2026.09.11
世界陸連(WA)が主催する世界アルティメット選手権が9月11日から13日まで、ハンガリー・ブダペストで開催される。
“アルティメット=究極”と銘打った今回が初開催の大会。WAが世界選手権を開催しない2年に一度、「世界最高峰の大会を開く」と創設に至った。
その名の通り、出場者数もかなり絞られる。各国最大3人が代表となれる五輪・世界選手権とは異なり、完全な「実力主義」。出場資格は直近の五輪、世界選手権の金メダリスト、そして、世界最高峰シリーズ・ダイヤモンドリーグ(DL)の同年のファイナルチャンピオンにまずは与えられる。加えて、ワールドランキングを用いてその上位から得られる仕組み。代表派遣(日本代表)ではないものの、選手たちは各国代表ユニフォームで出場するようだ。
ターゲットナンバー(出場枠)はかなり限定的で、予選のある100mなどは16人、中長距離種目は12人、フィールド種目は8人(一部種目は別途地元開催枠あり)。DLよりも出場への難易度は高い。まさに選ばれた者だけがその舞台に立つことができる大会だ。
そこに日本からは5人が出場する。
女子やり投には北口榛花(JAL)が出場。2年前のパリ五輪金メダリストとして、堂々の“内定1号”だ。しかも舞台となるブダペストは、北口が23年の世界選手権で初めて世界一となった縁のある場所だ。
北口は早くから「第1回大会の世界大会に出られるというのは、なかなかないこと。新しい大会とあってわからないことだらけ。想像つきませんが、楽しみたいです」と心待ちに。DLファイナル、世界アルティメット選手権、そしてアジア大会の連戦に向けて夏も強化合宿で鍛え抜き、新体制での技術の修練に時間を割いた。「しっかり勝負できるラインにするためにやってきました」と力強い。
8月のDLローザンヌで64m90を投げて優勝。1週間前のDLファイナルでは65m44で2位。勢いに乗ってブダペストへと向かう。
やり投(フィールド種目)は「8-8-6-4」システムを採用。全4回の試技で、最初の2回は全員が投げられる。3回目はトップ6、そして最終4回目は上位4人が試技をし、全体で最も良い記録の選手が優勝となる。
今や世界に通ずる“お家芸”とも言える男子110mハードルは、何と3人がエントリーにこぎつけた。エントリー16人中、米国が6人、ジャマイカと日本が3人ずつ。12秒92の日本記録保持者で、パリ五輪と東京世界選手権で入賞している村竹ラシッド(JAL)、23年ブダペスト世界選手権入賞し今季13秒00まで復活してきた泉谷駿介(住友電工)はすでに世界的なハードラーだ。さらに、順大の2人の後輩に当たる阿部竜希(エターナルホスピタリティグループ)もギリギリでランキングをアップして出場枠に食い込んだ。
1週間前のDLファイナルには村竹が出場し、13秒53(-0.2)で7位。ほぼ同じメンバーたちとの再戦だ。今年は世界記録がJ.サープ(米国)によって12秒75に塗り替えられたのを筆頭に米国勢が軒並みタイムを伸ばしている。日本の3選手がどこまで食い込めるか。
もう1人は男子400mの中島佑気ジョセフ(富士通)。昨年は東京世界選手権で6位入賞を果たし、44秒44の日本記録を持つ。日本選手権を制したあと、欧州遠征でやや膝に違和感が出て帰国。ケアと強化練習期間に充てると、「アルティメット選手権に出たい」と再び渡欧。DLチューリヒ(スイス)のノンDLレースながら、44秒62のサードベストタイをマークして優勝した。このポイントで大きく順位を上げて世界アルティメット選手権を決めている。
大会は3日間で、1日約3時間と競技時間も凝縮。「これまでの大会とは一線を画する画期的な大会」とWAは力を入れている。賞金総額は1000万ドル(約15.5億円)で、各種目の優勝者は15万ドル(約2350万円)を手にする。また、出場したすべての選手に賞金が渡る。
メダルはなく、参加者全員にブレスレットと、優勝者には大会ロゴを彷彿させる星形をイメージしたトロフィーが授与。フィールド内はトラック以外、黒基調のデザインに統一され、大会テーマソングは男子棒高跳世界記録保持者のアルマンド・デュプランティス(スウェーデン)が歌唱する。放送面でもAR(拡張現実)を活用した新たなグラフィック演出を採用。過去の成績から優勝確率や予想順位をリアルタイムで表示するなど、いろいろな試みがあるという。
大会の模様はYouTube「TBS陸上ちゃんねる」でライブ配信予定。世界アルティメット選手権は9月11日から13日まで、ハンガリー・ブダペストで行われる。
【LIVE】世界アルティメット選手権ライブ (12日2時頃~)
httpv://www.youtube.com/watch?v=zRBZ43eGet0RECOMMENDED おすすめの記事
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