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2025.04.16

人間スポーツ科学科を持つ公立高校が「O2Room®」を導入、スポーツコンディショニングの授業に活用
人間スポーツ科学科を持つ公立高校が「O2Room®」を導入、スポーツコンディショニングの授業に活用

2月に導入された日本気圧バルク工業製の高気圧酸素ルーム「O2Room®」とともに写真に収まる桜宮高校人間スポーツ科学科の教諭。右端が学科長の藤本努先生

全国区で活躍する部活動もサポート

2016年に創立100周年を迎えた大阪の伝統校でもある府立桜宮高等学校。1980年にこれまでの普通科に加え大阪府内では初めてとなる体育科を新設し、さらに1999年にはスポーツ健康科学科を開設。2013年には体育科とスポーツ健康科学科を統合して人間スポーツ科学科に改編し、現在に至っている。元々は大阪市立だったが、2022年に府に移管され大阪府立となった。
人間スポーツ科学科は1学年3クラス編成で、2年時から「アスリートコース」、「コーチングコース」、「サイエンスコース」の3つに分かれて学びを深めている。体育系学科を持つ伝統校らしく、体育、スポーツ関連の施設・設備も充実。国際規格のアリーナ、25m×8レーンの室内温水プール、近畿地区の学校施設では大学を含めても唯一となる流水プール(アクアウエルネスプール)、さらに各種最新機器が揃うトレーニング実習室をはじめ、運動分析室、体力測定室、測定した結果を分析するスポーツ情報処理室などを完備。今年2月、そこへ新たに「O2Room®」のブランド名で知られる日本気圧バルク工業の高気圧酸素ルームが加わった。ここでは導入の経緯、今後の活用法などについて同校の人間スポーツ科学科長の藤本努先生にお話をうかがった。

酸素カプセルから酸素ルームにグレードアップ

大阪の中心地、梅田の高層ビル街を間近に望む大阪市都島区の淀川沿いに建つ桜宮高校。体育系学科を有する高校らしく部活動も盛んで、甲子園出場経験のある硬式野球部をはじめ、ソフトボール部、陸上競技部、剣道部、ボート部などが全国を舞台に活躍している。

歴史と伝統を誇る桜宮高校。部活動では野球部、ソフトボール部、陸上競技部、剣道部、ボート部などが活躍している

人間スポーツ科学科の特色的な授業に「運動生理学」、「スポーツバイオメカニクス」、「スポーツコンディショニング」があるという。その一つ、スポーツコンディショニングの授業などで活用できればと、8年前に酸素カプセルを導入した。

2002年の日韓ワールドカップサッカーでイングランドのデビッド・ベッカム選手が足を骨折した際に活用し、ケガの早期治癒に役立った機器として日本でもスポーツ界や医療業界から注目され始めた酸素カプセル。疲労回復やケガからの早期復帰も期待できる機器として同校でも取り入れた。

もっとも、酸素カプセルは1人用で、実験用として使用するには課題があり、「ケガをした選手が優先的に活用していました」と藤本先生は振り返る。
「酸素カプセルである程度の有効性を実感していましたので、生徒はもちろん、私たち教員もコンディショニングの授業で〝酸素〟を使った実験や研究ができないものかと考えていた際に、目に留まったのが月刊陸上競技に特集されていた酸素ルームの記事でした」と藤本先生は話す。

藤本先生は同校の卒業生で、陸上競技部で400mハードルの選手として活躍。高校時代はインターハイや国体、大阪教育大学時代は日本インカレにも出場し、日本学生ジュニア選手権で7位入賞の経歴を持つ。卒業後は教員となって咲くやこの花高校などを経て母校に戻り、今年度で11年目。陸上競技部の顧問も務める。

「実業団チームや学生駅伝で活躍するチームが酸素ルームを活用して実績を残しているのを見て、私も生徒たちも以前から興味を持っていました。また、医療現場やトレーナーの方々も活用されており、学科の特色的な学びでもあるスポーツコンディショニングの授業や実験、生徒の研究にも活用できると考え、検討してきました」と導入に至る経緯を話す。

