に挑む。
走幅跳で18年ジャカルタ大会4位の橋岡優輝(富士通)や、三段跳で日本選手権初Vを飾った宮尾真仁(東洋大)といった跳躍勢も上位を見据える。やり投で昨年のアジア選手権3位の﨑山雄太(ヤマダホールディングス)、ハンマー投で同2位の中川達斗(山陽特殊製鋼)、同3位の福田翔大(住友電工)らフィールド勢も底力を示せるか。“地元”の湯上剛輝(トヨタ自動車)も輝きを放てるか。
短距離はベテランと若手が入り交じる布陣だ。ベテランが占めた100mは日本選手権覇者の多田修平、18年ジャカルタ大会の200mを制した小池祐貴(ともに住友電工)が登場。200mは日本選手権で日本歴代2位の20秒07をマークした水久保漱至(宮崎県スポーツ協会)と今季飛躍を遂げた林明良(慶大)がともに初舞台へと臨む。
中長距離では1500mで昨年のアジア選手権を制した飯澤千翔(住友電工)が、日本勢40年ぶりとなる優勝を狙う。森凪也(Honda)は1500mと5000mの2種目に挑戦。10000m日本記録保持者の鈴木芽吹(トヨタ自動車)、マラソンの吉田祐也(GMOインターネットグループ)と山下一貴(三菱重工)は力のある中東勢に食らいつけるか。
4×100mリレーは多田、小室歩久斗(中大)、桐生祥秀(日本生命)の走順を軸に、林や小池らがどう絡んでくるか。今季はオーバーハンドパスに変更し、オープン参加した全日本実業団選手権では38秒97。2大会ぶりの優勝へ向けて、どこまで修正できているか。4×400mリレーも選手層は厚く、3分を切れれば頂点も見える。
アジア大会の陸上競技は9月23日から29日、パロマ瑞穂スタジアムをメイン会場に行われる。チケットはナイトセッションがほぼ完売。大会の模様はTBSが独占生中継する。
RECOMMENDED おすすめの記事
Ranking
人気記事ランキング
2026.11.06
〝虎視眈々〟と初マラソンへ、HOKAアスリート・近藤幸太郎の新たな挑戦
2026.11.06
後藤大樹 シーズン最後は走幅跳で7m10!「楽しくやれました」と笑顔の自己新締め
2026.11.06
競歩指導者の鈴木茂雄氏が78歳で他界 競歩界の発展に尽力、日本陸連競歩部長など歴任
2026.11.06
2026.11.04
2026.11.04
2026.10.31
【大会結果】第58回全日本大学駅伝(2026年11月1日)
2026.11.01
2026.10.31
2026.10.31
2026.11.01
2026.10.17
2026.10.08
2026.10.17
Latest articles 最新の記事
2026.11.06
〝虎視眈々〟と初マラソンへ、HOKAアスリート・近藤幸太郎の新たな挑戦
大学・実業団ではチームのエースとして駅伝で活躍 近藤幸太郎というランナーを語る上で欠かせないのが、学生駅伝だ。愛知・豊川工業高校を卒業後、駅伝の名門・青山学院大学へ進学。 大学入学当初は世界やマラソン挑戦などは見据えず、 […]
2026.11.06
後藤大樹 シーズン最後は走幅跳で7m10!「楽しくやれました」と笑顔の自己新締め
男子400mの高校記録更新から中2日、後藤大樹(洛南高2年京都)が京都府私学総体(11月6日/たけびしスタジアム京都)で男子走幅跳に出場した。4回目に自己新となる7m10(+0.9)をマークして優勝。400mハードルで日 […]
2026.11.06
競歩指導者の鈴木茂雄氏が78歳で他界 競歩界の発展に尽力、日本陸連競歩部長など歴任
競歩指導者の鈴木茂雄氏が11月3日に病気のため亡くなった。78歳だった。 鈴木氏は東京都荒川区出身。区役所に勤務しながら競歩の指導に携わり、小坂忠広、園原健弘、今村文男といったオリンピアン、指導者として活躍する三浦康二氏 […]
2026.11.06
2027年WA室内ツアーの日程が決定 ゴールド大会はミルローズ・ゲームなど8試合
世界陸連(WA)は11月6日、27年のWA室内ツアーの日程を発表した。26年12月にも1試合実施されるが、残る73試合が1月から3月にかけて予定されている。 ツアーでは大会の規模により、ゴールド、シルバー、ブロンズ、チャ […]
Latest Issue
最新号

2026年11月号 (10月14日発売)
アジア大会総特集
駅伝プレビュー

