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【誌面転載】第72回福岡国際マラソン展望
    【誌面転載】第72回福岡国際マラソン展望

    設楽悠太が初参戦!! 服部&窪田のトヨタ自動車コンビにも注目

     第72回福岡国際マラソンは12月2日(日)に開催される。昨年は大迫傑(ナイキ・オレゴン・プロジェクト)が当時日本歴代5位の2時間7分19秒をマークしたが、今年は2月の東京マラソンで16年ぶりの日本記録(当時)を樹立した設楽悠太(Honda)が参戦。ほかにも2時間8分台の自己ベストを持つ川内優輝(埼玉県庁)、中本健太郎(安川電機)、野口拓也(コニカミノルタ)らが出場予定で、日本勢に好タイムの期待がかかる。19歳で北京世界選手権を制したギルメイ・ゲブレスラシエ(エリトリア)、前々回の覇者で2時間4分48秒の自己ベストを持つイエマネ・ツェガエ(エチオピア)、2時間5分13秒のヴィンセント・キプルト(ケニア)ら海外の強豪を相手に日本勢がどんなレースを見せるのか。

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    前日本記録保持者・設楽が参戦

     福岡国際マラソンの出場選手が10月29日に主催者から発表された。その中で最も注目を集めそうなのが設楽悠太(Honda)だ。2月
    の東京マラソンでは2時間6分11秒の日本新記録(当時)を樹立したが、今季は右脛骨の疲労骨折で出遅れていた。本格的に走り始めたのは5月下旬からで、7月の時点では「今季は経験を積むという意味で、たくさんマラソンを走りたい。年内にマラソンを1本走る予定です」と話していた。当初は9月のベルリンを予定していたが、ターゲットを福岡国際に変更してトレーニングを積んでいる。
     9月29日の世田谷競技会5000m(13分51秒79)でレースに復帰すると、10月20日の日体大長距離競技会10000mにも出場した。合宿を終えて1週間後だったが、ケニア勢に食らいついて5000mを13分58秒で通過。後半も粘りの走りを見せ、日本人トップの28分11秒55で駆け抜けている。小川智コーチが「予想以上に走った」と評価するほどで、本人も「合宿で追い込んだ分、中盤我慢できたので、そこは収穫でした。上出来ですね」と手応えをつかんだ様子だった。
     今後については「状態次第」となるが、マラソン前にレースを入れるスタイルは変わらない。11月18日の上尾シティハーフに出場予定で、11月24日の八王子ロングディスタンス(10000m)を走る可能性もあるという。「試合があっても練習を落としたりすることはないですし、連戦でも問題はありません」と設楽。順調な回復ぶりに、コメントにも自信があふれていた。
     10月7日のシカゴ・マラソンでは同学年の大迫傑(ナイキ・オレゴン・プロジェクト)に自身の持っていた日本記録を塗り替えられたが、「彼の力だったら5分台で走ってもおかしくない。素晴らしい記録ですけど、出して当たり前だなと思っていました」と冷静に受け止めている。設楽は来年3月の東京にも出場する意向を持っており、そこで大迫との〝マラソン初対決〟が実現する可能性が高い。
     自身4回目のマラソンについては、「答え(目標)を決めてしまうと意識してしまうので、どれぐらいかは言えないですね。でも、もう一度1億円を取りたいです」とチャンスがあれば果敢に攻めるつもりでいる。
     前日本記録保持者以外にも4月のボストンを制した川内優輝(埼玉県庁)、数々の世界大会で好走してきた中本健太郎(安川電機)、2016年リオデジャネイロ五輪代表の佐々木悟(旭化成)、昨年のゴールドコーストを制した野口拓也(コニカミノルタ)、ジャカルタ・アジア大会4位の園田隼(黒崎播磨)といった実力者たちが出場予定。2時間9分台のタイムを持つ荻野皓平(富士通)と福田穣(西鉄)、前回7位(日本人3位)の竹ノ内佳樹(NTT西日本)、一般参加でも神野大地(東京陸協)、市田孝、市田宏、深津卓也(以上旭化成)、宇賀地強(コニカミノルタ)らがエントリーしている。