酸素カプセルは1人用のため実験などには不向きとはいえ、これまでも利用。
「固定式自転車を全力で漕いだ後に酸素カプセルで過ごした生徒とそうでない生徒との回復具合の違いを測定するなど、できる範囲の実験を行ってきました。それでもサンプル数に限りがあったり、1回で1人しか計測できないので、時間がかかってしまう課題がありました」

そうした実験からも「ある程度、効果があるという結果が出ていましたので、『もっといろいろな実験がしたい』、『本格的に研究したい』という生徒の声の高まりに加え、『部活動でも活用したい』という要望が増えてきていました。これまでも陸上部でインターハイに出場した選手が、コンディショニングのために酸素カプセルを定期的に活用していて、大会中も会場近くに酸素カプセルや酸素ルームがある治療院やスポーツクラブなどを探し、予約を入れて使っていたこともありました。それだけ多くの生徒が酸素に対して興味・関心を持ち、使用していました」と藤本先生。

授業で活用するにも1クラスが約40人のため、酸素カプセルでは対応が難しく、本格的に酸素ルーム導入へ舵を切った。

日本気圧バルク工業の製品は確かな実績と安全面が魅力

酸素ルームを扱うメーカーはいくつかあるが、日本気圧バルク工業製を導入するに至った経緯は何なのか――。

「いろいろなメーカーの製品を比較・検討しましたが、スポーツ現場も含めて多くのチームや団体が導入している点、論文も多く発表してエビデンスがしっかりしている点、これまで事故が一度もないという安心・安全面でも優れているということも日本気圧バルク工業製の魅力でした」と藤本先生。

桜宮高校に導入されたのは高気圧酸素ルームの「スクエア1400特注」(高さ1400mm×幅1200mm× 奥行き2600mm)。当初は高気圧酸素、低圧低酸素の2つを1台でまかなえる「2way酸素ルーム」(日本気圧バルク工業の特許製品)の導入も検討されたが、予算的なことなどもあり、まずは同校の特色でもあるスポーツコンディショニングの授業で活躍が期待される高気圧酸素ルームに決まった。

日本気圧バルク工業との打ち合わせを経て、製品のサイズだけでなく、外装デザインまでオーダーメイドできることがわかり、校名をモチーフに、桜がデザインされた外装ボードを施した高気圧酸素ルームが2月中旬、同校の体力測定室内に設置された。

学年度末だったこともあり、授業で使用されるのは4月以降の新年度からだが、指導にあたる先生方の研修、冬季練習に汗を流す部活動の生徒らが少しずつ活用を始めている。

同時に複数人で利用できる広さが酸素ルームの最大の利点だが、日本気圧バルク工業の酸素ルームは室内には冷暖房が可能なエアコンはもちろん、モニターも標準装備されており、「カプセルタイプでは中に入っている時は、ほぼ寝ることしかできませんでしたが、ルームタイプの場合、中で授業の動画を見たり、部活動でも試合の動画や練習中の動きのチェックなどをしながら過ごすことができるので、時間的にも無駄がありません」と藤本先生。

桜宮高校のO2Room®は4~5名用だが、人間スポーツ科学科の女子生徒が7人で同時に使用することも可能だった

酸素カプセルはバンなどの自動車に積めば持ち運びが可能なため、合宿や試合など学校外で使用できる利便性はある。しかし、温度調節ができないので、夏場はどうしても高温になってしまうのが問題だ。
「夏休み中など朝の練習の前に使用する場合、その1時間ほど前から室内を冷やしておかないと、酸素カプセルを使用している時に熱中症になる危険もあったので、そうした安全面、時間的なこともロスがなくなるのは酸素ルームの大きいメリットです」と藤本先生は感想を話す。

