2026.09.21
◇第20回アジア大会・陸上競技(9月23~29日/愛知県名古屋市・パロマ瑞穂スタジアム)
1994年広島大会以来、32年ぶりに自国開催となるアジア大会の陸上競技が23日に幕を開ける。4年に一度開催される“アジア版五輪”ともいわれる総合スポーツ大会。陸上界では五輪と世界選手権が行われない中間年に開催され、27年北京世界選手権、そして28年ロサンゼルス五輪に向けたステップアップの大会ともなる。日本勢の前に立ちはだかるアジアのトップ選手を紹介する。
【日本勢】男子のみどころをチェック!
【日本勢】女子のみどころをチェック!
大会屈指の注目種目として挙がるのが、男女のやり投だ。ともに今季世界リストトップの選手が登場する。
男子のR.T.パティラゲ(スリランカ)は6月に世界歴代8位の92m62を投げた。さらに9月の世界アルティメット選手権でも初代王者に輝くなど、23歳ながら今季ナンバーワンの活躍を見せている。ダイヤモンドリーグ(DL)でもファイナルを含め5勝を挙げ、優勝候補の筆頭に立つ。
パティラゲ以外にも南アジア勢に精鋭がそろうのが今大会の特徴だ。24年パリ五輪優勝のA.ナディーム(パキスタン)は、今季4試合しか出場していないものの、世界アルティメット選手権では81m49まで記録を戻してきた。昨年の東京世界選手権を制したインドからは、21年東京五輪金メダルのN.チョプラがケガで欠場となったものの、今季87m05を投げたR.ヤダヴィと85m41のY.V.シンがエントリーし、ナディームを上回るパフォーマンスを見せている。
女子はなんといっても18歳・嚴子怡の投てきに期待が膨らむ。5月のDLで世界歴代2位となる71m74を放ち、世界を驚かせた。その後もDLで5連勝を飾り、世界トップの実力を示している。世界アルティメット選手権では右足首を痛めた影響もあり北口榛花(JAL)に敗れたが、2人にとって今季6回目となる直接対決は、世界からも注目を集めるだろう。
アジア最速を決める男子100mでは、P.ブーンソン(タイ)が勢いに乗る。前回の杭州大会では10秒02で銀メダルを獲得。昨年にはアジア歴代3位の9秒94を叩き出すと、今季もアジア勢でただ1人9秒台となる9秒99をマークしている。
その他では、昨年のアジア選手権6位のA.アル・バルシ(オマーン)が今季10秒07の自己ベストを出し、ブーンソンを追う。中国からは200mで19秒88のアジア記録を持つ謝震業、23歳の曾克理がエントリー。不気味な存在なのが、17年アジア選手権優勝の33歳、H.タフティアン(イラン)だ。8月には7年ぶりとなる自己タイの10秒03をマークしている。
ブーンソン、アル・バルシは200mにもエントリーしている。
男子では走高跳にM.E.バルシム(カタール)とウ・サンヒョク(韓国)と世界大会メダリストが参戦。ただ2人とも故障を抱えており、今季屋外シーズンは2m30台には届いていない。代わって東京世界選手権6位のS.A.クシャレ(インド)が日本勢の強敵となりそうだ。また、跳躍では棒高跳のE.J.オビエナ(フィリピン)、走幅跳の石雨豪(中国)、三段跳の栗文(中国)と世界選手権メダリスト、入賞経験者がそろう。
長距離では、5000mで12分45秒70のアジア記録を持つB.バレウ(バーレーン)と、同じく12分台のG.シン(インド)が有力。マラソンは42歳のE.エル・アッバシと37歳のS.デチャサ・グルムというバーレーン勢が、アジア大会での入賞実績を持つが、いずれも全盛期ほどの勢いはない。一方、東京マラソンで好走した豊配友(中国)がメダル候補として名前が挙がる。
400mハードルは東京世界選手権銅のベテラン・A.サンバ、今季47秒56と急成長を遂げるB.ヘメイダのカタール勢が強敵だ。ハーフマラソン競歩は中国の新鋭・石升吉、李陳傑がエントリーしている。
女子100mは17歳にして10秒台に迫る11秒08を出している陳妤頡(中国)が優勝候補筆頭。200mとの2冠を目指す。
400m以上のトラック種目では、アフリカから帰化したバーレーン勢が今大会も中心となりそうだ。400mではアジア記録保持者のS.E.ナセルと前回優勝のK.アデコヤが金、銀を争う。中距離はN.ジェプコスゲイ・コリル、長距離はW.ヤヴィ、R.ジェベトが記録、実績で優位に立つ。マラソンでも、エチオピア出身で東京世界選手権6位のS.エシュテがレースを先導しそうだ。
投てきは各種目で中国勢が有力。砲丸投は宋佳媛、円盤投は馮彬、ハンマー投は趙傑、張家楽と、世界大会のメダリストが勢ぞろいする。棒高跳では、アジア記録保持者の牛春格も出場する。
ここまで有力選手を挙げてきたが、競技環境が整っていない地域の選手もいる。完成して間もないパロマ瑞穂スタジアムで、思わぬ好パフォーマンスを披露する新星が現れる可能性もあり、最後まで目が離せない。
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