2026.08.30
◇北海道マラソン2026(8月30日/北海道・札幌大通公園発着)
マラソングランドチャンピオンシップ(MGC)シリーズ2026-2027のG2大会で、ロス五輪代表選考レースMGCの出場権を懸けた北海道マラソン2026が8月30日、札幌市の大通公園をスタート・フィニッシュとするコースで行われ、女子は新谷仁美(積水化学)が2時間24分14秒の大会新で優勝を飾った。
「2年ぐらいは知れないことが続いてしまいましたが、それでも変わらずに支援してくださった周りの人たちにまず感謝を申し上げます」
優勝の表彰を受けたあと、新谷はそう万感の思いを語った。
24年3月の東京以来、およそ2年半ぶりにマラソンのスタートラインに立った。足底筋膜炎など故障が続き、走れない日々が長く続く。時に「自分が勝手に作り上げたプレッシャーに押しつぶされる時もあった」とも明かす。
それでも、38歳で挑んだ復活を懸ける舞台で、新谷はその力を改めて示した。
序盤から5km17分前後のハイペースで推移し、新谷、マラソン初挑戦の不破聖衣来(三井住友海上)、吉薗栞(天満屋)、萩谷楓(佐久陸協)が先頭集団を形成する。
中間点を1時間12分24秒で通過してからは、萩谷、吉薗の順で徐々に後退。不破との一騎打ちとなった。そして、31kmを過ぎて新谷が力強く不破を振り切り、独走態勢に入る。
その後も5kmごとのラップを16分50秒台でカバー。両手を広げてフィニッシュテープを切ると、迎えてくれた横田真人コーチと抱き合い、喜びに浸った。
2013年モスクワ世界選手権1000mで5位入賞を果たすなど輝かしいキャリアを残したが、14年に現役を引退。だが、18年に現役に復帰すると、20年に10000mで30分20秒44という驚異的な日本記録を樹立。翌年の東京五輪にも出場した。
翌22年に自身13年ぶりにマラソン挑戦すると、3月の東京で2時間21分17秒をマークし、夏のオレゴン世界選手権代表にもなった(体調不良で欠場)。23年1月のヒューストンでは日本歴代2位となる2時間19分24秒で優勝している。
その後は五輪や世界選手権よりもマラソンの日本記録更新を第一目標に掲げてきたが、苦しい日々の連続。それでも、「私のやりたいことにとことん付き合ってくださった皆さんに、何かの形で返したいという思いを日々持ち続けてきました」。
周囲への感謝、恩を結果で返す。その一心で走り続けた新谷。2008年以来18年ぶりに走った北海道から、ベテランの物語がまた始まった。
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