高校の施設とは思えないほどの実験用機器が揃う桜宮高校の体力測定室だが、O2Room®が導入されてより充実した

トレーニングルームは民間のスポーツジムを上回るような器具がずらりと揃っている

快適な空間で多用な使い方が可能、生徒からの評判は想像以上

「O2Room®」ブランドの高気圧酸素ルームを導入後、部活動の前後などに使用した生徒からは、「すっきりした感じがする」、「いつもより疲れが残らない感じ」、「がっつり練習したあとでもよく眠れる」、「風邪気味で体調が悪かったけど、いつもより治りが早かった」、「カプセルと違って圧迫感がないのでリラックスできる」、「使用中に練習の時のビデオなどを見直せるので時間の無駄がない」などの感想が聞かれたという。

また、「ケガをした生徒でも、膝を曲げられなかったり、姿勢に制限がある場合、酸素カプセルだとどうしても使いづらい時がありましたが、酸素ルームだと広さがあるので、そうした制限もなく使えるのは助かっています」と藤本先生。

新幹線や高速道路を走行中に気圧が急激に変化するトンネル内で生じた耳の違和感を〝耳抜き〟によって解消できた経験のある方は多いだろうが、気圧が変化する酸素ルームもその対策は同じ。

「そうした際に少し気圧を下げることで〝耳抜き〟をアシストしてくれるなどのシステム
があるコンピューター制御がO2Room®のすごいところで、安心して使えています」と活用が広がっている。

使用感もさることながら、酸素ルームを導入したことで、その桜をデザインした見栄えも含め、生徒の反応は想像以上だと藤本先生は驚きの表情を見せる。

O2Room®は、スポーツを続けながらトレーナーなど医療系の道へ進むことに興味を持つ生徒たちにとって最高の教材となる

充実した施設・設備を柔軟に活用、なかでも酸素ルームはシンボル的存在に

「トレーニング関係しかり、実験用の機器なども最新のものが入っており、卒業生などからは大学の施設・設備より充実していて、それもある程度自由に使えるのは本校ならではという話も聞いています。そのなかでも酸素ルームに対する注目度が一番高い印象で、それだけ生徒たちがその効果に期待している証でもあり、本校の今後のシンボル的な機器になると感じています」。藤本先生は力を込めてそう話す。

体育系の学科だけあり、卒業後もスポーツを続ける生徒が多く、さらにスポーツを続けながらトレーナーなど医療系に興味を持つ生徒や、将来はスポーツ関連のメーカーに就職を希望する生徒が半数以上を占める。
「酸素ルームを導入したことで、自身のパフォーマンスアップはもちろん、そのためのコンディショニングにもこれまで以上に興味を持ってくれると思いますし、酸素ルームを使っていろいろなことを体験することで、視野も広がると思います。本学科ではポスター発表はもちろん、課題研究などにも力を入れており、そうした生徒の活動にも活躍しそうです」と藤本先生。

今後は、既存の充実した実験機器と組み合わせて授業でも積極的に活用していく予定となっている。

さらに部活動でも、「これまでは酸素カプセルだったので、故障者が優先的に使っていましたが、大人数で使えるので、大会を控えたクラブごとに使えるなど幅が広がります。少しでも成果につながればうれしいですね。陸上でもインターハイ予選などは試合が3日間、4日間と続きますし、他の競技でもトーナメント形式の大会を勝ち進めば試合が連続するケースも出てきます。そうした際に、高気圧酸素ルームを役立てることができれば」と笑顔で話す。

大学の研究室などとは異なり、機器をある程度自由に使用できる柔軟性が同校のメリット。
「新しく高気圧酸素ルームが加わったことで、できることも増えました。生徒たちがいろいろな発想でこうした機器を活用し、自らの学びを深めることで、競技はもちろん、将来につなげてほしい」と藤本先生。

これから高気圧酸素ルームの活用が進めば、「低圧低酸素ルームも導入してさらにいろいろな実験・研究に加えて、トレーニングにも活用していければと考えています」と将来像を描く。

若者たちの新たな発想がアスリートのパフォーマンス向上はもちろんのこと、今後の〝酸素〟の可能性をさらに広げていくことになるだろう。

藤本先生はアスリートのパフォーマンス向上やケガの治癒促進が期待できる〝酸素の力〟に大きな可能性を感じている

文/花木 雫、撮影/弓庭保夫

※この記事は『月刊陸上競技』2025年5月号にも掲載しています

 

