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2026.09.28

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北口榛花「勝負できなかったのが一番悔しい」涙の銀メダル 苦難乗り越え「世界と戦う意思表示できた」/名古屋アジア大会
北口榛花「勝負できなかったのが一番悔しい」涙の銀メダル 苦難乗り越え「世界と戦う意思表示できた」/名古屋アジア大会

北口榛花(26年名古屋アジア大会)

◇第20回アジア大会・陸上競技(9月23~29日/愛知県名古屋市・パロマ瑞穂スタジアム)5日目

名古屋アジア大会の5日目のイブニングセッションに行われた女子やり投は、嚴子怡(中国)が大会新となる70m46を放って優勝した。日本記録保持者の北口榛花(JAL)が62m70を投げて銀メダルを手にした。

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手拍子を求めた6投目に、この日一番の投てきを見せたのは女王の意地だった。投てきを終えると手で顔を覆い、涙が止まらない。

「自分の中でも期待感があっただけに悔しいですし、何より彼女に一人旅させてしまった、勝負できなかったのが一番悔しいです」

約2週間前の世界アルティメット選手権で68m92を投げて優勝。ライバルの嚴子怡との68mオーバーの激戦を制して、パリ五輪以来の“世界一”に舞い戻った。その後、「ヨーロッパから帰ってくることも含めて少し疲労はありましたが、アジア大会のプライオリティは高くして臨んでいました」。

ただ、3回目まではなかなか思うように飛距離が出ない。「アルティメットでは助走距離を下げて、自分の投げを完結するためのスペースを作りました。それが70%くらいできたからの日本記録。ただ、今日は助走で止まってしまうことが多かったです」。それが、疲労なのか、雨の影響なのか、悪いクセが出たのかは「まだ整理できていない」と言う。

そこで、日本記録を出した時にも使用したネメト社製の新しいやりではなく、以前から使用していたものに変更。「今日の力では硬いものを使えない」というヤン・ゼレズニー・コーチの判断だった。そこから徐々に修正でき、「やっと力感を入れて投げられるようになったのですが、やはり構えも作れなかった」が、しっかり距離を伸ばして観客を沸かせた。

苦しい時期を乗り越えた。昨年は右肘の故障により、後半シーズンは満足に過ごせず。練習もままならず、自国開催の東京世界選手権でも予選落ちに終わってしまった。だが、新たに男子やり投世界記録保持者で五輪3連覇のレジェンド、ヤン・ゼレズニー・コーチを招聘。投てきフォームも一から作り直した。

そこからのこの1年を思い返し、言葉がつまり涙が浮かぶ。「ケガで思うような結果を残せなくて不安がいっぱいでした。でも、こうして日本記録を出せてアルティメットという舞台を勝てて、『私もまだ世界と戦いたいという意思表示』ができたと思います。無事にやりきれて安心しました」。

ハードスケジュールだったが、待ちに待った初出場の舞台でもあった。最後まで戦うために、夏場には強化合宿で己をいじめ抜いた。21年東京五輪、そして東京世界選手権と、自国開催の大舞台はいずれもケガがあった。「戦える力はあるのに投げられない大会が続いていました」。今回は堂々のアルティメットチャンピオンとして、日本記録を更新して立った舞台。1投1投に視線と拍手が注がれ、6回投げきった。「武本(紗栄)選手と2人でメダルを取れたはすごく大きなこと。日本はやり投強豪国と言っていい。絶対に世界と戦えるように頑張りたいです」と胸を張った。

銀メダルを手にした北口は「ユニバーシアード(19年ナポリ)以来の銀メダルなので、新鮮です」とやっとニッコリ。改め嚴子怡の存在について「彼女がいるから高みを目指そうという気持ちが自然と湧いてくる。アジアのやり投が強い時代の一員として幸せ」と語る。テレビで共演した卓球の石川佳純さんから習った「ゴンシー(恭喜)」と中国語で祝福。「やっと使えました!」と笑った。

表彰式の裏では男子ハンマー投の室伏広治さんとも話ができ「良いライバルができたことはプラスだよ」と声をかけられたという。「彼女とまったく同じ投げはできないですが、必ず良い投てき、良い選手にはヒントがある」とじっくり動画を見る様子もあった。

長いシーズンを終えた北口。「コーチからも、日本記録を出してもまだ伸びしろがあると言ってもらえていますし、あれをやってみたい、これをやってみたいとたくさん言ってくれる。自分もやりたいことがたくさんある。今年の冬季練習からコーチのメソッドでできる。必ず70mを投げられるように次のシーズンに向けて切り替えていきます」と女王は女王らしく、力強く前に一歩踏み出した。