    〝藤本効果〟に沸くトヨタ勢が好調

     有力選手がひしめく中でおもしろい存在は、服部勇馬と窪田忍のトヨタ自動車コンビだ。服部は社会人1年目で出場した昨年の東京で〝サブ10〟を達成(2時間9分46秒)。今年は5月のプラハ・マラソンで5位(2時間10分26秒)に入っている。4度目のマラソンに向けて順調で、9月15日のウスティ・ハーフで1時間1分40秒の自己ベスト。9月29日の十日町長距離カーニバル10000mでも28分39秒57と好走している。
    「前回の東京はあまり40km走ができませんでしたが、今回は余裕を持ってこなしています。40km走をした翌日の朝練習も以前と比べてすんなりできるようになりました。距離走では自然にペースが上がってしまうところもありました」と佐藤敏信監督が話すほどの状態だ。
     窪田は今年3月のびわ湖で駒大3年時以来5年ぶりのマラソンに挑戦。日本人選手ではただ1人30kmまでトップ集団に食らいついた(終盤失速して2時間19分18秒)。2016年11月に右足首の距骨を削る手術をした影響を感じさせない走りを見せている。
    「前回のびわ湖は42km走を途中でやめたりしていたので、先頭集団に30kmまでつけたのが不思議なくらいでした。今回はしっかりと距離が踏めていますし、トラックのスピードも徐々に戻ってきています」と佐藤監督。9月22日の日体大長距離競技会10000mで28分35秒65をマークすると、10月13日の中部実業団選手権10000mは4~5日前に40km走をこなしながら28分27秒04で走破。3度目のマラソンに向けてスタミナ、スピードともに充実している印象だ。
    「2人とも先頭グループについていくかたちになると思います。うまく集団のペースに乗っかって、終盤まで優勝争いをしてほしいですね。条件がそろえば、2時間7分台を狙えるんじゃないでしょうか。2人とも『藤本さんができたんだから』という気持ちもあると思います」(佐藤監督)
     チームメイトの藤本拓がシカゴで2時間7分57秒と快走したことが刺激になっているという。さらに、今回対峙する設楽は服部にとっては大学の先輩で、窪田にとっては同学年のライバル。さまざまな思いが交錯するだけに、それが大きなパワーになるかもしれない。今年の福岡は大激戦の予感が漂う。
    (酒井政人)

    ■主な出場選手

    <海外招待選手>
    Y.ツェガエ(エチオピア)  2.04.48
    V.キプルト(ケニア)    2.05.13
    G.ゲブレスラシエ(エリトリア)2.07.46
    A.メセル(エリトリア)   2.08.17
    C.ホーキンス(英国)    2.10.17
    J.エグルストン(米国)   2.10.52
    <国内招待選手>
    設楽 悠太(Honda)      2.06.11
    野口 拓也(コニカミノルタ) 2.08.59
    川内 優輝(埼玉県庁)    2.08.14
    中本健太郎(安川電機)    2.08.35
    佐々木 悟(旭化成)     2.08.56
    園田  隼(黒崎播磨)    2.09.34
    荻野 皓平(富士通)     2.09.36
    服部 勇馬(トヨタ自動車)  2.09.46
    福田  穣(西鉄)      2.09.52
    竹ノ内佳樹(NTT西日本)  2.10.01
    <主な一般参加選手>
    酒井 将規(九電工)     2.09.10
    五ヶ谷宏司(JR東日本)   2.09.21
    深津 卓也(旭化成)     2.09.31
    丸山 文裕(旭化成)     2.09.39
    髙田 千春(JR東日本)   2.10.03
    田中 飛鳥(ひらまつ病院)  2.10.13
    山岸 宏貴(GMOアスリーツ)2.10.14
    神野 大地(東京陸協)    2.10.18
    橋本  崚(GMOアスリーツ)2.10.19
    宇賀地 強(コニカミノルタ) 2.10.50
    P.クイラ(コニカミノルタ)  2.11.58
    市田  宏(旭化成)     2.14.42
    市田  孝(旭化成)     2.15.09
    窪田  忍(トヨタ自動車)  2.15.48