全国区で活躍する部活動もサポート

2016年に創立100周年を迎えた大阪の伝統校でもある府立桜宮高等学校。1980年にこれまでの普通科に加え大阪府内では初めてとなる体育科を新設し、さらに1999年にはスポーツ健康科学科を開設。2013年には体育科とスポーツ健康科学科を統合して人間スポーツ科学科に改編し、現在に至っている。元々は大阪市立だったが、2022年に府に移管され大阪府立となった。 人間スポーツ科学科は1学年3クラス編成で、2年時から「アスリートコース」、「コーチングコース」、「サイエンスコース」の3つに分かれて学びを深めている。体育系学科を持つ伝統校らしく、体育、スポーツ関連の施設・設備も充実。国際規格のアリーナ、25m×8レーンの室内温水プール、近畿地区の学校施設では大学を含めても唯一となる流水プール(アクアウエルネスプール)、さらに各種最新機器が揃うトレーニング実習室をはじめ、運動分析室、体力測定室、測定した結果を分析するスポーツ情報処理室などを完備。今年2月、そこへ新たに「O2Room®」のブランド名で知られる日本気圧バルク工業の高気圧酸素ルームが加わった。ここでは導入の経緯、今後の活用法などについて同校の人間スポーツ科学科長の藤本努先生にお話をうかがった。

酸素カプセルから酸素ルームにグレードアップ

大阪の中心地、梅田の高層ビル街を間近に望む大阪市都島区の淀川沿いに建つ桜宮高校。体育系学科を有する高校らしく部活動も盛んで、甲子園出場経験のある硬式野球部をはじめ、ソフトボール部、陸上競技部、剣道部、ボート部などが全国を舞台に活躍している。[caption id="attachment_166124" align="alignnone" width="800"] 歴史と伝統を誇る桜宮高校。部活動では野球部、ソフトボール部、陸上競技部、剣道部、ボート部などが活躍している[/caption]人間スポーツ科学科の特色的な授業に「運動生理学」、「スポーツバイオメカニクス」、「スポーツコンディショニング」があるという。その一つ、スポーツコンディショニングの授業などで活用できればと、8年前に酸素カプセルを導入した。2002年の日韓ワールドカップサッカーでイングランドのデビッド・ベッカム選手が足を骨折した際に活用し、ケガの早期治癒に役立った機器として日本でもスポーツ界や医療業界から注目され始めた酸素カプセル。疲労回復やケガからの早期復帰も期待できる機器として同校でも取り入れた。もっとも、酸素カプセルは1人用で、実験用として使用するには課題があり、「ケガをした選手が優先的に活用していました」と藤本先生は振り返る。 「酸素カプセルである程度の有効性を実感していましたので、生徒はもちろん、私たち教員もコンディショニングの授業で〝酸素〟を使った実験や研究ができないものかと考えていた際に、目に留まったのが月刊陸上競技に特集されていた酸素ルームの記事でした」と藤本先生は話す。藤本先生は同校の卒業生で、陸上競技部で400mハードルの選手として活躍。高校時代はインターハイや国体、大阪教育大学時代は日本インカレにも出場し、日本学生ジュニア選手権で7位入賞の経歴を持つ。卒業後は教員となって咲くやこの花高校などを経て母校に戻り、今年度で11年目。陸上競技部の顧問も務める。「実業団チームや学生駅伝で活躍するチームが酸素ルームを活用して実績を残しているのを見て、私も生徒たちも以前から興味を持っていました。また、医療現場やトレーナーの方々も活用されており、学科の特色的な学びでもあるスポーツコンディショニングの授業や実験、生徒の研究にも活用できると考え、検討してきました」と導入に至る経緯を話す。酸素カプセルは1人用のため実験などには不向きとはいえ、これまでも利用。 「固定式自転車を全力で漕いだ後に酸素カプセルで過ごした生徒とそうでない生徒との回復具合の違いを測定するなど、できる範囲の実験を行ってきました。それでもサンプル数に限りがあったり、1回で1人しか計測できないので、時間がかかってしまう課題がありました」そうした実験からも「ある程度、効果があるという結果が出ていましたので、『もっといろいろな実験がしたい』、『本格的に研究したい』という生徒の声の高まりに加え、『部活動でも活用したい』という要望が増えてきていました。これまでも陸上部でインターハイに出場した選手が、コンディショニングのために酸素カプセルを定期的に活用していて、大会中も会場近くに酸素カプセルや酸素ルームがある治療院やスポーツクラブなどを探し、予約を入れて使っていたこともありました。それだけ多くの生徒が酸素に対して興味・関心を持ち、使用していました」と藤本先生。授業で活用するにも1クラスが約40人のため、酸素カプセルでは対応が難しく、本格的に酸素ルーム導入へ舵を切った。

