2026.07.27
県記録保持者の先生から指導を
――陸上を始めたきっかけを教えてください。
井手 小学4年生の時です。運動会のリレー選手になりたいという思いがあり、ちょうどその時期に友達から地元の桑の実陸上クラブ(松山市)に誘われたのがきっかけです。
――小学生の頃に陸上で印象に残っている出来事は。
井手 クラブ内で行われた初めての大会で優勝しました。それがうれしくて、今につながっていると思います。
――桑原中時代の3年時には地元全中で個人では200m5位、4×100リレーで4位の2種目で入賞しました。どんな思い出がありますか。
井手 地元開催で初めての全国大会ということもあり、プレッシャーの中で自分の実力が発揮し切れなかった悔しさが一番の思い出です。5位という結果にも満足できませんでした。決勝前もずっと緊張していて、やっぱり全国は違うなと思い知りました。
――済美高校に進んだきっかけは。
井手 愛媛県の中で強い高校だと聞いていたことと、県記録(10秒29)保持者である富本先生に教わってもっと強くなりたいと思ったからです。
――入学当初の目標は。
井手 まずは強くなること。そして、200mをメインに全中で達成できなかった「全国1位」を目標に掲げていました。
――済美高に入学して練習で感じたことを教えてください。
井手 中学の頃の“根性練習”とは違い、高校では“考える練習”が多く、質の高さに驚きました。また、全天候走路の競技場やウエイトトレーニング器具など、練習環境が整っていることも大きな変化でした。
――高1初の20秒台となる20秒96をマークするなど、1年目の活躍を振り返っていかがですか。
井手 インターハイ四国大会の1週間前に肉離れをしたり、秋に予想外の20秒台が出たりと、驚きが多い1年目でしたが、順調だったと感じています。
――2年生の昨年はインターハイ200mで4位入賞を果たしました。ただ、100mは四国大会で不正スタートによる失格も経験しました。どんな学びを得ましたか。
井手 100mの失格は、「タイムを出しに行こう」という焦りがメンタルに出てしまったことが原因だと学びました。インターハイ200m4位は順位を残せた一方で、前半に力を使い過ぎて後半にうまく力を出せず、冷静さを欠き、課題を感じました。
――1日どのくらい練習していますか。オフはいかがですか。
井手 平日は放課後に約3時間で、授業がない日は朝から昼ぐらいまで。オフは木曜と日曜ですが、木曜は部員同士でマッサージをし合う時間に充てています。
――休日はどのように過ごしていますか。
井手 シーズン中の日曜は、どこにも出かけずに家で1日、ゴロゴロしてのんびり過ごすのが好きです。
――技術面で持ち味や得意なところは。
井手 「乗り込み動作」です。出した脚の上にしっかり上体が乗る動作は自分の武器だと思っています。
――現在の課題は。
井手 100mで言うと、中間疾走付近です。全国トップレベルの選手にはそこでいつも離されるので、力をタイミングなどが課題です。
――愛媛県選手権100mでは富本先生の持つ県記録にあと0.01秒と迫りました。
井手 秋シーズンがあるので、高校生のうちに更新したいです。
――顧問の富本先生からの指導で、大事だと感じているものはありますか。
井手 「人間性」についてよく言われます。結果が出ても謙虚さを忘れず、おごらないことなど、精神面での成長を重視されています。
――学校生活についてうかがいます。高校最後の学年として、楽しいですか。
井手 はい、クラスの人たちとも仲良く、充実した毎日を過ごしています。
――好きな教科や得意な教科は。
井手 勉強は正直、苦手でついていくのに必死ですが、強いて言えば「論理国語(現代文)」が、他の教科に比べればまだ大丈夫かなと思っています。
――趣味があれば教えてください。
井手 絵を描くことです。中学時代から鉛筆でアニメのキャラクターなどを模写するのが好きで、気分転換になっています。
――好きな食べ物は。
井手 フライドポテトが好きです。ただ、競技を続けている以上、シーズン中はできるだけ我慢して、オフシーズンやたまに“自分へのご褒美”として食べるようにしています。
――陸上以外で将来の夢はありますか。
井手 大学卒業後は実業団に入って、陸上や仕事を頑張りたいと思います。具体的な業種や職種は考えていないので、これから探していくつもりです。
構成/小野哲史
大舞台へ調子は上々!
