2025.12.30
◇2025富士山女子駅伝(12月30日/静岡・富士山本宮浅間大社前~富士総合運動公園陸上競技場:7区間43.4km)
学生女子駅伝2大タイトルの一つ、富士山女子駅伝が行われ城西大が2時間22分36秒で初優勝を飾った。城西大は全日本大学女子駅伝と2冠達成となる。
3年前の全日本大学女子駅伝で7位に終わったその日の夜、当時1年生だった選手が仙台の宿舎に集まり、「どうすれば優勝できるのか」と夜遅くまで話し合ったという。それが、今の4年生になった金子陽向や兼子心晴、そしてマネージャーを含めた学生幹部たちだった。
当時、名城大が絶対的に君臨。金子と兼子も高校時代から有力選手として知られ、「日本一」を目指して集まった。赤羽周平監督、赤羽有紀子コーチのもと、上昇気配を見せる“前夜”だった。
そして、今年。新チームが発足してからは、主将の金子を中心に、さらに結束を強めていく。「走れている選手がいれば、リハビリをしている選手もいます。新チームになってから、点呼の際に今の自分の状態を報告するようにしました。みんなが一つに向かうためには、つながりが大事。みんながみんなの状態をわかっているチームにしたかった」と金子。そして、「誰も置いていかない温かいチーム」へとなっていく。
練習メニューについては「細かく設定する」と赤羽監督。だが、「最後は自分で決めるのが強いチーム。私もいろいろ分析していますが、学生たちでも別に分析しています。報告を受けると、解説をできるほど(の情報)」だと舌を巻く。「駅伝は1人で走る」ため、ジョグも各自に任せるが、「サボろうと思えばサボれますが、自ら厳しいコースに行く」のだという。
全日本大学女子駅伝は25年ぶりに優勝。メンバーが口々に「今年は2冠を狙ってきた」と言う。あと一つだった。
しかし、アクシデントが続く。不調だった石川苺は全日本後にヘルニアが判明。石川を上り坂の7区に予定していたが、プラン変更を余儀なくされた。
その中で、今回6区に入った窪田舞と7区の大西由菜の1年生2人が、「7区より厳しい練習コース」(赤羽監督)で、石川を上回るような走りを見せたという。この2人もまた、各自ジョグで自らを高められる2人だった。
まだ不運は続く。4区にエントリーしていた世古凪沙(1年)が発熱でエントリー変更。急きょ澤井風月(3年)が当日変更で4区に。主将の5区・金子も体調は万全ではなかった。それでも、2冠への強い思いがチームを動かした。
1区・兼子がトップと4秒差の3位で滑り出すと、全日本大学女子駅伝1区区間新だった本間香(1年)がまたも快走。「心晴先輩がすごく良い位置でタスキを持ってきてくれたので、伸び伸びと気も良く走れました」。2区区間新で2位に54秒もの差をつけた。
当日変更の澤井は粘りの走りとなったが、「つないでくれたのが大きい」と赤羽監督。しっかいr区間ひとケタでつないだことが、その後の挽回につながっていく。
金子は「苦しかった」と10.5kmを振り返るも、「一番長い距離を任された誇り」を胸に前を追った。窪田、大西が区間賞。最後は東北福祉大と壮絶な争いとなるが、大西は「ここでやらないと一生後悔する」と脚を懸命に動かし、残り1kmを切って追いつき、突き放した。
チームの礎を築いた金子と兼子はこれがラストラン。「10年間陸上をやってきて、苦しい思いのほうが多かった。それもすべてのこの日のためだったと思います。最高の1日になりました。もっともっと、後輩たちは強くなります」と兼子は笑顔を見せる。
主将の金子は「誰かが苦しんでいたらカバーする。そんな駅伝を最後にできました。来年以降、2冠を果たしたからこそ、プレッシャーになると思いますが、後輩たちがどこを目指すのか、自分たちで考えて、連覇、女王というのにとらわれず、伸び伸びと元気にやってくれるのが一番です」とエールを送った。
赤羽監督も「今までにないほどのリーダーシップで4年生中心に作ってくれた『考える』チームを、次の4年生を中心に作っていって引き継いでいってほしい」と次の1年に向かっていく構えを見せた。
城西大が2冠達成!優勝オーダーをチェック!
1区 兼子心晴(4年) 2区 本間香(1年) 3区 本澤美桜(2年) 4区 澤井風月(3年) 5区 金子陽向(4年) 6区 窪田舞(1年) 7区 大西由菜(1年) 補員 髙橋葵、世古凪沙RECOMMENDED おすすめの記事
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