日本気圧バルク工業の製品は確かな実績と安全面が魅力

酸素ルームを扱うメーカーはいくつかあるが、日本気圧バルク工業製を導入するに至った経緯は何なのか――。「いろいろなメーカーの製品を比較・検討しましたが、スポーツ現場も含めて多くのチームや団体が導入している点、論文も多く発表してエビデンスがしっかりしている点、これまで事故が一度もないという安心・安全面でも優れているということも日本気圧バルク工業製の魅力でした」と藤本先生。桜宮高校に導入されたのは高気圧酸素ルームの「スクエア1400特注」(高さ1400mm×幅1200mm× 奥行き2600mm)。当初は高気圧酸素、低圧低酸素の2つを1台でまかなえる「2way酸素ルーム」(日本気圧バルク工業の特許製品)の導入も検討されたが、予算的なことなどもあり、まずは同校の特色でもあるスポーツコンディショニングの授業で活躍が期待される高気圧酸素ルームに決まった。日本気圧バルク工業との打ち合わせを経て、製品のサイズだけでなく、外装デザインまでオーダーメイドできることがわかり、校名をモチーフに、桜がデザインされた外装ボードを施した高気圧酸素ルームが2月中旬、同校の体力測定室内に設置された。 学年度末だったこともあり、授業で使用されるのは4月以降の新年度からだが、指導にあたる先生方の研修、冬季練習に汗を流す部活動の生徒らが少しずつ活用を始めている。同時に複数人で利用できる広さが酸素ルームの最大の利点だが、日本気圧バルク工業の酸素ルームは室内には冷暖房が可能なエアコンはもちろん、モニターも標準装備されており、「カプセルタイプでは中に入っている時は、ほぼ寝ることしかできませんでしたが、ルームタイプの場合、中で授業の動画を見たり、部活動でも試合の動画や練習中の動きのチェックなどをしながら過ごすことができるので、時間的にも無駄がありません」と藤本先生。[caption id="attachment_166126" align="alignnone" width="800"] 桜宮高校のO2Room®は4~5名用だが、人間スポーツ科学科の女子生徒が7人で同時に使用することも可能だった[/caption]酸素カプセルはバンなどの自動車に積めば持ち運びが可能なため、合宿や試合など学校外で使用できる利便性はある。しかし、温度調節ができないので、夏場はどうしても高温になってしまうのが問題だ。 「夏休み中など朝の練習の前に使用する場合、その1時間ほど前から室内を冷やしておかないと、酸素カプセルを使用している時に熱中症になる危険もあったので、そうした安全面、時間的なこともロスがなくなるのは酸素ルームの大きいメリットです」と藤本先生は感想を話す。[caption id="attachment_166132" align="alignnone" width="800"] 高校の施設とは思えないほどの実験用機器が揃う桜宮高校の体力測定室だが、O2Room®が導入されてより充実した[/caption][caption id="attachment_166134" align="alignnone" width="800"] トレーニングルームは民間のスポーツジムを上回るような器具がずらりと揃っている[/caption]

