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2026.09.29

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【高平慎士の視点】メダルに届かなかった日本4継 あるべく場所へ「チーム力」を一丸で高めることが最重要/名古屋アジア大会
【高平慎士の視点】メダルに届かなかった日本4継 あるべく場所へ「チーム力」を一丸で高めることが最重要/名古屋アジア大会

男子4×100mリレー決勝の様子(26年名古屋アジア大会)

9月28日に愛知県名古屋市のパロマ瑞穂スタジアムで行われた名古屋アジア大会の男子4×100mリレー決勝で、多田修平(住友電工)、小室歩久斗(中大)、桐生祥秀(日本生命)、小池祐貴(住友電工)のオーダーで臨んだ日本は38秒57で5位だった。中国が38秒17で2連覇を飾っている。2008年北京五輪男子4×100mリレー銀メダリストの高平慎士さん(富士通一般種目ブロック長)に、レースを振り返ってもらった。

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日本は同じオーダーで予選、決勝に臨み、予選が38秒71、決勝が38秒57。国際大会で最も重要な予選から決勝へタイムを上げることは実行できたことは評価できます、しかし、そもそも予選の水準が日本としては厳しいものであり、そこからの上げ幅も0.14秒とあっては、何が良かったのかが見えづらい部分もあります。全体として、ポジティブな要素を見つけるほうが難しい結果となりました。

アジア大会の男子4×100mリレーで日本がメダルを逃したのは20回の歴史の中で。2010年広州大会以来4回目。広州大会では私が2走を務め、3走へのバトンパスにミスが出て予選敗退となりましたが、それ以来のことです。

アジアのレベルが上がっていることは事実だと思います。近年は中国と日本の「2強」が続いていましたが、台湾が38秒32で2位、韓国が1レーンから38秒43を出して3位。韓国は100mで4位、5位に入っていますから、2人とも準決勝敗退だった日本とはこの大会に関しては強さを感じました。38秒49で4位だったタイには、100m、200m2冠のプリポル・ブーンソンがいます。私はメダルラインを38秒2~3と見ていましたが、おおよそ予想通りでしたね。

ただ、日本にとってこの水準が高いのかというと、本来であればそうではないはずです。しかし、日本はメダルに届かなかった。この水準でメダルを取れないということは、かなりの危機感を持たないといけないという証です。

選手たちは「金メダル」を公言してきました。日本代表である以上、アジアにおいてはこの目標から下げることはできないことは理解しています。

しかし、世界リレーで北京世界選手権出場権を逃し、7月のダイヤモンドリーグ・ロンドン大会(38秒66)、9月11日に出場した全日本実業団対抗選手権(オープン参加)では38秒97。そして、今大会の100mでは多田選手、小池選手ともに準決勝で敗退となった時点で、この結果が想像できた部分があるのも事実です。それでも、メダルは最低限取れるのでは、という思いがチーム内になかったか。

ベテランばかりというメンバー構成が悪いかというと、そうは思いません。バトンパスの方法、個人の走力などは関係なく、選ばれた選手たち、そしてチームスタッフはその中でやらないといけないし、選考基準などは今言うことではありません。与えられた環境の中で、戦うためのチーム作りをしないといけないのです。そういう意味で、「チーム力のなさ」が今回の結果につながった一番の要因ではないかなと感じています。

現状、ロサンゼルス五輪に向けて男子4×100mリレーとしてどこを目指し、どうやっていくのか、それがはっきりと見えていない部分があります。なぜ、オーバーハンドパスを取り入れたのか、このトライアルがどのようにつながいていくのか。明確なコンセプトを選手たちに示し、選手たちがそれを理解して取り組むことで、より良いチャレンジへとつながります。

ファンからも、メディアからも、結果についてこれだけの注目を集める種目であるということを、チームジャパンとしてしっかりと受け止め、前に進まないといけません。そのうえで、前への「進め方」も重要です。

男子スプリントとしては、桐生選手をはじめとしたベテラン勢が健在で、かつ安定感があります。サニブラウン・アブデル・ハキーム選手(東レ)、鵜澤飛羽選手(JAL)、栁田大輝選手(Honda)といった20代中盤から前半の年代、さらに下の若い世代を含め、選手層という観点ではかつてないほど分厚いものとだと感じています。その中で選ばれた代表たちは、ベテランも若手も関係はなく、チームジャパンとしてのその時のベストの布陣なのです。

ただ、近年の流れのとおりに個人の強化を重視しつつ、リレーの結果も求めていくというのであれば、今後ますます難しい状況になることも考えられます。だからこそ、リレーとして何を、どのように目指すのかを明確にし、責任と覚悟をもってチーム一丸となって取り組むことが、何よりも重要だと感じます。

世界でメダルを取れる場所まで戻るためには、下降線が大きくなったかもしれません。まずは、上昇に切り替えるためのきっかけをつかめるようにしてほしいと願います。

◎高平慎士(たかひら・しんじ)
富士通陸上競技部一般種目ブロック長。五輪に3大会連続(2004年アテネ、08年北京、12年ロンドン)で出場し、北京大会では4×100mリレーで銀メダルに輝いた(3走)。自己ベストは100m10秒20、200m20秒22(日本歴代7位)

