2026.08.05
◇全国高校総体(インターハイ、7月30日~8月5日/滋賀・平和堂HATOスタジアム)7日目
高校アスリートの祭典、インターハイの最終日に女子100mハードル決勝が行われ、吉永優衣(長崎日大3)が13秒44(-2.1)をマークして優勝した。吉永は大会3日目の100mも11秒57(+0.7)で制しており2冠を達成。この2種目の2冠は第60回の寺田明日香(恵庭北3北海道)以来、19年ぶり史上2人目となる。
役者がそろったスタートライン。ひときわ小柄な吉永の集中力が増し、得意の爆発的な加速を見せると勝負は一瞬でついた。前半から一気に抜け出すと高速ピッチのインターバルランと、スムーズな加速で影を踏ませぬ圧勝劇。タイムこそ強い向かい風に阻まれて高校記録(13秒20)や大会記録(13秒30)の更新はならず「4台か…」と悔しがったが、100mと同様に笑顔が弾けた。
決勝はまさに完勝。「接戦になったら慌ててしまう。自分が出るしかない」と飛び出し、「足音が聞こえなかったので離せている感じがありました」と冷静に振り返る。
100mの予選で高校歴代3位となる11秒47をマーク。一気に注目度を増したが、脚がケイレンするアクシデントもあり、薄氷を踏む思いで手にした100m女王の座だった。そこからしっかりケアをして100mハードルへ。前日の予選は13秒57(+0.7)と危なげなく1着通過した。
この日の準決勝は「本当に風がひどくて…」と苦笑いするほどのコンディションとなるなか、「1着で抜けられると思っていなかった」。それでも13秒65(-3.0)のトップ。後輩の今村好花(1年)とともにファイナルに進んだ。
今季、高校記録13秒20を出した藤田紗季(敦賀2福井)、そして13秒29を持つ二階堂咲(神戸山手3兵庫)がU20世界選手権出場で不在。それでも、前回Vの石原南菜(白鴎大足利3栃木)を筆頭に、13秒6未満が9人そろうという破格のハイレベルな大会となった。
100m女王となった吉永だが、この種目への思いは強い。「昨年のインターハイで入賞できなかったあと、ずっと優勝を目標にやってきました。ハードルのために100mも伸ばしてきた」。日々のトレーニングも「一から見直した」と研鑽を積んできた。
ハードルの時代を切り開いてきた寺田明日香以来の2冠。奇しくも寺田が引退した翌年に誕生した新たなヒロインだった。実は冬季の間は高校での引退もよぎっていたこともあるという。「まだ実感が湧きません」と話し、今後についても「代表などは正直ないのですが、でも選ばれるような選手になりたい。この結果をプレッシャーに感じず、また日本一を目指していきます」と笑顔を見せる。
「小さくても走りきれる、タイムも順位を狙えるというのを証明できました」。身長152cmの偉大なスプリントハードラーはそう言って胸を張った。
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