◇第20回アジア大会・陸上競技(9月23~29日/愛知県名古屋市・パロマ瑞穂スタジアム)4日目
名古屋アジア大会の4日目の午前セッションで男子マラソンが行われ、山下一貴(三菱重工)が2時間10分49秒で金メダルに輝いた。
フィニッシュ後の山下は誇らしげに日の丸を掲げた。「ここの金メダルを一つのステップとして、ロス五輪に向かうと言われていました。金メダルを取れて本当に良かったです」と笑顔が弾ける。
レースは15kmは47分34秒で通過すると、16km過ぎで中国勢がペースを上げると集団から崩れる。17km過ぎで追いつくと、その後はしばらく集団は崩れない。25kmを1時間18分19秒で推移し、山下が先頭の背後にピタリとつけた。
「30km手前で少しペースを上げて、その後の折り返しの上り坂でペースを上げる狙いでいました」。その言葉通り、30kmを過ぎると一気に前に出る。
しかし、33km付近で2人に前に出られるも「少し焦ってはいましたが、思いのほかペースを上げていきませんでした。泥仕合に引き込もうと思ったら、ついてきませんでした」。36km手前で突き放すと、最後まで足取りは力強かった。
駒大出身の29歳。2023年には東京で2時間5分51秒の好記録をマークし、同年のブダペスト世界選手権に出場したが、終盤に両脚のケイレンもあって11位。その後は苦しい時期も続いたが、今年2月の大阪を2時間6分18秒で走破して復調をアピールしていた。
「久しぶりに走るのが楽しいと年が経ってから気づきました」。不調の理由はハムストリングスの張りで、「それがかなり抜けて、身体が良くなりました」と充実感を浸る。
この日も終始視線を下に向けたフォームが印象的だった。「骨盤が前傾しすぎているとトレーナーに言われていました。腹筋を締める感じで走ると、すごく意識しやすかったです」と言いつつ、「少し身体の動かし方も変えて、結果的に蹴らなくなりました」とケイレンもしなくなった。
日本人、そして三菱重工にとっても2018年の井上大仁以来の金メダルとなる。「先輩方がメダルを取ってきた大会。周りの期待も多かったので、本当に金メダルを取れて安心しました」。“マラソン部”を標榜するチームの伝統を名古屋の地でつないだ。
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