――U20世界選手権日本代表選出、おめでどうございます。選ばれた時の心境を教えてください。 井手 うれしさよりも驚きのほうが強かったです。今シーズンは、自分の自己ベスト(200m20秒82)より速いタイムを出している高校生が他にもいたので、その中で自分が選ばれたことにまず驚きました。でも、日が経つにつれて実感も湧き、喜びもより大きくなりました。――今年の目標は当初からU20世界選手権を考えていましたか。それともインターハイ1本でしたか。 井手 今シーズンは顧問の富本一哉先生とインターハイをメインに考えていて、U20世界選手権はあまり視野に入れていませんでした。代表に選ばれるとインターハイの出場が難しくなるので、富本先生にインターハイのメダルを取って恩返しできません。リレーもあり、チームメイトへの思いもあってギリギリまですごく悩みましたが、最終的には「世界を経験したい」、「今の力で挑戦したい」という思いからU20世界選手権への挑戦を決めました。――U20世界選手権への意気込みをお願いします。 井手 200mは決勝に進出し、メダルに絡めるようなタイムを出したいです。過去の大会レベルから、20秒5台をターゲットにしています。4×100mリレーはレベルの高い選手たちとメンバーを組めるので、すごくワクワクしています。――同い年には清水空跳選手(星稜高3石川)や、菅野翔唯選手(東農大二高3群馬)といったスプリンターや、1学年下には400mハードルで愛知・名古屋アジア大会代表となった後藤大樹選手(洛南高2京都)といった高校生が一緒のチームになります。 井手 自分よりタイムも実績も上の選手ばかりなので、自分にないものを学びたいです。また、海外経験が豊富な選手も多いので、そういった話を聞けることも大きな経験になると考えています。――今季に向けて冬季はどんなことに取り組んできましたか。 井手 1年生からの課題である柔軟性の向上と、走りの中での無駄な力みを抜くための動きの修正、そして基礎練習に重点的に取り組みました。――普段の練習で意識していることは。 井手 メンタル面です。負けたり、うまくいかない時はマイナスに捉えがちなので、練習中からプラスの意識を持ち続けて、冷静さを失わない走りができるように意識しています。――U20世界選手権代表に選ばれる成績を残してきて、今季は自分自身として順調に来ていますか。 井手 5月に少し左膝を痛めましたが、富本先生と、「無理せず、徐々に上げていけば良い」と考えていて、その計画通りに進んでいるので、順調だと思っています。先日(7月12日)の愛媛県選手権100mで10秒30(+0.9/愛媛県高校新記録)を出せたことは、200mで20秒5台を目指す上で大きなプラスだと捉えています。――高校生の間に成し遂げたい目標は。 井手 インターハイには出られませんが、秋の国民スポーツ大会やU18大会での優勝です。――選手としての今後の目標や夢を教えてください。 井手 将来は五輪選手が目標です。高校卒業後は大学に進む予定なので、まずは2年目にある2028年ロサンゼルス五輪出場を目指してがんばりたいです。県記録保持者の先生から指導を
――陸上を始めたきっかけを教えてください。 井手 小学4年生の時です。運動会のリレー選手になりたいという思いがあり、ちょうどその時期に友達から地元の桑の実陸上クラブ(松山市)に誘われたのがきっかけです。――小学生の頃に陸上で印象に残っている出来事は。 井手 クラブ内で行われた初めての大会で優勝しました。それがうれしくて、今につながっていると思います。――桑原中時代の3年時には地元全中で個人では200m5位、4×100リレーで4位の2種目で入賞しました。どんな思い出がありますか。 井手 地元開催で初めての全国大会ということもあり、プレッシャーの中で自分の実力が発揮し切れなかった悔しさが一番の思い出です。5位という結果にも満足できませんでした。決勝前もずっと緊張していて、やっぱり全国は違うなと思い知りました。――済美高校に進んだきっかけは。 井手 愛媛県の中で強い高校だと聞いていたことと、県記録(10秒29)保持者である富本先生に教わってもっと強くなりたいと思ったからです。――入学当初の目標は。 井手 まずは強くなること。そして、200mをメインに全中で達成できなかった「全国1位」を目標に掲げていました。――済美高に入学して練習で感じたことを教えてください。 井手 中学の頃の“根性練習”とは違い、高校では“考える練習”が多く、質の高さに驚きました。また、全天候走路の競技場やウエイトトレーニング器具など、練習環境が整っていることも大きな変化でした。