    設楽悠太が初参戦!! 服部&窪田のトヨタ自動車コンビにも注目

     第72回福岡国際マラソンは12月2日(日)に開催される。昨年は大迫傑(ナイキ・オレゴン・プロジェクト)が当時日本歴代5位の2時間7分19秒をマークしたが、今年は2月の東京マラソンで16年ぶりの日本記録(当時)を樹立した設楽悠太(Honda)が参戦。ほかにも2時間8分台の自己ベストを持つ川内優輝(埼玉県庁)、中本健太郎(安川電機)、野口拓也(コニカミノルタ)らが出場予定で、日本勢に好タイムの期待がかかる。19歳で北京世界選手権を制したギルメイ・ゲブレスラシエ(エリトリア)、前々回の覇者で2時間4分48秒の自己ベストを持つイエマネ・ツェガエ(エチオピア)、2時間5分13秒のヴィンセント・キプルト(ケニア)ら海外の強豪を相手に日本勢がどんなレースを見せるのか。

    前日本記録保持者・設楽が参戦

     福岡国際マラソンの出場選手が10月29日に主催者から発表された。その中で最も注目を集めそうなのが設楽悠太(Honda)だ。2月 の東京マラソンでは2時間6分11秒の日本新記録(当時)を樹立したが、今季は右脛骨の疲労骨折で出遅れていた。本格的に走り始めたのは5月下旬からで、7月の時点では「今季は経験を積むという意味で、たくさんマラソンを走りたい。年内にマラソンを1本走る予定です」と話していた。当初は9月のベルリンを予定していたが、ターゲットを福岡国際に変更してトレーニングを積んでいる。  9月29日の世田谷競技会5000m(13分51秒79)でレースに復帰すると、10月20日の日体大長距離競技会10000mにも出場した。合宿を終えて1週間後だったが、ケニア勢に食らいついて5000mを13分58秒で通過。後半も粘りの走りを見せ、日本人トップの28分11秒55で駆け抜けている。小川智コーチが「予想以上に走った」と評価するほどで、本人も「合宿で追い込んだ分、中盤我慢できたので、そこは収穫でした。上出来ですね」と手応えをつかんだ様子だった。  今後については「状態次第」となるが、マラソン前にレースを入れるスタイルは変わらない。11月18日の上尾シティハーフに出場予定で、11月24日の八王子ロングディスタンス(10000m)を走る可能性もあるという。「試合があっても練習を落としたりすることはないですし、連戦でも問題はありません」と設楽。順調な回復ぶりに、コメントにも自信があふれていた。  10月7日のシカゴ・マラソンでは同学年の大迫傑(ナイキ・オレゴン・プロジェクト)に自身の持っていた日本記録を塗り替えられたが、「彼の力だったら5分台で走ってもおかしくない。素晴らしい記録ですけど、出して当たり前だなと思っていました」と冷静に受け止めている。設楽は来年3月の東京にも出場する意向を持っており、そこで大迫との〝マラソン初対決〟が実現する可能性が高い。  自身4回目のマラソンについては、「答え(目標)を決めてしまうと意識してしまうので、どれぐらいかは言えないですね。でも、もう一度1億円を取りたいです」とチャンスがあれば果敢に攻めるつもりでいる。  前日本記録保持者以外にも4月のボストンを制した川内優輝(埼玉県庁)、数々の世界大会で好走してきた中本健太郎(安川電機)、2016年リオデジャネイロ五輪代表の佐々木悟(旭化成)、昨年のゴールドコーストを制した野口拓也(コニカミノルタ)、ジャカルタ・アジア大会4位の園田隼(黒崎播磨)といった実力者たちが出場予定。2時間9分台のタイムを持つ荻野皓平(富士通)と福田穣(西鉄)、前回7位(日本人3位)の竹ノ内佳樹(NTT西日本)、一般参加でも神野大地(東京陸協)、市田孝、市田宏、深津卓也(以上旭化成)、宇賀地強(コニカミノルタ)らがエントリーしている。