快適な空間で多用な使い方が可能、生徒からの評判は想像以上

「O2Room®」ブランドの高気圧酸素ルームを導入後、部活動の前後などに使用した生徒からは、「すっきりした感じがする」、「いつもより疲れが残らない感じ」、「がっつり練習したあとでもよく眠れる」、「風邪気味で体調が悪かったけど、いつもより治りが早かった」、「カプセルと違って圧迫感がないのでリラックスできる」、「使用中に練習の時のビデオなどを見直せるので時間の無駄がない」などの感想が聞かれたという。また、「ケガをした生徒でも、膝を曲げられなかったり、姿勢に制限がある場合、酸素カプセルだとどうしても使いづらい時がありましたが、酸素ルームだと広さがあるので、そうした制限もなく使えるのは助かっています」と藤本先生。新幹線や高速道路を走行中に気圧が急激に変化するトンネル内で生じた耳の違和感を〝耳抜き〟によって解消できた経験のある方は多いだろうが、気圧が変化する酸素ルームもその対策は同じ。「そうした際に少し気圧を下げることで〝耳抜き〟をアシストしてくれるなどのシステム があるコンピューター制御がO2Room®のすごいところで、安心して使えています」と活用が広がっている。使用感もさることながら、酸素ルームを導入したことで、その桜をデザインした見栄えも含め、生徒の反応は想像以上だと藤本先生は驚きの表情を見せる。[caption id="attachment_166139" align="alignnone" width="800"] O2Room®は、スポーツを続けながらトレーナーなど医療系の道へ進むことに興味を持つ生徒たちにとって最高の教材となる[/caption]

充実した施設・設備を柔軟に活用、なかでも酸素ルームはシンボル的存在に

「トレーニング関係しかり、実験用の機器なども最新のものが入っており、卒業生などからは大学の施設・設備より充実していて、それもある程度自由に使えるのは本校ならではという話も聞いています。そのなかでも酸素ルームに対する注目度が一番高い印象で、それだけ生徒たちがその効果に期待している証でもあり、本校の今後のシンボル的な機器になると感じています」。藤本先生は力を込めてそう話す。体育系の学科だけあり、卒業後もスポーツを続ける生徒が多く、さらにスポーツを続けながらトレーナーなど医療系に興味を持つ生徒や、将来はスポーツ関連のメーカーに就職を希望する生徒が半数以上を占める。 「酸素ルームを導入したことで、自身のパフォーマンスアップはもちろん、そのためのコンディショニングにもこれまで以上に興味を持ってくれると思いますし、酸素ルームを使っていろいろなことを体験することで、視野も広がると思います。本学科ではポスター発表はもちろん、課題研究などにも力を入れており、そうした生徒の活動にも活躍しそうです」と藤本先生。今後は、既存の充実した実験機器と組み合わせて授業でも積極的に活用していく予定となっている。さらに部活動でも、「これまでは酸素カプセルだったので、故障者が優先的に使っていましたが、大人数で使えるので、大会を控えたクラブごとに使えるなど幅が広がります。少しでも成果につながればうれしいですね。陸上でもインターハイ予選などは試合が3日間、4日間と続きますし、他の競技でもトーナメント形式の大会を勝ち進めば試合が連続するケースも出てきます。そうした際に、高気圧酸素ルームを役立てることができれば」と笑顔で話す。大学の研究室などとは異なり、機器をある程度自由に使用できる柔軟性が同校のメリット。 「新しく高気圧酸素ルームが加わったことで、できることも増えました。生徒たちがいろいろな発想でこうした機器を活用し、自らの学びを深めることで、競技はもちろん、将来につなげてほしい」と藤本先生。これから高気圧酸素ルームの活用が進めば、「低圧低酸素ルームも導入してさらにいろいろな実験・研究に加えて、トレーニングにも活用していければと考えています」と将来像を描く。若者たちの新たな発想がアスリートのパフォーマンス向上はもちろんのこと、今後の〝酸素〟の可能性をさらに広げていくことになるだろう。[caption id="attachment_166137" align="alignnone" width="800"] 藤本先生はアスリートのパフォーマンス向上やケガの治癒促進が期待できる〝酸素の力〟に大きな可能性を感じている[/caption]文/花木 雫、撮影/弓庭保夫※この記事は『月刊陸上競技』2025年5月号にも掲載しています 

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