――高1初の20秒台となる20秒96をマークするなど、1年目の活躍を振り返っていかがですか。 井手 インターハイ四国大会の1週間前に肉離れをしたり、秋に予想外の20秒台が出たりと、驚きが多い1年目でしたが、順調だったと感じています。――2年生の昨年はインターハイ200mで4位入賞を果たしました。ただ、100mは四国大会で不正スタートによる失格も経験しました。どんな学びを得ましたか。 井手 100mの失格は、「タイムを出しに行こう」という焦りがメンタルに出てしまったことが原因だと学びました。インターハイ200m4位は順位を残せた一方で、前半に力を使い過ぎて後半にうまく力を出せず、冷静さを欠き、課題を感じました。 [caption id="attachment_212927" align="alignnone" width="800"]
25年インターハイ200m4位の井手選手[/caption]――1日どのくらい練習していますか。オフはいかがですか。
井手 平日は放課後に約3時間で、授業がない日は朝から昼ぐらいまで。オフは木曜と日曜ですが、木曜は部員同士でマッサージをし合う時間に充てています。――休日はどのように過ごしていますか。
井手 シーズン中の日曜は、どこにも出かけずに家で1日、ゴロゴロしてのんびり過ごすのが好きです。――技術面で持ち味や得意なところは。
井手 「乗り込み動作」です。出した脚の上にしっかり上体が乗る動作は自分の武器だと思っています。――現在の課題は。
井手 100mで言うと、中間疾走付近です。全国トップレベルの選手にはそこでいつも離されるので、力をタイミングなどが課題です。――愛媛県選手権100mでは富本先生の持つ県記録にあと0.01秒と迫りました。
井手 秋シーズンがあるので、高校生のうちに更新したいです。――顧問の富本先生からの指導で、大事だと感じているものはありますか。
井手 「人間性」についてよく言われます。結果が出ても謙虚さを忘れず、おごらないことなど、精神面での成長を重視されています。――学校生活についてうかがいます。高校最後の学年として、楽しいですか。
井手 はい、クラスの人たちとも仲良く、充実した毎日を過ごしています。――好きな教科や得意な教科は。
井手 勉強は正直、苦手でついていくのに必死ですが、強いて言えば「論理国語(現代文)」が、他の教科に比べればまだ大丈夫かなと思っています。――趣味があれば教えてください。
井手 絵を描くことです。中学時代から鉛筆でアニメのキャラクターなどを模写するのが好きで、気分転換になっています。――好きな食べ物は。
井手 フライドポテトが好きです。ただ、競技を続けている以上、シーズン中はできるだけ我慢して、オフシーズンやたまに“自分へのご褒美”として食べるようにしています。――陸上以外で将来の夢はありますか。
井手 大学卒業後は実業団に入って、陸上や仕事を頑張りたいと思います。具体的な業種や職種は考えていないので、これから探していくつもりです。構成/小野哲史井手選手のプロフィールをチェック!
◎いで・ともろう/2009年2月9日生まれ。愛媛県松山市出身。桑原中―済美高。小学4年生で陸上を始める。中学入学後は100mで1年、2年と2年連続で四国大会入賞(1年時6位、2年時2位)。3年時は四国大会で200m21秒台(21秒86)をマークし、初出場の全中は5位。秋のU16大会は150mで4位に入っている。高校では1年時からインターハイ出場(200mと4×100mリレー)。秋のU16大会100mで5位に入ったあと、10月下旬に200mで20秒96(+1.9)と高1史上初の200m20秒台を叩き出す。2年時の昨シーズンはインターハイ200mで4位入賞。国民スポーツ大会300mで8位に入っている。今季は春先から好調で4月中旬の記録会100mで10秒40(+1.7)をマークすると、インターハイ愛媛県大会では100mと200mに加え、リレー2種目(4×100m、4×400m)を含めて4冠。四国大会は2種目Vを遂げた。U20世界選手権では200mと4×100mリレー代表。主な自己ベストは100m10秒30(26年)、200m20秒82(26年)、300m33秒42(25年) [caption id="attachment_212928" align="alignnone" width="800"]
25年国民スポーツ大会少年A300mで入賞した井手選手[/caption]RECOMMENDED おすすめの記事
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