エコパトラックゲームズ2026が11月3日、静岡・小笠山スタジアムで行われ、男子400mで後藤大樹(洛南高2京都)が45秒33をマークした。この記録は金丸祐三(当時・大阪高)が2005年に作った高校記録(45秒47)を21年ぶりに更新する高校新で、U20日本歴代2位、U18日本新という快記録で、今季U18世界最高という圧巻のスプリントだった。
17歳の怪物が、またも時計の針を動かした。400mハードルで今年、為末大の高校記録(49秒09)を30年ぶりに更新していた後藤。しかも、高校2年生ながら、日本選手権を制し、名古屋アジア大会でも銀メダルに輝いた。
“今季ラストレース”の400mで狙うは高校記録の更新だが「未知数だったので、楽しもうと思って臨みました」。ウォーミングアップから「疲労がないと言えば嘘になりますが、自分の動きができていたので」と調子の良さを確認していた。
スタート前には機器の不具合で一度待機所に戻るアクシデントもあったが、「いつもと違うな。何か起こせるかもしれない。記録を出せるかもしれない」と、持ち前のポジティブシンキングで気合が入ったという。
マイルリレーはあるものの、400mは昨年1本(46秒80=高1最高)走り、これが人生2本目。「特に作戦はなかったですが、400mハードルや200mを落とし込んで、前半の入りはスムーズに行けました」と加速すると、先にレースを終えていた400m選手から「やばい……」と声が漏れる。
終盤は「あぁ、この感覚だなって。苦しくて嫌だけど、“これだこれだ”」と思い返し、「必死にもがいて走りました」。記録には「想像以上でした」と笑うも、スタート前に柴田博之先生から「ビックリする準備をしていていいか?」と聞かれ「ビックリしてください」と返していたという。
アジア大会後も「将来、ダイヤモンドリーグなどの転戦をイメージして」毎週のようにレースに出場。その中で、U20日本選手権では200mで先輩・桐生祥秀(現・日本生命)の高校歴代2位の20秒41を上回る20秒40をマークしていた。400mハードルや300mハードルの間に、200mや日本選手権リレーのスプリントが入ることで「心身のリセット」(柴田先生)を図った。
400mハードルで47秒93を出し、北京世界選手権の参加標準記録を突破済み。しかし、まだ特性がどこにあるか誰にもわからない。師弟とも今はそれでいいと構えている。「来年の一番の目標は北京世界選手権で決勝に残って、世界との差を感じたい」とするが、「200mも、400mも、出ているかもしれませんね」と笑った。
実はこれがラストレースだが、2日後には走幅跳に出場予定で、これが今季の最後の試合。「最後は跳んで終わります。あまり大きなことは言わず、7m40くらい跳べれば」。底知れぬポテンシャルと、信じがたい進化を見せた2026年。厳しい冬季を越え、来年はさらに大きく成長した姿で人々を驚かせそうだ。
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