◇第20回アジア大会・陸上競技(9月23~29日/愛知県名古屋市・パロマ瑞穂スタジアム)5日目名古屋アジア大会の5日目のイブニングセッションに行われた女子やり投は、嚴子怡(中国)が大会新となる70m46を放って優勝した。日本記録保持者の北口榛花(JAL)が62m70を投げて銀メダルを手にした。手拍子を求めた6投目に、この日一番の投てきを見せたのは女王の意地だった。投てきを終えると手で顔を覆い、涙が止まらない。「自分の中でも期待感があっただけに悔しいですし、何より彼女に一人旅させてしまった、勝負できなかったのが一番悔しいです」約2週間前の世界アルティメット選手権で68m92を投げて優勝。ライバルの嚴子怡との68mオーバーの激戦を制して、パリ五輪以来の“世界一”に舞い戻った。その後、「ヨーロッパから帰ってくることも含めて少し疲労はありましたが、アジア大会のプライオリティは高くして臨んでいました」。ただ、3回目まではなかなか思うように飛距離が出ない。「アルティメットでは助走距離を下げて、自分の投げを完結するためのスペースを作りました。それが70%くらいできたからの日本記録。ただ、今日は助走で止まってしまうことが多かったです」。それが、疲労なのか、雨の影響なのか、悪いクセが出たのかは「まだ整理できていない」と言う。そこで、日本記録を出した時にも使用したネメト社製の新しいやりではなく、以前から使用していたものに変更。「今日の力では硬いものを使えない」というヤン・ゼレズニー・コーチの判断だった。そこから徐々に修正でき、「やっと力感を入れて投げられるようになったのですが、やはり構えも作れなかった」が、しっかり距離を伸ばして観客を沸かせた。苦しい時期を乗り越えた。昨年は右肘の故障により、後半シーズンは満足に過ごせず。練習もままならず、自国開催の東京世界選手権でも予選落ちに終わってしまった。だが、新たに男子やり投世界記録保持者で五輪3連覇のレジェンド、ヤン・ゼレズニー・コーチを招聘。投てきフォームも一から作り直した。そこからのこの1年を思い返し、言葉がつまり涙が浮かぶ。「ケガで思うような結果を残せなくて不安がいっぱいでした。でも、こうして日本記録を出せてアルティメットという舞台を勝てて、『私もまだ世界と戦いたいという意思表示』ができたと思います。無事にやりきれて安心しました」。ハードスケジュールだったが、待ちに待った初出場の舞台でもあった。最後まで戦うために、夏場には強化合宿で己をいじめ抜いた。21年東京五輪、そして東京世界選手権と、自国開催の大舞台はいずれもケガがあった。「戦える力はあるのに投げられない大会が続いていました」。今回は堂々のアルティメットチャンピオンとして、日本記録を更新して立った舞台。1投1投に視線と拍手が注がれ、6回投げきった。「武本(紗栄)選手と2人でメダルを取れたはすごく大きなこと。日本はやり投強豪国と言っていい。絶対に世界と戦えるように頑張りたいです」と胸を張った。銀メダルを手にした北口は「ユニバーシアード(19年ナポリ)以来の銀メダルなので、新鮮です」とやっとニッコリ。改め嚴子怡の存在について「彼女がいるから高みを目指そうという気持ちが自然と湧いてくる。アジアのやり投が強い時代の一員として幸せ」と語る。テレビで共演した卓球の石川佳純さんから習った「ゴンシー(恭喜)」と中国語で祝福。「やっと使えました!」と笑った。表彰式の裏では男子ハンマー投の室伏広治さんとも話ができ「良いライバルができたことはプラスだよ」と声をかけられたという。「彼女とまったく同じ投げはできないですが、必ず良い投てき、良い選手にはヒントがある」とじっくり動画を見る様子もあった。長いシーズンを終えた北口。「コーチからも、日本記録を出してもまだ伸びしろがあると言ってもらえていますし、あれをやってみたい、これをやってみたいとたくさん言ってくれる。自分もやりたいことがたくさんある。今年の冬季練習からコーチのメソッドでできる。必ず70mを投げられるように次のシーズンに向けて切り替えていきます」と女王は女王らしく、力強く前に一歩踏み出した。

【動画】女王の意地 北口榛花の6投目

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