    〝藤本効果〟に沸くトヨタ勢が好調

     有力選手がひしめく中でおもしろい存在は、服部勇馬と窪田忍のトヨタ自動車コンビだ。服部は社会人1年目で出場した昨年の東京で〝サブ10〟を達成(2時間9分46秒)。今年は5月のプラハ・マラソンで5位(2時間10分26秒)に入っている。4度目のマラソンに向けて順調で、9月15日のウスティ・ハーフで1時間1分40秒の自己ベスト。9月29日の十日町長距離カーニバル10000mでも28分39秒57と好走している。 「前回の東京はあまり40km走ができませんでしたが、今回は余裕を持ってこなしています。40km走をした翌日の朝練習も以前と比べてすんなりできるようになりました。距離走では自然にペースが上がってしまうところもありました」と佐藤敏信監督が話すほどの状態だ。  窪田は今年3月のびわ湖で駒大3年時以来5年ぶりのマラソンに挑戦。日本人選手ではただ1人30kmまでトップ集団に食らいついた(終盤失速して2時間19分18秒)。2016年11月に右足首の距骨を削る手術をした影響を感じさせない走りを見せている。 「前回のびわ湖は42km走を途中でやめたりしていたので、先頭集団に30kmまでつけたのが不思議なくらいでした。今回はしっかりと距離が踏めていますし、トラックのスピードも徐々に戻ってきています」と佐藤監督。9月22日の日体大長距離競技会10000mで28分35秒65をマークすると、10月13日の中部実業団選手権10000mは4~5日前に40km走をこなしながら28分27秒04で走破。3度目のマラソンに向けてスタミナ、スピードともに充実している印象だ。 「2人とも先頭グループについていくかたちになると思います。うまく集団のペースに乗っかって、終盤まで優勝争いをしてほしいですね。条件がそろえば、2時間7分台を狙えるんじゃないでしょうか。2人とも『藤本さんができたんだから』という気持ちもあると思います」(佐藤監督)  チームメイトの藤本拓がシカゴで2時間7分57秒と快走したことが刺激になっているという。さらに、今回対峙する設楽は服部にとっては大学の先輩で、窪田にとっては同学年のライバル。さまざまな思いが交錯するだけに、それが大きなパワーになるかもしれない。今年の福岡は大激戦の予感が漂う。 (酒井政人)■主な出場選手<海外招待選手> Y.ツェガエ(エチオピア)  2.04.48 V.キプルト(ケニア)    2.05.13 G.ゲブレスラシエ(エリトリア)2.07.46 A.メセル(エリトリア)   2.08.17 C.ホーキンス(英国)    2.10.17 J.エグルストン(米国)   2.10.52 <国内招待選手> 設楽 悠太(Honda)      2.06.11 野口 拓也(コニカミノルタ) 2.08.59 川内 優輝(埼玉県庁)    2.08.14 中本健太郎(安川電機)    2.08.35 佐々木 悟(旭化成)     2.08.56 園田  隼(黒崎播磨)    2.09.34 荻野 皓平(富士通)     2.09.36 服部 勇馬(トヨタ自動車)  2.09.46 福田  穣(西鉄)      2.09.52 竹ノ内佳樹(NTT西日本)  2.10.01 <主な一般参加選手> 酒井 将規(九電工)     2.09.10 五ヶ谷宏司(JR東日本)   2.09.21 深津 卓也(旭化成)     2.09.31 丸山 文裕(旭化成)     2.09.39 髙田 千春(JR東日本)   2.10.03 田中 飛鳥(ひらまつ病院)  2.10.13 山岸 宏貴(GMOアスリーツ)2.10.14 神野 大地(東京陸協)    2.10.18 橋本  崚(GMOアスリーツ)2.10.19 宇賀地 強(コニカミノルタ) 2.10.50 P.クイラ(コニカミノルタ)  2.11.58 市田  宏(旭化成)     2.14.42 市田  孝(旭化成)     2.15.09 窪田  忍(トヨタ自動車)  2.15.48

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