9月28日に愛知県名古屋市のパロマ瑞穂スタジアムで行われた名古屋アジア大会の男子4×100mリレー決勝で、多田修平(住友電工)、小室歩久斗(中大)、桐生祥秀(日本生命)、小池祐貴(住友電工)のオーダーで臨んだ日本は38秒57で5位だった。中国が38秒17で2連覇を飾っている。2008年北京五輪男子4×100mリレー銀メダリストの高平慎士さん(富士通一般種目ブロック長)に、レースを振り返ってもらった。◇ ◇ ◇日本は同じオーダーで予選、決勝に臨み、予選が38秒71、決勝が38秒57。国際大会で最も重要な予選から決勝へタイムを上げることは実行できたことは評価できます、しかし、そもそも予選の水準が日本としては厳しいものであり、そこからの上げ幅も0.14秒とあっては、何が良かったのかが見えづらい部分もあります。全体として、ポジティブな要素を見つけるほうが難しい結果となりました。アジア大会の男子4×100mリレーで日本がメダルを逃したのは20回の歴史の中で。2010年広州大会以来4回目。広州大会では私が2走を務め、3走へのバトンパスにミスが出て予選敗退となりましたが、それ以来のことです。アジアのレベルが上がっていることは事実だと思います。近年は中国と日本の「2強」が続いていましたが、台湾が38秒32で2位、韓国が1レーンから38秒43を出して3位。韓国は100mで4位、5位に入っていますから、2人とも準決勝敗退だった日本とはこの大会に関しては強さを感じました。38秒49で4位だったタイには、100m、200m2冠のプリポル・ブーンソンがいます。私はメダルラインを38秒2~3と見ていましたが、おおよそ予想通りでしたね。ただ、日本にとってこの水準が高いのかというと、本来であればそうではないはずです。しかし、日本はメダルに届かなかった。この水準でメダルを取れないということは、かなりの危機感を持たないといけないという証です。選手たちは「金メダル」を公言してきました。日本代表である以上、アジアにおいてはこの目標から下げることはできないことは理解しています。しかし、世界リレーで北京世界選手権出場権を逃し、7月のダイヤモンドリーグ・ロンドン大会(38秒66)、9月11日に出場した全日本実業団対抗選手権(オープン参加)では38秒97。そして、今大会の100mでは多田選手、小池選手ともに準決勝で敗退となった時点で、この結果が想像できた部分があるのも事実です。それでも、メダルは最低限取れるのでは、という思いがチーム内になかったか。ベテランばかりというメンバー構成が悪いかというと、そうは思いません。バトンパスの方法、個人の走力などは関係なく、選ばれた選手たち、そしてチームスタッフはその中でやらないといけないし、選考基準などは今言うことではありません。与えられた環境の中で、戦うためのチーム作りをしないといけないのです。そういう意味で、「チーム力のなさ」が今回の結果につながった一番の要因ではないかなと感じています。現状、ロサンゼルス五輪に向けて男子4×100mリレーとしてどこを目指し、どうやっていくのか、それがはっきりと見えていない部分があります。なぜ、オーバーハンドパスを取り入れたのか、このトライアルがどのようにつながいていくのか。明確なコンセプトを選手たちに示し、選手たちがそれを理解して取り組むことで、より良いチャレンジへとつながります。ファンからも、メディアからも、結果についてこれだけの注目を集める種目であるということを、チームジャパンとしてしっかりと受け止め、前に進まないといけません。そのうえで、前への「進め方」も重要です。男子スプリントとしては、桐生選手をはじめとしたベテラン勢が健在で、かつ安定感があります。サニブラウン・アブデル・ハキーム選手(東レ)、鵜澤飛羽選手(JAL)、栁田大輝選手(Honda)といった20代中盤から前半の年代、さらに下の若い世代を含め、選手層という観点ではかつてないほど分厚いものとだと感じています。その中で選ばれた代表たちは、ベテランも若手も関係はなく、チームジャパンとしてのその時のベストの布陣なのです。ただ、近年の流れのとおりに個人の強化を重視しつつ、リレーの結果も求めていくというのであれば、今後ますます難しい状況になることも考えられます。だからこそ、リレーとして何を、どのように目指すのかを明確にし、責任と覚悟をもってチーム一丸となって取り組むことが、何よりも重要だと感じます。世界でメダルを取れる場所まで戻るためには、下降線が大きくなったかもしれません。まずは、上昇に切り替えるためのきっかけをつかめるようにしてほしいと願います。◎高平慎士(たかひら・しんじ) 富士通陸上競技部一般種目ブロック長。五輪に3大会連続(2004年アテネ、08年北京、12年ロンドン)で出場し、北京大会では4×100mリレーで銀メダルに輝いた(3走)。自己ベストは100m10秒20、200m20秒22(日本歴代7位)

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